水戸市出身の横綱「常陸山」の伝記が当館に届けられました。水本敬治さんという東京の方によるもので、常陸山を知る上で大変貴重な本ではないかと思います。
常陸山は相撲の歴史を語る上で避けては通れない明治時代の大横綱で、横綱中の横綱ということで、後に「角聖」と呼ばれ、横綱がとる相撲とはこういうものだという「横綱相撲」の定義をつくらせた人物です。
明治34年。常陸山は水戸に帰郷の折、大洗の馴染み旅館である当館に宿泊されておりましたが、そこで按摩の「丑太郎」が歌う民謡磯節に惚れ込み、丑太郎に「安中」という芸名を与えたそうです。
その後、安中を全国の相撲巡業に連れていき、宴席で『ふるさとの唄「磯節」の名人です』と紹介し、日本の行く先々で磯節を披露し、日本3大民謡のひとつとされる磯節の普及に大きく貢献されたそうです。
当館より歩いてゆける「磯節発祥地の碑」では、当時の安中の唄を聴くことができます。当館内でも聴けますので、ご希望のお客様はお申し出下さい。