里海邸|大洗海岸。東京都心より90分、大海原が広がる静かな別邸へ

「素朴を上質に」海の別邸は、隠遁時間。~波と光色。湯と縁側。陶と食。磯と木の食卓。|里海邸 金波楼本邸 公式ブログ

海辺を掃き清め、美しい風景と文化を守る町。

2016年04月30日 | 大洗町の話題

宿前の海岸砂利の撤去作業が完了し、里海邸の前の海岸は綺麗になりました。写真の下方にある5つの岩は、堆積した砂利で普段見えなかったものです。

この作業は県立自然公園としての美しい景観や観光客の海岸歩行の快適性を整備しつつ、高波を何度も経験している私から見ても信頼できる防災対策です。自然災害のリスクを軽減しつつ、多くの人々に感動を伝えてきた美しい風景を修景維持するという、景勝地の自然・文化価値を尊重したよい方法であると思います。

大洗海岸の岩礁や神磯鳥居などの風景は名勝指定を受けています。名勝とは自然的価値、人文的価値、観光資源としての価値など、多様な価値が重層して現存するものとして、将来に残すことを前提として文化財指定の網を掛けられたものです。

つまり、大洗海岸は単なる風光地ではありません。

大洗海岸は千年以上前から巡礼の海岸として、明治時代からは観光地として多くの来訪者に感動的な風景を伝えてきました。その風光の魅力は地域の風土を育てる種として地域文化の形成・発展にも深く根をはり、現在の大洗町に寄与してきたのだと、私は感じております。この海の自然価値・文化価値が、社会的価値となり、海辺の暮らしを支えてきたことを、忘れてはいけないと思っております。


今後も海岸公園として定期的に整備することで、この景勝地が適切に守られ、大洗町の文化の種子として未来へとしっかり継承されてゆくことを願ってやみません。
(石井 盛志)