おはようございます😃
先日はいろいろなコメント、リアクションをありがとうございました。
嬉しかったです。
取り急ぎお礼を申し上げます。
「僕が、、、あなたを、、、愛しているから」
その言葉を聞いて、ユジンは信じられない思いだった。しかしなんとなく、ミニョンの好意は少し前から気が付いていた。自分にはサンヒョクがいるのに。今何か口を開いたらとんでもない事を言ってしまいそうだった。ユジンはたまらずに、走ってその場を去った。今は少しでもミニョンと離れなければ、という思いだけだった。
一方でミニョンはしばらく呆然としていた。自分の口から出た言葉が信じられなかった。自分がユジンを愛している?口に出して初めて、ずっとモヤモヤしていたものが形になった気がした。ユジンへの誤解が解けたころから、ユジンを愛しいと感じるようになった。はじめは、カンジュンサンの思い出の中で苦しむ彼女を、切なく思っていた。その思い出もまるごと引き受けて、ユジンを包み込みたいと思った。
しかし、そのうち彼女がカンジュンサンを思い出して物思いに沈むたびに、彼に嫉妬するようになった。彼女はどんなふうに、彼に微笑んたり、触れたり、見上げたんだろう。どんな声でささやき、愛の言葉を紡ぎ、抱きしめたんだろう。そう思うと、自分にそっくりの存在がたまらなく憎らしくなった。そして、彼のことを忘れさせたい、自分の存在でそれ以上の愛で上書きしたい、と思うようになっていった。
ユジンが笑っても泣いても仕事をしていても、いつも全身から滲み出る悲しみや寂しさを、消し去ってやりたいと思った。彼女の悲しみに同化したとき、ミニョンの心は張り裂けそうなほどの切なさを感じていた。こんな気持ちになるのは、生まれて初めてだった。こんなに切なくて辛いのが愛なのだろうか。
そして今日、つい思わずユジンに告白してしまったのだった。
しかし、気がついたらユジンはいなくなっていた。ミニョンは慌てて建物内を探したが見つからない。まさか、外に出たのだろうか。ミニョンは真夜中の外に飛び出した。そしてユジンの名前を何度も叫んだ。ごうごうと吹雪くので、視界はほぼない。ミニョンは必死でユジンを探しまわった。
しかし、しばらくすると、あまりの寒さで諦めてレストランにもどった。すると、ユジンが、暖炉の前の椅子で眠りこんでいるのが見えた。
ミニョンはあまりにほっとして、疲れのあまり崩れ落ちそうになった。
そしてしばらく、ユジンの顔を見つめていた。ユジンの寝顔眉を少しひそめては苦しげだった。その辛そうな寝顔を見ているだけでも、切なくて涙が溢れそうになった。ミニョンは髪の毛にそっと触れたいと思ったが、我慢して自分の上着を被せた。そして、自分はレストランのスタッフの休憩室のソファーで横になった。それでも、頭は冴えて、全く眠れなかった。自分はユジンに気持ちを伝えて、これからどうするつもりなのだろうか。彼女には婚約者がいる。彼女が見ているのはカンジュンサンであり、ミニョンではない。それでも彼女のそばにいたいし、笑顔を見たい。
告白したことに全く後悔はなかった。
明日、ユジンに気持ちを聞いてみよう、ミニョンは固く決心した。そんなことを考えているうちにいつのまにか眠ってしまったようだった。
ユジンは、ミニョンのもとを去ったあと、少しだけ外に出て、心をクールダウンさせた。そのあと、レストランにもどると、三階で一人座り込み、しばらく時間を潰したあと、暖炉の前にもどった。ミニョンは気まずくて場所を変えたのか、いなかった。ユジンは椅子に腰掛けて一人物思いにふけった。
ミニョンに言われたことは確かにその通りだった。チュンサンを忘れられないけれど、いつまでも想っていることは出来ない。やがてサンヒョクと結婚する日がくるのだ。
そしてミニョン。サンヒョクがいるのに、ユジンの心はミニョンに傾いていた。チュンサンと同じ顔だから始めは気になっていたが、今では違った。ミニョンその人に惹かれている。でもそれを口にすると、全てが崩れてしまう。ユジンはその重さに耐えられなかった。まるで、パンドラの箱を開けてしまったようだ。どうしたら良いか分からない。ユジンも悩んでいるうちに、いつのまにか眠ってしまったらしかった。
嵐の夜は更けて、いつの間にか朝がやってきた。