一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

思い出の『ニコラス』&『CAVERN CLUB』

2008年11月16日 | 最近のできごと
 先日、六本木で、友人と食事を共にした。『ニコラス』六本木店。ピザ・ハウスであり、イタリア・レストランの『ニコラス』は、私にとって思い出の店である。ただし、六本木ではなく、新橋の『ニコラス』。初めて会社に就職して、OLになってから、毎日が楽しくて仕方なかった。学生時代を終えて、大人になった気分ということもあるが、会社勤めは新鮮な体験の連続である。新橋駅から歩いて数分のビルにある会社。テキスト・ブックとカセット・テープをセットして英会話などの教材を企画制作する会社だった。
 会社が終わると、毎日のように、寄り道して帰った。上司や先輩社員たちから誘われて、新橋の会社近辺や銀座へ連れて行ってもらうことが多かった。アルコールを、少しは飲めるので、バー、居酒屋、スナック、クラブ、レストラン、小料理屋など、さまざまな店に連れられて行った。その中に、新橋の『ニコラス』があった。男性先輩社員が連れて行ってくれた。店内は間接照明で、テーブルの上に赤いランプ型ライト。ピザを食べながら、キャンティ・ワインを飲んで、大人の女性の気分に包まれた。
「こんなに美味しいピザって初めて!」
 思わず、そう言ったが、誇張ではなく、本当に美味しかった。学生時代、女友達と一緒に食べるのはピザ・トーストが多かった。レストランで食べるピザも専門店ではなかった。
 だから、初めて『ニコラス』で食べたピザの美味しかったこと! キャンティ・ワインも、飲みやすくて美味しかった。その後、好物となったピザを食べるたび、OL時代を思い出したりする。
 六本木本店の『ニコラス』は、その日、初めて行ったが、友人も久しぶりのようだった。窓の外に庭が見えて、静かで落ち着ける雰囲気だった。イタリアンのコースで、数種類のピザを食べ、キャンティ・ワインを飲んだ。
 その後、ほろ酔い気分に包まれながら歩いて、『CAVERN CLUB』へ行った。
『CAVERN CLUB』は、ビートルズ・ナンバーだけ演奏するライブ・ハウスである。私はビートルズを特に好きでもないし、嫌いでもない。どちらかと言えば好きかも、という程度だが、友人はビートルズ世代。10年ぐらい前に初めて来たから、私は2度目。友人はたまに来るらしい。
 店内は満席だった。ちょうど、2回目のステージが始まって間もないという時刻だった。客はほとんど中年以上で、男性が多い。バンド・メンバーも客たちも皆、ビートルズを愛する人たち──。
 ライブ演奏というのは、気分が高揚して、新鮮で、刺激的で、とてもいい。私にはビートルズの魅力って、イマイチ感じられないけれど。でも、『ゲット・バック』が一番好きかも、という感じ。
「ビートルズってロックよね、あまりセクシーな感じしないみたい。同じロックでも、プレスリーはセクシーだけど」
 ロックの魅力もイマイチよくわからないけれど、プレスリーぐらい知っている。今年の5月、『ELVIS映画祭』に誘われて、女性の友人と一緒に行ったのである。
「プレスリーは女性に人気があるんだ」
 友人が言う。確かに、驚愕させられたことだが、あの『ELVIS映画祭』の観客の90%ぐらいが女性だった。
 私は、音楽と共にある生活を送って来たわけではないので、ふだん、CDをかけるのは家事をする時のBGMである。コーヒーやワインを飲みながら優雅に音楽を聴くという習慣は、ない。BGMを聞きながらだと、家事を延々と何時間続けても疲れないことに気づいたのである。映画音楽・ジャズ・ロック・ポップス・クラシック・オリエンタル音楽など、家事をする意欲が湧く曲なら何でもという感じ。CDを交換するのが面倒で、数か月、同じCDだったりする。以前、かなり長い間、映画『アマデウス』サントラ盤の<Disc1>をかけていて、その後、<Disc2>に変えたら、会うたびに好きになる恋人、みたいに聞くたび好きになる曲ばかりで半年以上もかけていたが、それは誰も知らない秘密……というほどのことでもないけれど。
 そんなふうに、いろいろな思い出を胸に秘めたまま、久しぶりに六本木の夜を楽しんだ。


                                   

                                『ニコラス』 & 『CAVERN CLUB』
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