キシリ徹の!おんぼろファクトリー操業記

キシリ徹の
架空CMソングの作詞・作曲・制作の経緯、小さなハプニングやイカしたグッズ
についての裏話を書きます!

〈架空CMソング制作秘話〉 「アルパカ毛むくじゃランド」ができるまで(第4回)

2020-05-01 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
 
 こんにちは!!!キシリ徹のなにかしらを担当しているタニケンです!!!!

 制作秘話第4回は、アルパカ毛むくじゃランドです!!!!

 イベントでも人気の曲で、我々の代表曲の一つです!!!!


【着想】
 レジャー施設で印象的なCMソングといえば
 この曲については、テーマパークやレジャー施設系のCMソングを作ろう!ということで、作曲に挑みました。

 レジャー施設といえばどんなものがあるだろう?と考えた時に真っ先に思い浮かんだのは富士サファリパークでした。

 我々は北海道出身のため、本来あまり馴染みがないのですが、富士サファリパークのCMソングはあまりにも有名ですね。

 他に名前が挙がったのは、のぼりべつクマ牧場ですね。熊が全然韻を踏んでないラップ(?)をするCMが印象的です。
 
 アルパカとの出会い
 とりあえず動物園のような施設を想定して考えることにした。

 クマ牧場のように、特定の動物を集めた施設の方が趣深いだろうと思い、「どんな動物を集めたら楽しい施設になるだろうか?」と思案を巡らせた。

 そのうちに、学生時代の記憶が蘇った。

 苦い記憶______________。
 

 それはあの夏、茹だる暑さの中で垣間見た白昼夢だったのかもしれない。

 当時、私は農業大学の学生だった。大学3年の夏。

 実習のために、普段出入りしている研究棟から数キロ離れた実習用の施設に向かっていた。

 気温が高く、日差しも強かった。噴き出す汗を拭う腕にも、蒸発する傍から滴が湧いてくる。

「暑い…、遠い…。」と独り言ちながらひび割れたアスファルトの上をひたすらに歩いていた。
 
 その時、視界の端に白い影が現れた。

 その影はおよそ時速20キロほどの速さで駆けてきて、木柵を挟んで私の右前方4メートルあたりで急停止した。

 颯爽に、と表現するのが妥当であろう。
 颯爽に現れたそれは、自ら起こした土煙にまかれながら悠然と直立していた。

 その影が纏う白さは、書き割りのような空の青と乾いた大地の土色の間で、異様な存在感を放っていた。


 その影の正体は___________アルパカだった。
 

 この大学には、牛や豚などの家畜が多くいる。学生寮の自室の窓を開けていれば、散歩をする馬の蹄の音で睡眠を妨げられることもある。

 しかし、アルパカがいるという話は一度も聞いたことがない。そもそも彼(あるいは彼女)は本当にアルパカなのだろうか。

 突然現れた彼を改めて観察してみた。

 その姿は、私が知識として知るアルパカの外見上の特徴と一致していた。やはり彼はアルパカであるに相違ないであろう。

 しかし、彼はなぜ突然現れたのであろう。彼がやってきた方向に目を向けたが、他のアルパカはいないし、誰か人がいるわけでもない。

 彼は、駆けてきたあと急停止し、そのまま前方を見据えたまま不自然なまでに静止しているが、その視線の先には木柵の他は何もない。

 依然、彼の目的や出自は謎に包まれたままであったが、実習開始の刻限が迫っていたため、私はその場を離れた。途中何度か振り返ったが、彼は、私を目で追うわけでもなく、変わらず前方を見据えていた。

 その後、私は数人の友人に、この「アルパカがいきなり駆けてきて目の前で急停止しただけの話」をした。

 しかし、誰も学内でアルパカを見たことはおろか、その存在について耳にしたこともなかったため、この話の真偽を疑われる羽目となった。

 私は、アルパカを見た場所へと友人を案内し、今一度その姿を見せてはくれまいかと願ったが、アルパカが現れることはなかった。

 結局、私の話は信じてもらえず、白昼夢かなにかということで片付けられてしまった。

 差し詰め私は、狼少年、いや、アルパカ青年といったところだろうか。

 それより以後、今日まで、私はアルパカと再び出会うことはなかった。

  

 そんな記憶を思い出したので、アルパカがたくさんいる施設にしようと決めました。
 そこで、いつものごとく思いつきで「アルパカ毛むくじゃランド」と発言したら、すぐやなせが、「行こう!行こう!アルパカ毛むくじゃランド」と歌い出ました。
 
 黒澤明監督が「創造とは、"記憶"である。何もないところから出てきやしないんだよ。」と語っていますが、「アルパカがいきなり駆けてきて目の前で急停止しただけの話」から着想のヒントを得て曲ができたんだから、作品を作る上では、どんな些細なことでも記憶や経験っていうのはとても大事ですね〜。

 
【楽曲解説
   とりあえず楽しい曲にしよう!!っていうのが念頭にありました。

 最初に思いついたサビを何度か歌いながら、「サンバかラテンかな〜」とか話し合いながら結局サンバにしました。ラテンっぽいのは他の曲でやってましたしね。

 差し当たって、やったことのないサンバを叩かなければいけなくなったので必死に練習した記憶があります。結局ドラムに関しては「なんっちゃってサンバ」な感じになったけど、それはそれで悪くはないかなと思います。「なんちゃってサンバ」って曲ありそうですね。

 やなせ曰く、「なんとなくだけどデビットボウイっぽくしたかった。たぶん当時、寺田倉庫でデビッド・ボウイ展を見たり、その映画を見たりしていたから」とのことで、改めて聴き直したらサビの部分は三和音でシンプルに構成されていて、グラムロック期のボウイを意識していたことを思い出したらしいです。

 この頃、機材とかを変えて作曲の機運を上げようみたいな試みをしていて、普段はあまり使わないEdwardsのギラギラしたレスポール使ってたから、多分そのボディのギラギラを見てデビットボウイを連想したかもしれないとも仰っています。へえ〜そうなんだ〜。


 
 最初のスタジオでは1サビまでしかできなかったので、やなせが持ち帰ってBメロ以降を作りました。

 当時、解散前後であった°C-uteをかなり聴いていた事もあり、Bメロは、°C-uteの「憧れMy STARから着想を得ました。

 歌メロの詰まった感じの譜割はもちろんのこと、ベースラインに関してもドラムのリズムに合わして刻むフレーズではなく、全音符を使ったフレーズを選択している点もこの曲を参考にしています。
 
 最後のサビ前の「アルパカ アルパカ 数多アルパカ!はっ!」の部分に関して言えばこぶしファクトリーの「サンバ!こぶしジャネイロ」をほぼ引用しています。

 この曲は特にハロプロの楽曲に影響を受けている部分が多いのかもしれませんね。
 
 アレンジに関しては、パーカッションやオルガンを加えるに当たって、やなせはスーパーファミコンの「がんばれゴエモンきらきら道中〜僕がダンサーになった理由〜」のタイトル曲を聴き込んで参考にしています。
 
 最後のサビのシンセの音はパラメータをいじって、アルパカの鳴き声に近づけています。そこにメロトロンの人声っぽい音を重ねて、「アルパカと人間が共存」するユニゾンを表しています。多分言わないと気付いてもらえない点なので、この点を踏まえた上で是非聴いてみてほしいですね。





 
【その他 裏話】
 「アルパカについて何を歌えばいいんだろう…?」
 やなせが歌詞を書いている際、アルパカについて歌うことが全然思いつかなかったため、YouTubeでアルパカの動画を観ながらアルパカの習性とかをひたすらメモしていました。
 
 その結果、やなせのYouTubeアカウントのおすすめ欄が「ハロプロ」と「お笑い」と「アルパカ」の動画ばかりになってしまいました。他二つと比肩するほどアルパカが好きなわけでもないのに…。

 また、1サビの「触って 埋もれて Go to bed!」はサビだけできた時に唯一僕が書いた部分なのですが、やなせがその先のサビの歌詞を書くに当たって『「触って 埋もれて Go to bed!」に並ぶ歌詞を数個ださないといけない…』ということにかなりプレッシャーを感じたと語っていました。

 そんなことはつゆ知らず、今日まで僕は思いつきで発言してきたわけですが。

 やなせは『「毛刈って あつらえ SuperFine !!!!」とか「走って 屈んで No more Cry!!!!」で一矢報いた感あるわ』とも語っていました。

 「Super Fine」はアルパカの毛の品質等級の一つらしいです!折角なんで覚えておいてください!

アル・パカーノ博士について
 
 この広告画像について特筆すべきことといえば、やはりアル・パカーノ博士の存在でしょうか…。
 アル・パカーノ博士はさかなクン的な、架空の学者兼タレントです。

 この写真素材は、私が自宅で自撮りで撮影したんですが…

 
 
この数日前に、当時勤めてた職場に退職願を出したばかりだったので、「こんなことばかりするために仕事辞めるんだよな…」と考えさせられました。

 この写真素材などの撮影秘話は後日公開する予定の新コーナーで書こうかな〜。


からくりナイスキャッチ!でアル・パカーノ博士登場
 キシリ徹のラジオ「からくりナイスキャッチ!」第10回には、アルパカ毛むくじゃランドから、飼育員の桜庭郷里さんがゲストとして登場します。

 施設の紹介の他、「美しすぎるアルパカ」として話題になった『タバスコちゃん』についても沢山語っていただきました。

 途中、アルパカ毛むくじゃランドで行われているアル・パカーノ博士のトークイベントに中継を繋ぎ、会場の盛り上がりをお伝えいたしました。

 イベントに集まった子供たちはクイズなどで楽しんだ後、アル・パカーノ博士と一緒に「アルパカ体操第六 第3幕 序章」を歌って踊って大盛り上がりでした!

また、やなせが収録中に失踪して大変だったけど、楽しかったな〜!


グッズ展開
 やたらと我々はアル・パカーノ博士を推しているので、アル・パカーノ博士単体のグッズがあります!



 まずはこのチャリティ感溢れ出るTシャツです。実際僕は、「誰が買うねん!?」って思ってましたが、先日のマニアフェスタvol.4で一名にお買い上げいただきました。

 僕の目の前で、「この変な顔のやつはなんですか…?」と質問されたので、やなせが爆笑していました。変な顔のやつご購入頂きありがとうございました!

 もう一つはポストカードです。



 デザインはTシャツと同じですが、裏にはアル・パカーノ博士のありがたい格言が10個書かれています。

このアル・パカーノ博士格言も入ったポストカード+ステッカーセットをマルシェルに出品しました!

是非購入して確かめてみてください!

以上です!
また来週もお楽しみに〜!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿