2008年10月2日のブログ記事一覧-ギャラリー貴祥庵 ―《貴志 理の 日々の思いついたままのイメージ絵画、心に残る言葉、歳時の記録を綴る》―


秋に想う2

 

 

夜も涼し 寝覚めの仮庵(かりほ) 手枕(たまくら)も 

真袖(まそで)も秋に 隔てなき風   (兼好)


夜も憂し ねたく我が背子(せこ) 果ては来ず

 なほざりにだに しばしとひませ  (頓阿)

 

もすず/ざめのかり/まくら/そでもあき/だてなきか
るもう/たくわがせ/てはこ/ほざりにだ/ばしとひま
文節の頭文字を繋げると、兼好の場合は「よ・ね・た・ま・へ(米給へ=米を下さい)」になり、後ろから繋げると「ぜ・に・も・ほ・し(銭も欲し)」とつまり「米たまヘ銭も欲し」と無心したのに対して頓阿の返句が「よ・ね・は・な・し(米は無し)」、「せ・に・す・こ・し(銭少し=お金なら少しなんとか)」「米はなし銭すこし」と返事した。

 

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