奇乃堂

手袋を作る、いらないシャツで

 消毒液するのは厳しいし、綿手袋をして外出していた。
 手袋しているおかげか、別のおかげか、手荒れは「皮膚くっつく気ないよ」から「荒れるけど、くっついておくよ」になっている。まだ、そこまで寒くないのかもしれないし……わからないけれども。

 綿手袋、自宅の作業用は大袋のを使っているが、外出のはそれよりは高めの手袋にしていた。
 ただ、その手袋、値上げはされていないけれども、赤い糸で縫い留められていた。何か変えたということは明らかだった。
 わかったのは、洗濯機で洗った直後だった。

 本当は手洗いが推奨なのだけれども、数回使ったと、面倒くさくて洗濯機に突っ込んだのだ。
 そうしたら、赤い線が入る前は縮み、厚みが増す感覚だった。何だろうねぇ……手洗いと洗濯機の違い……と思ってみたり。
 で、赤い線が入った製品は、縮んだだけでなく、ゆがんだのだ。それに、擦り切れが見える。
 値段は下げないけれども、品質を落とした、という感覚を得た。
 とはいえ、手首から下がってくることはないから、まとめ買いものよりもどこかいいんだろうなとは思う。

 そういう点から、いっそのこと作るか……と思った。
 ダメ元で、いらなくなったシャツで。
 どうせ雑巾にするだけだし、ダメならダメでいいじゃんと考えた。
 編まれているから伸びるし、手袋にはしやすいだろう、と。

 作り方は単純。
 手の形で型紙を取る。
 布を切る、縫う。

 親指は別布にしていない。することで、内側に縫い目が来ないんだと気づいたけれども、そんな技術や手間は省く。

 結構縫うのに時間がかかる。伸びる素材だからだろう。細かくはないけど……ほつれない程度には細かく。
 なお、伸びる素材に使うという糸があったうえ、同じ灰色だったという。もちろんそれを使った。

 できた。
 はめてみると、親指が長い……ので、付け根あたりまで手繰り寄せてみたり……。
 しばらくこれでいいかな、外出手袋。
 よい手袋ないかなぁ……。

今後ともよろしくでございます。

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