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長寿幸せ企業への「変化と継続」2022-25

第7章(6)老舗中小企業の廃業、倒産を防ぐ「宗家承継」という考え方

第7章 経営者人生の終い方「出口戦略」事業承継・M&Aと廃業

(6)老舗中小企業の廃業、倒産を防ぐ「宗家承継」という考え方

 戦後1947年の憲法民法の改正後の大きな税制改正以降、最初の団塊世代を中心とする後継者への事業承継は中小企業の体力もあったので、相続税もの問題もなんとかクリアー出来ました。承継者もまだ長兄が家督相続するのが当たり前の時代でしたので、相続問題もそう大きな問題ではありませんでした。

 わたしも長兄で父は姉妹に「釜戸の灰まで雅司のもの」と言っていたのを聞いています。

 私が全国を相手に事業するのに一番便利な東京を選択せずに、和歌山県のそれも特急電車で和歌山市から1時間以上かかる田舎町を拠点として選択したのも長兄が家を守るという義務感が刷り込まれていたからにちがいありません。

 

 しかし、時代とともに中小企業の経営環境も大きく変化し、「マスコミ」が権利、権利と過剰に反応し過ぎて権利意識が異常に増大し、いわゆる「有識者」とやらが法律が道徳より正しいかのごとく大衆をあおっているきらいがあります。

 明治以来、日本の有識者や知識者といわれる人々と政府は欧米を追いすぎます。ハンチントンのいうように日本は他の文明とは違い一刻で独立した一つの文明だと言えます。神道の影響下、他の文化を受け入れて融合するのに優れてる国です。労働は罰だとは考えませんから日曜日はありませんでした。「働くことは労働ではなくて生きること」と考えました。「和を以て貴しとなす」国ですから、欧米の個人主義的な法ではなく、日本人の特性を活かした法に変われば、日本人の幸せに対する考え方も変わるように思えてなりません。

 老舗と言われるような、長く続く会社はいい会社です。お客様、従業員、取引先や地域社会全てに認められ信用されないと100年、200年という長寿企業にはなりえません。詳しくは、第4章(5)これから100年間潰れない会社への挑戦」を参考にしてください。

「なぜ今老舗の倒産が増加しているのか!?

 会社の業績が良かった老舗の財務状態が急激に悪化し、経営危機に陥る大きな原因の一つが相続税や遺留分の問題です。

 仲良かった兄弟が両親を中心として一つにまとまっていたのに、結婚して家族を持てば両親を向いていた彼らの眼は自分の配偶者や子どもに眼が向きます。彼らから見れば、長兄だけが親の財産を多く取るのは許せないのは当然のことです。長兄が継いだ事業がうまくいくために相続分が少なくなることに納得せず、自分の家族のために権利分の土地や株を売って現金化するように要求してくるのがふつうです。このことを悪く言うわけにはいきません。遺留分は当然の権利として行使すると考える時代です。

  この章の(1)から次項の(7)会社を親族以外の一代限り経営者に任せる「代打継承」までは、嫡流の家系つまり「宗家」1の範囲内での承継を前提としています。

 ここで私の考える「宗家」とはどのようなものかお話しましょう。「宗家]とは事業を取り仕切る家のことですが親族すべてを言うのではありません。社長①を中心に考えると、社長の父②(会長と言われる場合が多い)と母③がいて、社長の配偶者④と後継者である子ども一人⑤で構成されます。後継者以外の子どもは親族であっても「宗家」の一員ではありません。

  後継者⑤以外の兄弟姉妹、その愛すべき子どもたちを差別扱いするという考え方ではありません。親としては、血を分けた子どもたちはすべて愛すべき子どもたちです。その子どもたちが、権利とはいえ兄弟で争うことになっては、「幸せ企業」とは言えません。

 だからこせそ、経営者の方は、子どもが出来たときから、事業承継のことを想定しておかなければなりません。特に優良企業で株価が高い場合、遺言書で株をすべて次期社長予定の子どもに相続しても、事業承継しないその他の子どもさんの遺留分がどれだけになるのかを早すぎるくらいからチェックし、株に変わる同額の現金を他の兄弟に渡せるように貯蓄だけでなく退職金や保険などを検討して早目に準備しておくことが重要になります。

  

1 この「宗家」という考え方は、SMC税理士法人曽根康正著 「自分の会社を100年続く企業に変える法」(写真左上) の「家」がベースになっています。

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

  1.「経営救急クリニック

  2.「長寿幸せ企業への道

  3.「事業承継・M&A

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