行きは小田急で町田によってから藤沢に来たわけですが・・・
帰りは折角なので、御殿場線直通山北行に乗ってみることに。
東海道線(東京発)の御殿場線直通は以前は下り4本・上り2本ありましたが、2004年の静岡・沼津直通が激減したダイヤ改定の際に、東京発17:41分の下り1本だけに。
その残った1本も2012年3月17日改正で廃止になりました。
横浜に通っている時は東海道線経由を使っていたので、御殿場線直通にも時々乗ったものです。
なので何を今更感もあるのですが、最後ということでレポートしておきたいと思います。

藤沢駅の指定席券売機で買った乗車券
せっかく直通列車に乗るので駅名表示の券を買うことに・・・というかクレジットカードで買いたいので


改札付近のLED案内表示機
行先は4文字表示できないようで、沼津と山北が交互に切り替わる方式
沼津・山北行であることは少し立ち止まってゆっくり見ないと分からないかも。

こちらはホームの時刻表
既にダイヤ改正準備で上から紙が貼ってある状態。
18時31分発の行先が「沼山」と表示されています。
右下は行先の凡例
掲出の時刻表では編成両数やドア数は表示されていません。

車両の行先表示
「東海道御殿場線」と「山北」の交互表示
この「東海道御殿場線」という表示機の横幅一杯に詰め込んだ表示・・ちょっと分かりづらいような。
「国府津から御殿場線」とか「御殿場線直通」のように表示した方が分かり易そう。
藤沢で乗ってしまえば国府津までは他の東海道線列車と一緒。
国府津駅到着前に「この放送が入っている車両は、国府津から御殿場線に入りまして・・」と、
かっての小田急を彷彿させる分割放送が・・・。
さて注目したいのが国府津駅での分割作業
分割作業といえば小田急でもありますが・・・小田急の分割を見慣れていると随分と大げさな感じになります。
まずは国府津駅に到着してドアが開きます。
すぐに分割作業に入り準備が出来たところで・・

後の編成だけドアが閉まり少しバック

再度、後の編成のドアが開きます。
列車番号は2331M
231系だけど2331
前(1~10号車)の沼津行が発車した後にホーム中央部分まで移動。
なんと自動放送が作動して「次は下曽我・・」のように放送しだすところを車掌の操作?で無理やり止めます。

ホーム中央部分まで移動してドアを開けて発車時刻を待ちます。

この一連の流れは113系時代から一緒です。
ちなみに上りの東京直通があった頃は
3番線で一度ドア扱い→引上げ線に移動→4番線に連結相手の列車が到着→引上げ線から4番線に移動して連結。
というこれまた国府津駅に2度停車するという連結方法を取っていました。
車内放送では「次は国府津・・3番線到着・4番線から○○分に発車します」のような案内放送を聞いたものです。
御殿場線直通という事を知らずに乗っている人もちょくちょく見かけますが、
ドアが開いたり閉まったりバックしたり・・という異様な?雰囲気で気がつき慌てて降りたりのようです。
中には国府津を発車してから、なにか違う雰囲気を感じたのか下曽我で慌てて降りる人も・・・・
下曽我まで来てしまうと、行先やダイヤによっては諦めて松田で小田急に乗り換えた方が早いかも?




最終日の3月16日、私はこの東京発山北行に松田から乗ることに。
なんと驚くべきことは、他所から乗り納めに来たと思しき鉄道ファンの姿もチラホラ・・・
といっても人数は少なく「いつもより多少乗ってるカナ?」程度でしたが、
鉄道という面では節目であったこの日に敢えて「最後の御殿場線の山北直通への乗車」を選んでくれた。
というのはとても嬉しく思うものです。
この日、私は荷物が多くて写真を撮るにもきつい状態で、写真で記録することは残念ながら出来ませんでしたが、「最後」という雰囲気を感じながら乗ることが出来ました。
山北到着後、翌朝の初電までお休みとなるE231系車両も最終日は山北ですぐに回送で折り返してしまいました。
松田駅にいれば下り列車の313系との行き違い風景が撮れたかもですが





2012年3月改正前の時点では御殿場線のE231系列車はこの東京発山北行の他に折返し翌朝の山北初電の国府津行。
また日中に国府津~山北の1往復にも使われてました。
5両固定編成で分割不可という余裕の輸送力で、充当列車が沿線の高校の下校時刻と重なった際はなんとも頼もしい存在でした。また余裕の輸送力を生かしたのか富士スピードウェイでF1が行われた際は臨時に御殿場まで乗り入れるなどもありました。
ただ本来ならばこの余裕の輸送力を生かして日中~夕方頃に御殿場往復して行楽客輸送に一役買わせるべきなんですが、JR東海にはそういう頭の良さもやる気もなかったようで・・・。
混雑時には空き気味の山北折返しがE231系5両でガラガラな反面、御殿場からくる列車が313系の2両のワンマンで超満員。というシュールというか、満員列車に乗せられる身からすればいい迷惑という状態も展開されていました。
ちなみに私は昨年はJR東日本線にはほとんど乗りませんでしたが、E231系には御殿場線でちょくちょく乗る機会がありました。
御殿場線の東京直通列車という面ではかっての急行ごてんば号もあり、同じように国府津で急行東海号と分割・連結もしていました。
また普通列車でもJR化後に下曽我観梅の臨時列車で快速松田行(前11両は国府津止まり・品川発だったかも?)のような変り種列車。
時代を遡れば30年前頃までは御殿場までグリーン車付の113系基本編成の11両が直通していた時期もありました。
更にその昔、御殿場線普通列車が73系だった時代は、「東海道線直通の113系列車は乗り心地が良い車両で乗り得列車だった」という話を聞いたこともあります。
そういった歴史的な面でも、御殿場線用車ではないJR東日本車両による御殿場線運用が終了したというのは1つの注目すべき節目ではあります。
国府津~御殿場間では首都圏への通勤通学需要が大きいにも関わらず、国府津口には車庫もまともな留置線もなく、基本的に御殿場線で使われる車両は沼津から来るというのは非効率に見えます。
そういう面ではJR東日本車両による御殿場線運用は都合がいい面があったと思います。
今回のダイヤ改正では本数こそ減便にはなりませんでしたが、こういった車両運用の制約などJR東海の内部事情によって、御殿場線国府津口の利便性が損なわれるというのは大きな問題です。
こういった問題を初め、御殿場線が抱えている種々の問題により利便性が低下して公共交通機関としての御殿場線が廃れるということになれば、これはもはやJR東海による企業犯罪である。と断言できるでしょう。
そうならないようにもっと頑張って欲しいです。
2012/3/19 8:00(JST)