8月13日にテクノコア社のWebメディア「技術の手帖」に「日本最大級の蒸気機関車『D52形』の動態保存における現状と課題」を寄稿しました。(赤井清水名義)
技術の手帖への寄稿は3本目。今回は初の鉄道関連の記事となりました。
今回の記事では整備を請け負っている恒松氏のチームにインタビューにご協力をいただき、また山北町役場にも電話取材を行い山北駅横で圧縮空気方式で動態保存されているSL・D5270号機の現状と課題について紹介しました。
ここでは記事中では紹介できなかった画像を紹介します
炭水車を後ろ側から見たところ
案内板の脇には「昭和30年9月1日」日付の「ディーゼルカー運転開始記念」の石碑もひっそりとたたずんでいます。
御殿場線のディーゼルカーといえば現代のふじさん号のルーツでもある小田急からの直通用のキハ5000形、5100形が有名ですが、御殿場線の1000分の25の連続勾配は当時のディーゼルカーにとっては難所で、普通列車用のディーゼルカーも当初の車両では試験運転に失敗し高出力車両を用意して再び試験運転に挑むという結構なドラマがあったようなのですが、SL(戦後のD52)と旧型国電73系(御殿場線では昭和54年まで活躍、首都圏に残った旧国としては末期の部類)の狭間に挟まれてしまい、情報が非常に少ないのが残念なものです。
最後に山北町のゆるキャラ「でごにぃ」を紹介。
山北町はゆるキャラもSL型。
「SLで町おこし」の意気込みも感じますが、一方で自治体は首長が変わると施策がガラッと変わってしまうこともよくあること。
国鉄の分割民営化すでに35年以上。高齢化も進み「鉄道の町」の記憶も風化しつつある中で、文化財として動態保存のSLを今後も末永く維持していくためには、どうすればよいのか考えていかなければなりません。
本文中で触れたように山北町のD5270号機は2016年に奇跡の復活として圧縮空気方式で動態保存化されましたが、その後の状況が不明瞭な状態が続き、SNS等では鉄道ファンからは心配する声も見られました。
近年では月1回整備運行として運転され実施日は山北町のWebサイトで公開されるものの「あることを知らないと探せない」状況で広く知られているとはいいがたいです。
今回の記事をきっかけにD5270号機の動態保存がより広く知られて訪問客が増えると嬉しいです。
2024/8/15 00:38(JST)