練習用ブロックには節があり、とても作品用には使えないレベルです。彫っていくと、ちょうど額のところに大きな節が。その実体は枝でした。当初は取り除くなんて考えてもいなかったのですが、以前のブログにも書いたように、摘出手術に成功。でも額に大きな穴が残ったのでした。
その後の話です。小さな欠けの修復用に、木工用パテを購入しました。すっかり固まっても、彫刻刀で再加工できることがわかりました。
そこで、額の穴にこの木工用パテを充填してみました。この量だと、パテの収縮の影響が出てきますが、それでもまあ練習用としては許容範囲かと思います。
そうやって修復すると、いっそのこと彩色までトライしてみようかと思うようになりました。
能面教室では、初心者のうちは、難しい彩色の部分は先生が行ってくれるのです。つまり彩色は未経験の工程です。でも、ラッキーなことについ先日、第3作増女の先生による彩色をしっかり見ることができました。記憶が薄れないうちにということで、胡粉下塗り、上塗り、梨地、そして彩色と一気に進めてみました。
面相筆を使うのも初めての経験でした。上まぶたの部分、掘り上げた稜線の片側斜面だけに墨を乗せるところなどは、緊張して筆があらぬ方向に動いてしまったりで、散々な結果となりました。
そして極めつけの大失敗。筆を洗った後に再び作業に取り掛かったとき、右手小指に水が残っていたのに気づかず、面に触れてしまったのです。気づいたときはもう遅し!せっかくの乙女の肌が台無しになってしまいました。修復を試みるも、慌てて拭き取りに使ったタオルについていた墨が残っていて、さらに悲惨な状態に。結局水がついた部分よりかなり広い部分の彩色がすっかり剥げて胡粉の下地が出てしまいました。
もともとここまで進めるつもりもなかったのですが、なんとか最初から最後の行程まで、(誰の手も借りず)完全ソロで通すことができました。作品としては失敗作ですが、この面を見るたびに失敗も含め色んな経験を思い出すことができそうです。その意味でも(私にとっては)教育的な価値のある面になったと思います。
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