8月5日信濃国分寺に蓮を見にいきましたところ、近くに国宝の八角三重塔の「安楽寺」があるというので行きました。
安楽寺(あんらくじ)は長野県上田市別所温泉にある曹洞宗の寺院です。
本尊は釈迦如来。国宝の八角三重塔があること、また長野県で最古の禅寺であることで知られています。
伝承では天平年間(729 - 749年)、行基の建立とも言い、平安時代の天長年間(824 - 834年)の創立とも言いますが、鎌倉時代以前の歴史は判然としません。
安楽寺の存在は、鎌倉時代、実質的な開山である樵谷惟仙(しょうこくいせん)が住してからです。
樵谷惟仙は、信濃出身の臨済宗の僧で、13世紀半ばに宋に留学し、著名な禅僧の蘭渓道隆(らんけい どうりゅう・鎌倉建長寺開山)が来日するのと同じ船で寛元4年(1246年)、日本へ帰国しました。
2世住職の㑃牛恵仁(ようぎゅう・えにん)は宋の人で、やはり樵谷惟仙が日本へ帰国するのと同じ船で来日しました。
「八角三重塔」
境内奥の山腹に建っています。
昭和27年(1952年)3月29日に松本城とともに、長野県内の建造物として最初の国宝指定を受けています。
全高(頂上から礎石上端まで)18.75メートル。
構造形式は八角三重塔婆、初重裳階(はつじゅうもこし)付、こけら葺です。
(四重塔にも見えるが一番下の屋根はひさしに相当する裳階である。)
この塔は日本に現存する唯一の八角塔であるとともに、全体が禅宗様で造られた仏塔としても稀有の存在です。
組物など、細部に至るまで禅宗様で造られています。
内部の天井の形式や八角の仏壇も他に類を見ないものがあります。
内部には禅宗寺院には珍しく大日如来像が安置されています。
この塔の建立年代は、この三重塔の部材に正應2年(1289年)に伐採した木材が初重内部の蝦虹梁(えびこうりょう)に使われていることが判明しました。
このことから当塔は13世紀末(1290年代)に建築されたものと考えられ、日本最古の禅宗様建築である可能性が高くなりました。
※明日より、モネの色彩と「Rose Library」を再開しますので、ご訪問よろしくお願い致します。
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