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庭木師が剪定中に見たあれこれ。

ーいざ、富山footbath(足湯)県へー②かまぼこ店(その1)

2021-02-16 14:28:13 | グルメ

かまぼこについて

 富山の「食」の筆頭は恐らく、「ます寿司」ではないかと思います。このコーナーではます寿司についても触れますが、その前に、「かまぼこ」で行きたいと思います。かまぼこも富山を代表する「食」です。

 富山市への出張者・観光客が必ずといっていいほど訪れるのが、北陸新幹線富山駅の高架下にある「とやマルシェ」という富山の物産と食のコーナーです。ここに、かまぼこ専門店が3店出店しています。

 以下、富山で有名なかまぼこメーカーの商品を比較しながら、紹介していきたいと思います。

 

名門女傳と、小矢部市の鍋島蒲鉾(ヤマサ)>

 

 [女傳蒲鉾]同店は、創業が嘉永3(1850)年といいますから、黒船来航の3年前です。富山県で一番歴史があるかまぼこ店です。

 東京・有楽町にある富山県のアンテナショップでも同店のかまぼこは販売されています。女傳は、贈答品用に力を入れています。代表ブランドが「献上巻」(下の写真)で、かつて富山城主の前田利友公に献上したことからこの名前が付けられました。

 その歴史などからみて、他のかまぼこ店より“格上“という意識が感じられます。           


       女傳の献上巻

              (女傳を代表するかまぼこ「献上巻」)

 「献上巻」は確かに、味は上品、食感はソフトで、雑味はなく、すっと喉を通過していきます。触れてみると、むちっとした弾力性があります。「若い娘のおっぱいみたいにほどよい感触」とコメントする人もいて、うーむです。食品も五感に訴えることが大事なのですね。

                    ◇

 なお、富山県のかまぼこの定番品は、表面が赤い「赤巻き」と、昆布を巻いた「昆布巻き」の2種類で、どのメーカーもこの2種類は必ず作っています。その昆布巻きを最初に開発したのが女傳です。

 赤巻きの皮の色は、ややピンク系。表示を見ると着色料としてカロチノイドと、合成着色料の赤3を使っています。天然着色料よりはっきりした赤に思えます。

            

                 (切った昆布巻き)   

 昆布巻き(上の写真)も食べてみました。すり身の肌理が均一で、白さに漆喰のような落ち着いた輝きがあり上品です。また、昆布の堅さもほどほどで、やや厚め(1㎝程)に切ると、昆布が強く主張するかまぼこもある中、女傳のそれは奥ゆかしさがあります。昆布巻きは452円(税抜き)、赤巻きは425円(いずれも135㌘、税別)、と他メーカーの品より高いだけあり、ナルホドです。

                     ◆

 なお、女傳の赤巻きと昆布巻きには、献上巻の他に、一般家庭向きの「赤巻」「昆布」があります。下の写真がそれです。お値段はやや安めです。

           

               (女傳の一般家庭向けかまぼこ)

 「赤巻」は「献上巻」に比べやや柔らかめで、ぷりぷり感があまりありません。昆布巻きは、やや歯ごたえがあるというか、献上巻きに比べ昆布とすり身との調和に欠ける感じです。

 本店に行った際、売り場にいたおばさん店員に「どう違うの?」と聞いてみたら、「使っている魚の種類が違う」と。なるほど、簡潔で分かりやすい答えでした。

 「赤巻」は326円、「昆布」巻きは356円(いずれも税抜き、135g)でした。

 結論から言えば、女傳といえども、手土産にするなら「献上巻」がおすすめで、「赤巻」「昆布」は他メーカー品と比べ特に差別化できているとは言えないということです。

 なお、同社ホームページによると、味にまろやかさを出すため、塩は精製塩ではなく天塩(赤穂)とモンゴルの岩塩を使っているとのことです。

 

[女傳で修行した鍋島蒲鉾<ヤマサ>]

 小矢部市は、富山県の最西端の市です。石川県との県境にあり、国道8号線を西(石川県側)から走ってきた車が、富山県に入って最初に小休止する場所が道の駅「メルヘンおやべ」です。

 その売店で販売されているかまぼこを手に取ると、「ヤマサ」と書かれていました。

 レジで70代風の女性店員に、このかまぼこについて聞いたら、「ここ小矢部市の鍋島蒲鉾店の製品です。おいしいですよ。富山はかまぼこが有名で、ここ小矢部市には他にもいくつかのメーカーがあります」と、なめらかな口調で説明。

           

              (小矢部を代表する蒲鉾「ヤマサ」)

 鍋島蒲鉾店は、1955(昭和30)年に、小矢部市石動(いするぎ)にあった魚市場で蒲鉾店を始めました。ヤマサの商標で小矢部市のスーパーや、道の駅に出しています。先代が女傳で修行したとのことですので、女傳と比べることにしました。

 赤巻きも昆布巻き(上の写真)も、やや固めで歯ごたえがあります。ぎゅっと圧縮したコリコリ感といったらいいでしょうか。赤巻きは、ある魚(何かは不明)の味がしました。それがここの蒲鉾の個性なのでしょうか。(※包装紙には「袋のまま熱湯に浸せば蒸したようにおいしくいただける」とありましたが、そのまま包丁で切って食べてみました)

 鍋島蒲鉾店本店の商品ケースには、着色料について、赤い色は植物のパプリカ、黄色はクチナシから採っていると記してありました。パプリカはトウガラシ属のため、魚肉と混ぜるときトウガラシの匂いがするそうです。赤巻きは柿色に近い赤。クチナシは実から色素を採り、黄色は栗きんとんなどもよく使われているといいます。

 女傳の方が一回り大きく見えますが、同じ135㌘です。赤巻きは250円、昆布巻きは300円(いずれも135㌘、税抜き)と、比較的お手頃の値段です。

                                             以上

 

 

 



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