19歳までは渋谷と三軒茶屋の間に住んでいた。
それが当たり前だと、客観的な視点で持ってその状況を把握はできないし、特別な感情を抱く事もない。
逆に言えば、実家が田舎にあって、上京してきた人たちが羨ましかった。
方言があって、その土地の文化があって。
深くその土地に染みついた、ニオイというか空気感というか。
そんな場所に対する憧れ。
きっと本能的に帰属意識を刺激するのだろう。
都心には、長い年月をかけて熟成・醸成された空気感というものが田舎に比べてだいぶ薄いと思うのだ。
どんどん最先端の流行が街並みを変えていく。
それ自体がひとつのアイデンティティといえば、それはそうなのかも知れないが。。
何か田舎暮らしに比べて故郷に対する愛情・愛着というものを醸成しにくいとは思う。
そんな意識があって、実家を出てしばらくは東京にいたけど、千葉に行ったり埼玉に来たり、旅行で日本各地に行ってみたり。
こうして、他所に出る事でほんの少し客観的に都心を見ることができる様になったとは思っていて。
都心の良いところは、やはり感度が高い人やモノが自然と集まっているところだと思う。
人生の終わりは必ずあって。
今自分たちが生きているタイムスケールの中での最先端が都心にはあるわけで。
それはもう好奇心をガンガン刺激してくれるのだ。
生きているうちの最先端を知りたい。
まだ見ぬ刺激を欲する。
という部分が自分の中に大きな価値としてある。
例えば100年後の未来からしたら、今の文明なんてたかたが知れていると思う。
100年後・200年後の未来を見てみたいし、日本語すらそれなりに変わっていると思う。
都心と田舎。
「新しい事を知りたいという好奇心」
「変わらない事を望む」という人間の本能。
という対比構造。
「未来へと繋ごうとする希望」
「過去からの継承」
という対比構造。
ある種、パラドックスでもあり、それが人の中に共存しているのは面白いなぁ〜と思う。