「アイヌと神々の物語〜炉端で聞いたウウェペケレ〜」というこの本。時間のある時に夢中になって読み進めています。
2か月ほど前、ゴールデンカムイの23巻を購入した時に、亭主ドノが「この本も好きなんちゃう?」と私に薦めてきて。
うーん、漫画じゃないのか。単行本やと眠たくなりそうやけどー。と、私は気が進まなかったけど、亭主ドノがポチっと購入。
ゴールデンカムイ23巻よりも先にこちらの本が届いていたのですが、あまり興味を持たず、しばらく放置していました(^^;)
たまにパラパラっと開いて見てはいたけど、活字ばかりの紙面をどうも読む気になれず。いつまでも放置の日々。
が。先日、亭主ドノが所用で3日ほど家を空けていた時に、あまりにも時間を持て余していたので、意を決して読んでみると。
お、面白い。「面白い」という表現は正しくないかな。なんか説法を受けている気分になるというか。
おとぎ話っぽい内容もあるけど、「カムイへの感謝」「コタンの人々との関係を大切に」とかを表現してる話が多いかな。
とにかく、この本を読み進めていると自分の心が浄化されるというか、背筋が伸びる気分になるというか(笑)
話の中でよく使われている表現に「精神のいい人」という言葉があって。ただのいい人じゃなく「精神の」ってのが好き。
大抵「精神のいい人」は神々に守られて生涯を幸せに暮らすけど、「精神の悪い人」はそれはもうひどい目に遭うのよな。
とある話に出てくる「精神の悪い娘」は、悪行がばれた途端に兄弟と両親にボッコボコに殴られ蹴られ殺されるという…。
この本を読んでいると「精神の悪い人」になるのが怖くて。自然に「精神のいい人」になる心構えが身につくと思う(^^;)
んでやっぱり、アイヌの考え方って「神々との共存」なのよな。樹木や河川、クマやキツネやスズメも「神」として出てきて。
夢に何らかの「神」が現れて何かお告げやお願い事をして、起きてからそのとおりにすると「神」に感謝されて生涯守られるという。
こういう話を読むと、たとえばその辺の道を車で走る時に今までは「シカとかキツネとか飛び出すなよ〜!」と思ってたけど。
最近は「お腹も空いてません。毛皮もいりません。だからどうか獣たちを私の車の前に捧げないでください。」って思っちゃう(^^;)
我ながら影響されやすくて単純だと思うけど、自分が生きてるのは色々な神に生かされてるから、って思うのよな。
そしてそれを当たり前と思わずに感謝を捧げる事で、神々がお礼に守ってくれるという。なんてウィンウィンな関係(´ー`)
って、私のこんな拙い感想をいつまでも述べていると、正しい内容が伝わらないと思うのでこの辺で留めておく(^^;)
とにかく面白いです。久しぶりに活字だらけの単行本を真面目に読んでいる自分に感動するほど(笑)
アイヌの人たちは、こういう話を文字を使わずに語りだけで伝えてきたのよな。それもすごい事だけど。
フチたちから聞いた語りを文字に起こした萱野茂さんは本当にすごい人だと思うよ。もっと早く知りたかったな。