2011年7月2日(土)。
G1の障害レース「中山グランドジャンプ」を見るべく、中山競馬場へ行ってました。
競馬全般に好きなのですが、特に障害レースは、「見る」レースとしては大好きです。
今までの成績が良いとか、予想家の印が集中してるとか、そんな馬だから必ず勝つというわけではなく、
人気のある馬でも飛越を失敗して競走を中止したりするので。普通の予想で馬券を買うのは相当リスキー。
逆に言えば、全然人気のない馬が勝ったりして、一攫千金の可能性も高い、なんとも難解なレースです。
そんな障害レースの中でも、年に2度しか行われないG1が、春の「中山グランドジャンプ」と、年末の「中山大障害」。
障害レースはあちこちの競馬場で重賞を見る事ができるけど、G1は中山競馬場でしか行われないので、
「東京におる間に、どっちでもいいから見に行っときたいよぉ~!!」と、ずっと懇願?してきたのですが。
震災の影響で行われない夏の福島開催に代わって、春に開催されなかった中山での競馬が行われる事となり、
中山グランドジャンプも、この時期に無事に開催される事が決まったので、意気揚々と初観戦に行ったのでした。
普段の障害レースでは使われない「置障害(可動式障害)」が最後の直線にあるのも、重賞ならではです。
拡大して見ると、ちゃんと「置障害」の文字が!!
ゴールからは300mほど離れてるけど、ここでの飛越シーンを撮りたいがために、この場所を陣取っていました。
1周目を無事に駆け抜けて行く馬たち。
レースが始まり、馬が竹柵や水壕の飛越を無事に終えるたびに、場内から大きな温かい拍手が沸き起こる事。
通常の平地のレースではまずありえない、この温かい拍手をナマで聞いてジ~ンとしていました。
6号障害の大竹柵を順々に飛越する各馬。ジャンプの瞬間を撮るのは難しい…。
「あぁ。ホンッマに今日は見にきてよかったな~!」と、心の底から思いながらレースを見ていたのですが。
あろうことか、目の前にある最後の置障害で。順調に先頭を走っていた馬が飛越を失敗、頭から一回転、落馬。
落馬自体はよくある事、よく目にする事ですが、倒れたまま全く動かない馬を見る事は初めてでした。
レースの行方よりも、馬と騎手が無事であるかどうかが気がかりで。ましてや撮影どころじゃない。
騎手はなんとか自力で動き出したものの、馬はほんの一瞬だけピクッと動いたきり、倒れたまま。
結局、馬はその後も動く事なく、観客に見えないようについ立てをされた向こうで、馬運車に運び入れられました。
家に帰ってからJRAのサイトを見て、その馬(1番・メジロラフィキ)は首の骨を折って死亡していた事がわかりました。
勝利が目前まで迫っていた瞬間に起きた、悪夢のような出来事。
動かない馬のもとに駆けつけた厩務員さんの、悲しそうな姿が忘れられません。
また、その直前にも別の馬(5番・スズカスペンサー)が、競走を中止していて。
脱臼のために予後不良となっていました。
こんな時に限って予想は的中し、そこそこの収入を得たのですが。今でもなかなか気分が晴れません。
勝ったのは、8番・マイネルネオス。柴田大知騎手の涙のインタビューが印象的でした。
2着に入った12番・メルシーエイタイム。9歳と高齢ながら、G1での安定感は相変わらずでした。
初めて見た障害G1は楽しかったけど、最後の最後に残酷な面を見せつけられました。
2頭の馬が天国でも元気に走っていられるように、冥福を祈って。
メジロラフィキ。きれいに三つ編みを施されたタテガミがとてもかわいい馬でした。
スズカスペンサー。シュッと通った顔の流星と栗毛が魅力的な馬でした。
競走馬の世界はやっぱり、華やかでもあり過酷でもある事を思い知らされた1日でした。