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吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編第八話~その8
〈譲二〉
理人「ほんとのことを言えば、絶対に嫌だけど…」
肩をすくめて、りっちゃんが言った。
理人「でも、そんなこと言ってても仕方ないしね」
一護「それに…もう、2人で話したんだろ?」
百花「え?」
春樹「佐々木、目が腫れてる」
百花「あ…」
理人「百花ちゃんが納得したなら、僕たちがいうことじゃないよ」
俺はみんなにお礼を言った。
俺が今まで楽しくクロフネをやって来れたのは、みんなが毎日遊びに来てくれて、何かある度には手伝って、盛り上げてくれたからだと。
リュウが明るく言う。
竜蔵「俺らだって、クロフネがなかったらグレてたかもな!」
剛史「リュウ兄が?」
理人「リュウ兄は何があってもまっすぐに育ちそう…」
一護「…けど、色々話も聞いてもらった」
春樹「ジョージさん、一緒に悩んでくれたしね」
剛史「俺らだって、クロフネがあってよかった」
譲二「みんな…」
百花ちゃんがしみじみと言う。
百花「マスターも、昔のここのマスターみたいに、みんなの力になってくれてたんですね」
譲二「はは、これで少しは恩を返せたかな」
ありがとう、百花ちゃん。
俺、先代のマスターにあこがれて、ずっとあんな人になりたいって思っていたから。
少しでも近づけていたなら、嬉しい。
春樹「なんの話?」
譲二「内緒」
そう言って、百花ちゃんに目配せした。
先代マスターのことは、なぜクロフネのマスターになったかを百花ちゃんに打ち明けた時に話したっけ。
あの時ぽろっと口にした『黒船』時代のマスターのことを、百花ちゃんがちゃんと覚えていてくれたのは嬉しい。
譲二「みんな…俺がいない間、百花ちゃんのことよろしくね」
俺の言葉にリュウは「びしびし鍛えてやるから任せろ!」って言うし、みんな口々に自分の店の手伝いにおいでよって、百花ちゃんを誘っている。
なんだか、百花ちゃんがクロフネに来た時みたいだ。
あの時もみんな自分ちを手伝えって言ってたっけ。
百花ちゃんは結局、「クロフネに世話になるのだから」と言って、俺を手伝ってくれるようになったけど…。
あの時、もし他の誰かの店に手伝いに行っていたら、こんな風に百花ちゃんと恋人になることも無かったのかもしれない。
そう思うと背中に軽く冷や汗が流れた。
まだ、誰が百花ちゃんの面倒をみるかという話が続いている。
理人「じゃあ僕の家で…」
俺はすかさず答えた。
譲二「りっちゃんはダメ」
理人「ええ? なんで僕だけ?」
譲二「ダメなものはダメです」
理人「もしかして昨日のメールのこと根に持ってて…」
りっちゃん、ごめん。
俺、百花ちゃんのことに関しては、やっぱり大人の対応は出来ないよ。
みんな大切な仲間ではあるけど、百花ちゃんだけは譲れない。
茶倉譲二 続編第八話 おわり