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譲二さんが実家に帰っていた頃のお話。
。∠(*゜∇゜*)☆Merry X'mas☆┗*・ェ・*┛
26日のサンタクロース~その2
〈譲二〉
クリスマスの翌日。
朝食の席で兄貴に聞かれた。
紅一「最近、佐々木さんとは会っているのか?」
俺はなるべく軽い調子で答えた。
譲二「ん~。3週間くらい会えてないかな…?」
紅一「そうか…」
兄貴はちょっと黙り込む。
譲二「メールや電話でいつも話してるからね」
百花ちゃんをクロフネに1人ぼっちにしてることを、兄貴は結構気にしているらしい。
『無理せず休みも取れよ』と常々言ってくれている。
だけど、それに甘えていては、百花ちゃんのところへ戻る日が遠のいてしまう。
実際、百花ちゃんには『2年でカタをつけて戻ってくる』と約束したけど、仕事を始めてみればそんな甘いもんじゃないと思い知らされる毎日だ。
紅一「女性にとっては、クリスマスは恋人と過ごしたい大切な日だったんじゃないのか?」
譲二「百花ちゃんにはすまなかったな、って思ってるよ。だけど、どうしても調整できなかったんだ」
兄貴は真面目な顔でこう言い出した。
紅一「今日の打ち合わせなんだが、相手先から日をずらして欲しいと連絡があった。急だが、お前、休みを取ったらどうだ?」
譲二「え?でも、溜まっている仕事もあるし…」
紅一「それは少々後にしても大丈夫だろう。まあ、休みと言っても夜には帰って来てもらわなければならないが」
譲二「兄貴…」
俺は兄貴の言葉に甘えて、急遽休みを取ることにした。
すぐに百花ちゃんにメールを打とうとしたものの、それよりも彼女の驚いた顔を直接見たくなった。
急いで準備して車のキーを持つと、食後のコーヒーを飲んでいる兄貴に声をかけた。
譲二「出かけてくるよ…兄貴、ありがとう」
紅一「ああ、佐々木さんによろしくな」
はやる気持ちを抑え、エンジンをかける。
シャッターが開くのを待つ間ももどかしく、車を発進させた。
その3へつづく