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クリスマスの魔法~その6
〈百花〉
みんなが帰った後、洗った食器を片付けながらマスターが言った。
譲二「百花ちゃん。片付けはこれぐらいにしてちょっと出かけない?」
百花「出かける?」
譲二「うん。クリスマスのお祝いをしようと言ってたのに、昨日何も出来なかったから」
譲二「駅前のイルミネーションを見にいかない? 」
百花「はい!」
譲二「じゃあ、着替えておいで、あったかくしてね」
急いで部屋に戻るとコートを着て、マスターへのプレゼントを持った。
出かける前に渡してしまおう。
☆彡*<(* ̄▽)/▽▼▽†Merry X’mas†▽▼▽\(▽ ̄*)>*☆彡
譲二「あ、百花ちゃん早かったね」
厨房の電気を消しながらマスターが言った。
マスターも既にコートを着ている。
譲二「じゃあ、行こうか」
百花「あの…マスター」
譲二「何?」
私は後ろに隠していたプレゼントを両手で差し出した。
百花「あの…これ…よかったら…クリスマスのプレゼントです」
マスターはちょっと驚いたように笑顔を見せた。
譲二「え? ほんとにもらってもいいの?」
百花「はい…。それでよかったら、今開けて下さい」
マスターは「それじゃ、遠慮無く」と言って、プレゼントの包を開けた。
譲二「あ! これ…暖かそうだね」
私が用意したのはマフラーだった。
百花「もし良かったら…外は寒いので…」
譲二「うん。さっそく巻かせてもらうよ」
マスターはマフラーをふわりと巻いた。
譲二「うん。とってもあったかいよ。ありがとう」
そう言いながらマスターはコートのポケットから小さな包を取り出した。
百花「それは…?」
譲二「イルミネーションを見ながら渡そうかなって思ってたんだけど…」
百花「私に?」
譲二「うん。気に入ってくれるといいんだけど…」
包装紙から出てきたのは…。
百花「バレッタ…。可愛い…」
天然石がお花のように縁取っている。
百花「ありがとうございます」
譲二「良かったら、百花ちゃんも付けてみて?」
鏡で見ながら、髪をひねって付けてみる。
百花「変じゃないですか?」
譲二「……。いや…。とっても似合ってるよ」
その7へつづく