特別捜査密着24時の『妄想飛行~冗談は脳内だけにしろ~』で野村さんが言っていたこと
>>「9つも歳が違うと同じ学校に通うなんてことないしさ、妄想が膨らむよね」
>>「もう少し年齢が近かったら、こんなこともあったかな~っていう俺のロマンじゃーん」
みたいに譲二さんも妄想してたかな…と思ったらこんなお話が浮かびました。
なお、妄想の中の『マスター』は先代マスターです。
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妄想飛行~譲二の場合 その9
【☆妄想中☆】
みんなにはその後も色々からかわれたけど…、なんとか誤解は解けたみたいだ。
しかし…。
百花「ただいま…」
マスター「百花ちゃんおかえり」
譲二「百花ちゃん、今日は遅かったね…」
百花「マスター、今日は宿題がたくさんあるのでお店の手伝い休んでもいいですか?」
マスター「いいよ。今日はあんまりお客さんもいないし、譲二くんが手伝ってくれてるしね」
百花「すみません。夕食の時間には降りてきますから」
百花ちゃんはマスターに笑顔をみせると、俺には一瞥もくれずに二階へあがった。
マスター「百花ちゃんはこの頃譲二くんにそっけないね」
譲二「はい…」
マスター「まあ、そのうちに仲直りできるよ…。あせらないようにね」
マスターはメガネの奥で優しい目をして微笑んだ。
譲二「はい、すみません、ご心配かけて…」
俺はがっくり肩を落とし、食器洗いの仕事に入った。
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このところ、妄想の中まであまり上手くいってない…。
ため息をつきながらお皿を拭いていると、百花ちゃんが帰ってきた。
百花「…ただいま…」
心なしか元気が無い…。
何かあったのかな?
片付けが一段落ついたので、ラム酒入りのココアを作って百花ちゃんの部屋のドアをノックする。
百花「はい?」
譲二「百花ちゃん、ココアを作って来たんだけど…、よかったら飲む?」
百花「あ、ありがとうございます…。でも、ここじゃなくてお店で飲みます…。
先に降りておいてください。直ぐ降りますから…」
俺が店に降りて待っていると…しばらくして百花ちゃんが現れた。
少し目が赤い…。もしかして、泣いていたのかな?
俺もラム入りのココアを淹れて二人で向かい合わせに座った。
妄想飛行~譲二の場合 その10へつづく