『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。
この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。
☆☆☆☆☆
譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。
☆☆☆☆☆
マスターが好き~その4
〈譲二〉
譲二「ねえ、汐里ちゃん」
2人で七夕飾りを作りながら話しかける。
汐里「なんですか? マスター」
一生懸命、三角を貼り付けていた汐里ちゃんが見上げた。
さっき、前髪を掻きあげた時に付いたのだろう、ノリで髪の毛の先がくっついている。
俺は思わず微笑をこぼした。
譲二「夏祭りが終わったら、2人でデートしようか?」
汐里「え? 本当に? 」
譲二「うん、今回、汐里ちゃんにはいっぱい手伝ってもらったし、そのご褒美ってことで」
汐里「いよいよ私たちも恋人らしいことができるんだ」
譲二「いや…、まだ恋人というわけでは…」
慌てる俺にきょとんとした顔で汐里ちゃんが言う。
汐里「だって、りっちゃんだって私たちのこと恋人に見えるって言ってたよ」
俺は単に往生際が悪いだけなんだろうか?
汐里ちゃんは喜々として七夕飾りを作っている。
譲二「デートはどこに行きたい?」
汐里「水族館!」
譲二「即答だね」
汐里「お魚とか水の中の生き物を見るのが好きなの。でも、水族館は遠足とかでしか行ったことが無いんだよね」
譲二「そっかぁ」
汐里「ほら、アシカショーとかイルカショーとかあるでしょ? あれも集団行動だから時間がなくて見たこと無いんだよね」
譲二「それじゃあ、そういうショーがある水族館に行く?」
汐里「あ、でも、せっかくマスターとデートするんだから遊園地でいろんなアトラクションにも乗りたいかも…」
俺とのデートを楽しみにして、行き先を真剣に悩んでいる汐里ちゃん。
なんて可愛いんだろう。
彼女への愛しい気持ちが込み上げて来る。
譲二「それじゃ、また色々と候補を調べとくよ」
汐里「嬉しい! 夏祭りまで頑張ろう」
その5へつづく