『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。
この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。
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譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。
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マスターが好き~その3
〈譲二〉
厨房で一人、片付けをしている。
汐里ちゃんには、「もうお風呂に入るといいよ」と言って仕事は上がってもらった。
今は自分の部屋にいるはずだ。
この頃は以前のように駄々をこねることはなく、素直に俺の言葉に従うようになってきた。
ホッとする反面、ちょっと物足りなく思ってる自分の気持ちに戸惑った。
それに…。
りっちゃんに言われたことを考えてみた。
理人『マスターはどう思ってるのか知らないけど…、このままじゃ汐里ちゃんがかわいそうだよ』
俺は単に自分の気持ちから逃げているだけなんだろうか?
もし、りっちゃんが言ったように、りっちゃんが汐里ちゃんを恋人にしたとしたら…。
昼間の……汐里ちゃんの肩を抱いたりっちゃんの姿を思い浮かべた。
考えてみたら、りっちゃんと汐里ちゃんは2つ違いで…、年齢的にはお似合いなんだよな…。
俺とは違って…。
…………。
もし、そうなったら俺は2人を祝福できるだろうか?
百花ちゃんたちを応援したように2人のことを見守れるだろうか?
心に一点の曇りもなく………。
いや、そうなったとしたら、やっぱり落ち込むだろうな…。
まいったなぁ~。
それなら、いっそのこと汐里ちゃんに告白して俺の恋人にしてしまう?
きっと、汐里ちゃんはそれを待っている…。
だけど、本当にそれでいいんだろうか?
この俺で?
その4へつづく