恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

マスターが好き~その2

2015-09-07 08:14:04 | かなり年下の彼女

『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。

この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。


☆☆☆☆☆

 譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
 本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。

☆☆☆☆☆
マスターが好き~その2

〈汐里〉
 厨房からマスターがお盆を持って出て来た。


譲二「りっちゃん、お待たせ。サンドイッチとアイスカフェオレできたよ」

理人「あ、ありがとう」

譲二「2人で何話してたの?」


 りっちゃんが私の肩に手を回した。


理人「僕たち愛について語り合ってたんだよねー、汐里ちゃん」

譲二「え? どういうこと?」


 一瞬マスターの顔が強張ったような気がした。

 ちょっと焦ったようなマスターの反応が面白くて、私もりっちゃんにもたれかかる。


汐里「ふふっ、内緒。気になる?」


(マスター、ヤキモチを妬いてくれないかな…?)

マスターはそんな私の気持ちを見透かしたように微笑んだ。


譲二「またまた、2人で担いで…」

理人「マスター、そろそろ汐里ちゃんをちゃんと捕まえとかないと僕がもらっちゃうよ」

譲二「りっちゃん、俺たちはそんなんじゃないから…」

理人「マスターはどう思ってるのか知らないけど…、このままじゃ汐里ちゃんがかわいそうだよ」


 りっちゃんの言葉にマスターは曖昧に笑って、話題を変えた。

 今のやりとり、すべてをジョークで済ませようとしているみたいに。


☆☆☆☆☆


 りっちゃんが帰った後は、珍しくお客さんが立て込んで、マスターも私も一生懸命働いた。

 オーダーのやり取りではあ・うんの呼吸で分かってもらえるし、マスターが調理しやすいような下準備など、ちょっとしたことをして置くと、「ありがとう、汐里ちゃん」と、必ずひと声かけてくれる。

 忙しいけど、とても楽しい。

 マスターに好きになってもらいたいなんて高望みはせずに、ずっとこのまま一緒に働けるだけでもいいのかもしれない。


 細かい汗を浮かべて料理を作っている、マスターの横顔をそっと眺め、私はため息をついた。

 

その3へつづく



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