以前書き込んだこともある譲二さんのお話ですが、結末は完成してないものの少しづつupしていこうと思います。
お酒を飲んだ勢いで、譲二さんと一夜をともにしちゃった女の子の話です。
時期としては、本家吉恋のヒロインがクロフネに住み込む少し前の頃を想定してます。
川原柚葉…大学卒業して一年のOL、歴史オタク
茶倉譲二…喫茶クロフネのマスター、やっぱり歴史オタク
☆☆☆☆☆
なんでこうなった?~その11
〈柚葉〉
ため息と同時に着信音がして、ちょっと飛び上がった。
美香からの電話だ。
柚葉「もしもし…」
美香「柚葉、大丈夫だった? 家に帰り着いてる?」
柚葉「うん、さっき帰って来た」
美香「さっきって…。どこかお泊りしたの?」
しまった!
柚葉「うん…。昨日の…茶倉さんちに泊めてもらった」
美香「何してんのよ…。で、どうだった?」
柚葉「え? どうだったって?」
美香「あんなに意気投合した男女が同じ部屋に泊まって、何もなかったわけ無いでしょ?」
はい…。
その通りです…。
柚葉「うん…。その…何かはあったらしいんだけどね…」
美香「らしいって何よ。どういうこと?」
私の話を聞いた美香は大きなため息をついた。
美香「信じられない…。で、どうするのよこれから?」
柚葉「どうするって?」
美香「だ~か~ら~。一夜だけのアバンチュールで終わらせるわけ?」
柚葉「まだ、考えてない…。一応茶倉さんからメールは来たけど」
美香「メール来たの? 良かったじゃない。きぬぎぬの歌ってわけね」
柚葉「きぬぎぬ? そんなのじゃないよ。単にまたコーヒー飲みにおいでねって書いてただけだよ」
美香「それって『また柚葉に逢いたい』ってことじゃない」
散々私をからかって美香は電話を切った。
そうだよね…。
また会えば何か進展もあるかもね…。
とは言え…。
『昨夜のことは無かったことにしよう。』
というのが気になる。
覚えてないからといって、無かったことにされるのはもやもやする。
かと言って、当たり前のように迫られたら…それはそれでちょっと困るかも…。
あれこれ悩んだ挙句、返信のメールはそっけないものになってしまった。
その12へつづく