わしが行きよった保育園には、でっかいやまももの木があった。枝ぶりが良くて、木登りをするにちょうど良かった。小ぶりながらも美味しい実がなる木やって、わしは登っちゃあ食いよった。なぜかこの木には他の園児は登らず、実を食うのもわしだけやった気がする。小学校に上がってからも、早朝に実を採りに行ったもんや。わしはこの木が大好きやった。
小学校4年の時、親が家を建てた。敷地が200坪もあって、ほんとに広いと思うた。で、わしの希望でやまももの木を植えた。しばらくは実がつかんかったけど、どんどん大きゅうなった木は、わしの子どもが木登りをして遊ぶばあになった。で、何年か前から実をつけだいたけど、これが大ぶりで甘い。大人になってからはそんなに食べんなったけど、子どもの時から思い入れのあるやまももの実を食べると、なんともしみじみ優しい気持ちになる。
今年は出来が良く、大きい綺麗な実が
いっぱい採れた。お母にやまもも酒を仕込んでもろうたき、その出来具合も楽しみや。
えいろう、飲みにきいや~