どうも、こんにちは。
シリーズ前回の続きで、“生の六道”嵯峨・薬師寺の地蔵盆を何年かぶりに訪れた時の記事です。
仏像を見た後は、地蔵盆が始まります。
生六道地蔵菩薩像の前での読経、法要です。
法要の後は、外に出て「送り火」を行います。
参加者は皆、お寺に奉納されていた水塔婆(みずとば)を持ち寄って、火の中に入れていきます。
ここで、水塔婆とは何かを説明しましょう。
卒塔婆(そとば)あるいは、塔婆(とうば)というのは、上部を塔の形に刻んだ細長い板で、経文や戒名、施主の名を書くものです。塔婆を立てるということは、お骨をおさめている所、「霊域」であることを表しているわけです。
水塔婆といわれているのは、普通、経木(きょうぎ)とも呼ばれる最も簡略な板の塔婆に、お経の一節や死者の戒名や俗名などを書いて川に流したりして、水死者や魚の霊をとむらうものです。
なお、宗派によっては卒塔婆を用いません。
毎年8月に行われる「六道まいり」の水回向(みずえこう)という行事等でも使われます(その詳細はシリーズ第52回等を参照)。
話を戻します。
精霊(しょうろう)、つまり死者の魂を送る「送り火」が燃え盛ります。
こうして、お盆に迎えた死者の魂を元の世界へと送り返します。
送り火の後皆で、「日月門」と呼ばれる薬師寺の山門より中に入ります。
山門の中には庭があり、そこには「三地蔵尊」と呼ばれる3体の石仏が立っています。
「夕霧地蔵」。
この清涼寺境内の墓に葬られているという夕霧太夫という女性にちなんだお地蔵さんでしょうか。
ちなみに夕霧太夫とは、美貌とあらゆる芸に秀でたという伝説的な太夫だそうです。
「生六道地蔵」。
このお地蔵さんは、本堂で祀られている「生六道地蔵」の分身だそうです。
「瑠璃光地蔵」。
この三地蔵の前で法要。
こうして、嵯峨・薬師寺の地蔵盆は終わります。
それはまた、京都の夏の終わり迎える行事のひとつでもあります。
実を申しますと。
弊ブログや本シリーズを古くから読んでくださっている方はおわかりかもしれませんが。
数年前、本シリーズでも、嵯峨・薬師寺の地蔵盆をとりあげていました。
・第67回:“生の六道”嵯峨・薬師寺(その1)
http://moon.ap.teacup.com/komichi/211.html
・第68回:“生の六道”嵯峨・薬師寺(その2)
http://moon.ap.teacup.com/komichi/212.html
・第69回:“生の六道”嵯峨・薬師寺(その3)
http://moon.ap.teacup.com/komichi/213.html
数年ぶりに再訪する機会を得まして、こうして記事にしてみました。
そしてまた写真を撮ったりする機会もありまして、以前よりは少しはいいというかマシな写真が撮れるかな、とか思ったのですが。
こうして見ると、まだまだという感じがしますが(苦笑)。
しかし、この薬師寺の昔ながらの素朴さというか、人々の善良さは、数年前と全く変わっていませんでした。
様々な面で変化の激しい現在、いろんなものが変わっていくようですが、こういういつまでも変わらないものもあってほしいものです。
それでは、今回はここまで。
また次回。
*嵯峨・薬師寺(清涼寺)へのアクセスについてはこちらを参照。
*嵯峨・薬師寺のHP
http://yotsuba.saiin.net/~saga/yakusiji/index.html
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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