到着してそこで、まず初めに注意されたことのひとつが「人を見たら泥棒と思え」ということです。
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上の写真は、イラン大使館とその周辺を警備する公安の皆さんです。
到着してまず、「他人を見たら泥棒と思え」「絶対に日本と同じ感覚で行動するな」と、教えられました。
上海……というより最近の中国では、「泥棒がいない」とまで数十年前とは違って、治安も悪化の一途をたどっている。外国人観光客、特に日本人は未だに「お金持ち」というイメージがあるので、詐欺や窃盗・強盗など犯罪の標的にされやすい。
私もそれくらいのことは、頭ではわかっています。……いや、わかっているつもりでした。
しかし到着して早々、私は自分の甘さというか、安全管理意識の薄さを認識させられることになりました。
まず、親戚から所持品チェックをされました。
「持ち物や金品は、必ず一箇所にまとめず、幾つかに分散して持つこと」
「外出時はなるべく身軽な装備で」
これらは基本です。
次に、「普段外出する時は、どんな服装・装備にするか?」という問題があります。
そこで私は、普段外出時に愛用していたショルダー・バッグを取り出したのですが、そこでいきなり「そんなものでは駄目だ」と注意されました。
何故なら、そのショルダー・バッグは、取り出し口がチャックで塞がれているというタイプのものだったからです。逆に言えば、中身を守るものはチャックしかないということなのです。親戚氏に言わせれば、そんなものでは簡単に中を開けられてしまうだろう、との話でした。
最低限、チャックの他にももうひとつカバーが付いているものでなければ駄目だ、ということです。仕方が無いので以後は、親戚が用意したショルダー・バッグを使うことになりました。
なお、中国のスリや窃盗犯は、ナイフでカバンを切り裂いて中身を盗むことがあるそうです。堅い皮製のカバンなどでは、そういった場合では簡単に切られてしまうため、かえって駄目だそうです。むしろ丈夫で柔軟性のある布製のカバン・バッグなどの方がいいそうです。その方がかえって切られにくいそうですから。
かくいう親戚氏も一度、窃盗の被害に遭ったそうです。
盗られたのがその時の所持金だけだったのが、不幸中の幸いでした。もし盗られたのがパスポートなどだったら、本当にえらいことになっていたでしょう……。
それ以来彼は、日常の安全管理等にもより気を遣うようになったそうです。
普段の人間関係と下宿の戸締りにも、十分に注意しているそうです。
彼の下宿のドアは、厳重な2重鍵によってロックされていました。
ドアの開閉時には少し面倒ですが、これも仕方の無いことなのでしょう。
それと、「他人をあまり信用するな。話しかけられても安易に応えるな。信用できる相手でない限り」とも言われました。
親戚氏は現在、上海市内のマンションに下宿しています。もう半年近くもそこにいるにも関わらず、隣人や同じマンションの住人さんたちとさえ、彼は言葉を交わそうとしません。「なんとも世知辛い話だなあ」と、正直私などは思ったのですが、そこまで用心しなければ、右も左もわからない異郷の地で安全は保障できないということなのでしょう。
そうそう。
私がここに来て間もない頃、こんなことがありました。
いきなり下宿のドアをノックする音がしたのです。
私が「誰だろうか?」と思って、ドアの方へ行こうとすると、すかさず親戚氏が
「絶対に出るな! 返事もするな! 無視しろ!」
などと険しい顔をして言いました。
彼の言いつけどおり、しばらく黙って無視していると、ノックの音はやみ、ノックをしていた人物は去っていったようです。
「もしかして、さっきの人は部屋を間違えたのだろうか?」
私がそう言うと彼は、
「部屋を間違えただけだったら、いいのだけどな……」
と、ぼそりとつぶやきました。
彼によれば、ああやって無用心な住人がドアを開いたところに押し入るという強盗の手口もあるそうです。
いや、それくらいのことなら私も警戒していました。
「とりあえず、ドア口まで反応を確かめようと思ったのだ」
そう私が説明すると彼は、次のように答えました。
「いや、それも駄目だ。黙って無視し続けた方がいい。もし下手に反応して、言葉や話し方などから、こちらが日本人だということが相手にわかったら、目をつけられ、また狙われるかもしれない……」
街中で歩いている時、見知らぬ人に話しかけられても無視するのも基本。
日本語で親しげに話しかけられても無視。というより、そのような場合はかえって警戒するべきでしょうね。日本人を狙った犯罪者である可能性もありますから。
我々も、街中を歩いていて、見知らぬ人に話しかけられたことが、何回かありました。その時は、まったく気づかない、言葉もわからないというフリをして、無視し続けました。
見知らぬ女性から
「お兄さん、男だけで寂しいね。女、好き? マッサージのサービスするよ」
などと話しかけられたことも2回ありました(苦笑)。もちろん、それもスルー。あとで厄介事に巻き込まれたらいやなので。
さて、長々と話してきましたが。
要するに異郷の地では
「他人を簡単に信用してはいけない」
ということですね。
現地の事情に詳しく、なおかつ信用できる知人・友人と一緒にいるのが一番いいのです。
ただ残念ながら今回、そういう人たちとは都合が合わなかったので、自分たちだけで注意・警戒して身を守るしかないのです。
最後に、おまけの写真。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/c7/f0fdf3efdf19b6f0bd6d04680ae88b4e.jpg)
この写真は、外灘から上海最大の繁華街・南京東路に入ったあたりです。
夜遅くも賑わっています。
あまりよく映っておらずわかりにくいかもしれませんが、写真の左端の方(「中信銀行」の看板のあたり)に「ADULT SHOP」と書かれたネオンサインがあります。その下に「成人用品」の看板があります(「品」の部分だけ、人影で見えませんが)。
これがどんな店なのか……説明するまでもないでしょう。
しかし、社会主義を掲げる国の街中で、表通りにもこういう店が出るようになるとは……。
中国も変わったものですね。
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