京都の闇に魅せられて(新館)

水渡神社とヨジババ伝説の絵馬 @ 京都妖怪探訪(799)

 

 

(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)

 

 

 どうも、こんにちは。

 今回は、「学校の怪談」で語られている現代の妖怪伝説の発祥地と言われている場所を訪れてきました。

 妖怪ヨジババ(4時ババ)。

 その名の通り、老婆の姿をしているらしい妖怪で、午後4時頃に学校内の特定の場所に居ると、襲ってくるという。この妖怪に捕まったら、殺される、さらわれる、異次元の世界へと連れていかれる、などと噂されている恐ろしい存在でもあります。

 またヨジババには、トイレで「赤、青、黄色、どれがいる?」と問いかけて、「赤」と答えると、赤いマフラーで絞め殺し(或いは全身血まみれにして殺し)、「青」と答えると、血を抜かれて真っ青な死体にして殺し、「黄」もしくは「四時ババ色と肌色」と答えたら命を助ける、などという話も伝えられているようですが。これは、同じく「学校の怪談」のひとつである「赤巻紙、青巻紙、黄巻紙」の話と融合したものだと思われます。

 私もだいぶ昔、まだ子供だった頃にいとこから、「ヨジババの弱点は、人間の食べ物が苦手なこと」という話を聞いたこともあります。

 ヨジババの話は、1990年代には全国的に広まっていましたが、東京都、大阪府、愛知県、滋賀県などで一部の地域で1970年代前半頃には、すでに語られていたとも言われています。

 さらに京都府城陽市には、子供たちの間で古くからヨジババの噂が語り継がれてきた、その発祥ともなった絵馬が城陽市内の水渡神社(みとじんじゃ)に今も遺されているという話を知りました。

 その水渡神社には、心霊スポットとしての噂まであるというのですから、『京都妖怪探訪』シリーズとしては、是非とも訪れ、記事にしなければ、と思い立ちました。

 

 

 

 最寄りの交通機関である、京都京阪バス、城陽さんさんバスの「城陽高校」停留所

 

 

 

 

 JR奈良線「城陽」駅か、近鉄奈良線「寺田」駅からのバスで行けますが、一日の便数が少ないので、少し注意が必要です。

 

 

 

 その停留所名の通り、近くに学校があります。
 この周辺は、ごく普通の閑静な住宅街ですが、その中に、バス停のすぐ近くに、深そうな森林で囲まれ、少し異質な感じのする場所がありました。
 そこが水渡神社の敷地であり、入り口である赤い橋(のようなもの)が横たわり、鳥居が立っています。

 

 

 

 

 


 入り口には、この神社の由緒や歴史、重要文化財などについての解説看板が立っています。

 

 

 

 それによりますと、この土地の産土神(うぶすながみ、土地の守護神)として、奈良時代かそれ以前から存在していたようですから、かなり歴史の古い、この地に根付いてきた神社のようです。
 実際、境内を歩いている時にも、地元の方らしき何人もの参拝者や散歩者とすれ違いましたし、コンクリート造りの大きな社務所も建っていたことなどからも、現在でもこの地に馴染んで信仰され続けているものと思われます。


 一礼をして鳥居をくぐると、境内参道の入ったすぐ横に手水舎が。

 

 


 左右を高い木々に囲まれ、途中のいくつもの石燈籠や摂末社が立つ長い目の参道を歩き続けます。

 

 

 

 


 日中でも少し薄暗い感じがし、霊感などゼロな私でも、外の世界とは何か異質なものを感じてしまいます。
 霊感がある人なら、さらに何か感じるものがあったかも、と思わせます。
 そう言えばこの古社には、女性や少年、落ち武者などの霊が目撃されているという心霊スポットとしての噂もあるそうですが、なるほどそういう噂が立ってもおかしくないような、少し怖いような雰囲気もある。そう思えましたね。

 

 


 拝殿と、その後ろに立つ本殿へ礼拝。

 

 

 

 

 

 この後ろの裏山あたりに女性の霊が出没し、その霊は目が合うと追いかけてくる。またこの裏山では過去に何人かの自殺者が出た、などの怖い噂もあるそうです。
 幸か不幸か、いや、幸いと言うべきか。霊感ゼロということもあってか、この時は霊を目にすることはありませんでしたが。

 

 そして本殿横に、絵馬殿が。

 

 

 いずれもかなり古い絵馬ばかりで、絵が劣化や風化で見えにくくなっているものや。

 

 

 

 

 ほとんど見えなくなってしまっている絵馬も。

 

 


  入り口の案内板には、京都府登録文化財の「あかげ踊り絵馬」もあるそうですが、この中にあるのかどうかは、この時はわかりませんでした。


 そして絵馬殿の奥の方に、こんな絵馬が。

 

 

 これがヨジババ伝説の元になったという、件の絵馬でしょうか。
 老婆が子供を抱きしめて何かから守ろうとしているようにも、また、捕まえて攫おうとしているようにも見えます。
 一体、どちらなのか。
 或いはこの絵馬は元々何の場面を、どのような意図で描いたものなのか。私にはよくわかりませんでしたが。
 ところでここを訪れ、この絵馬を目にした時間も、ヨジババが現れるという午後4時代、しかも午後4時44分44秒を少し過ぎたあたりの時間帯でした。
 もっとも、(幸いというべきか)本当にヨジババに出くわすことはありませんでしたが。

 

 

 この絵馬もかなり古そうで、結構な劣化・風化も見られますが。
 ただそれでも、なかなかに強烈なインパクトのある、少し怖い感じのする絵だとも思いました。
 すぐ近くに住宅街も学校もあることから、昔から多くの子供たちをこの絵馬を目にし、強い衝撃を受けてきたかもしれない。
 そんな強い衝撃を受けた子供たちの恐怖心や想像力が、恐ろしい妖怪ヨジババを生み出し、やがて都市伝説として全国に広まっていったのではないか。
 そんなことを考えながら、この古社を後にしました。

 

 

 

 なお、「特別編・2022年の目標」で、「今年中に、本シリーズで新規スポットの記事を最低でも15以上、出来れば20以上書く」ことを目指していましたが。

 カウントするのを忘れていた「第797回・金沢の兼六園」と、今回の水渡神社とを加えて、合計で11本目。目標達成まであと4本です。

 

 

 

 

 それでは、今回はここまで。

 また次回。

 

 

 

 

 

*水渡神社へのアクセスと周辺地図はこちら

 

 

 

*水渡神社(「京都府観光案内」より)

https://www.kyoto-kankou.or.jp/info_search/?id=373&r=1667080614.8913

 

 

 

 

*『京都妖怪探訪』シリーズ

https://kyotoyokai.jp/

 

 

 

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