京都の闇に魅せられて(新館)

京都国立博物館『国宝』展……エログロもあるよ!?




(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)


 どうも、こんにちは。
 芸術の秋ということでしょうか。
 今年の秋は、各地の博物館や美術館でいくつもの面白いイベントがあります。
 弊ブログで取り上げたものだけでも、東京国立博物館の『マジカル・アジア』や『運慶展』とか、龍谷ミュージアム『地獄絵ワンダーランド』があります。
 それらの中でも最も有名で、人気があり、規模も大きなもののひとつが、京都国立博物館の『国宝』展です。
 今年は同博物館の開館120年にあたるだけでなく、日本の法令上「国宝」の語が初めて使用された「古社寺保存法」制定より120年にあたるそうです。
 そこで国宝に指定された貴重な文物を200点近く集め、およそ8週間、4期に渡って公開・展示するというもの。展示品の中には、日本人なら誰でも知っているようなものや、教科書などで1度は目にしたことがあるようなものもあります。
 地元近くでこういう夢のようなイベントがあるのなら、是非とも行かなければ。

 まずはいつもの通りアクセスから。
 京都市営バス「博物館三十三間堂前」停留所






 そこからすぐそばに、博物館の入り口です。






 明治時代からあるという、赤レンガの建物が青空に映えます。





 しかしながらこの建物は現在(2017年10月現在)のところは使用されていないようですが。
 『国宝』展は、平成知新館という新しい建物で行われています。








 この展示会は、2017年10月3日~11月26日まで、以下の4期に渡って開催されています。

 Ⅰ期 10月3日(火)~10月15日(日)
 Ⅱ期 10月17日(火)~10月29日(日)
 Ⅲ期 10月31日(火)~11月12日(日)
 Ⅳ期 11月14日(火)~11月26日(日)

 一期毎に、少しずつ展示品が変わります。
 この記事を書いている11月はじめ現在、私はⅢ期まで一回ずつ、もう合計3回訪れています。勿論、Ⅳ期も行くつもりです。


 会場で配布されていた新聞。





 展示物を直接撮影することはできませんが、「伝源頼朝像」「火焔式土器」など、教科書などで見覚えのある文物も展示されています。
  『京都妖怪探訪』シリーズをやっていることもあって、最近の私は地獄絵や仏画にもはまっております。
 それらの中には、「地獄草紙」「餓鬼草紙」などの有名作品もあります。
 楽しみに中へと入ります。


 絵画、彫刻、絵巻物、家具、衣装、考古学上の出土品まで。時代も縄文時代から江戸時代まで。さらには中国など外国製のものもあるという。
一口に「国宝」とは言っても、実に多種多様です。


 例えば、看板にも描かれたこの土偶。
 「縄文の女神」とも呼ばれる土偶らしいですが。





 この女神像。
実物を近寄ってよく観ますと、背中から腰、お尻にかけての曲線が、妙にエロいです(笑)。
また、「縄文のビーナス」という土偶もありましたが、こちらはお尻と太ももが誇張とも思えるくらいに強調されていたりして、またエロい(笑)。
 私はどちらかと言えば、絵巻物や、仏画や仏像、六道絵などの仏教美術などの方に興味があったので、当初は縄文時代の出土品にはあまり興味がなかったのですが…。
 まさか国宝を観に来て、エロな要素にお目にかかるとは思いませんでした(笑)。

 他にも仏像や、陶磁器、水墨画や山水画、風景画や人物画、さらには刀剣など多種多様な国宝を間近に見られて、もうお腹いっぱいという感じですが。

 でもやはり、私にとって一番楽しみなのは、『信貴山縁起絵巻』「地獄草紙」「餓鬼草紙」などの絵巻物や、地獄絵や来迎図曼荼羅図などの仏画ですね。


 特に『信貴山縁起絵巻』は、昨年春頃に奈良国立博物館で開催された「信貴山縁起絵巻」展に観に行って以来です。
 その作品は、「信貴山・朝護孫子寺の中興の祖とされる命蓮上人の霊験譚を描いた作品で、「日本四大絵巻」のひとつもあげられる名作です。
 つまり、修行によって強力な霊力・異能力を身につけた伝説的高僧を主人公にした、マジカル・パワーによる奇跡を描く物語で、オカルトマニアで、ファンタジーオタクならば楽しめる作品でもあります(笑)。
 再び全三巻にお目にかかれるとは。
 さすがに実物を撮影することは出来ませんでしたが、当時の会場で買った「便利堂」のレプリカから。





 これは、命蓮上人が召喚した護法童子が、天皇の病を治しに宮中へと現れる場面です。


 そして、やはり奈良国立博物館で観たことのある、「地獄草紙」「餓鬼草紙」などの絵巻物も観られました。
 さすが、これらの絵巻物は人気と知名度がある為か、その前には常に人だかりが出来て、観るのは勿論、その前を移動するのもひと苦労でした。
 やはり実物は撮影させてもらえるはずも無いので、会場で販売されていた「便利堂」のレプリカから、『餓鬼草紙』の場面の一部を、ここで紹介させていただきます。
 生前に強欲だったり、嫉妬深かったりする人が死後に「餓鬼道」へと生まれ変わり、飢えや渇きに苦しみ続けるものが「餓鬼」だとされていますが。
 
 貴族の宴に現れ、食事のおこぼれを狙う餓鬼の様子です。
 普通の人々の目には見えないようです。









 生まれたばかりの赤ちゃんを狙っているらしい餓鬼を描いた恐ろしい場面です。
 餓鬼の中には、「食小児(じきしょうに)餓鬼」「伺嬰児便(しえいじべん)餓鬼」といった生まれたばかりの子供を狙う者も存在します。






 人の排泄物をむさぼる餓鬼も居ます。






 墓を荒らして屍体を食べる餓鬼も居ます。






 仏の力で救済されていく様子も描かれています。






 こういう地獄や餓鬼を描いた、恐ろしいとうか、エグい、グロいものを描いた作品もあるのです。
 もうひとつ、エグさとグロさで際立っていた絵巻作品がありました。
 それが、現世の難病や奇病の様子を描いた『病草紙』です。
 展示されているのは全体のごく一部のようですが、例えばそのうちの『二成(ふたなり)』という作品ですが、両性具有の男(?)の性器が丸出しになっている様子が描かれています。
 また、『眼病』という作品では、眼病に針治療を施している場面ですが、針で刺された目から鮮血が流れている様子が描かれています。しかも解説に寄れば、この治療は失敗して患者は失明するという結末になっているそうです。
 それがストレートに描かれたこと自体もエグい、グロいと思いますが、その両作品にはさらに、その様子を面白おかしく覗き観る野次馬の姿も描かれ、人の心の醜さまで表現されて、二重にエグい作品となっています。
 しかも、そういうものを、美しい仏画や山水画などを観た前後に目にするわけですから、「子供や気の弱い人の中にはトラウマになる人も居るんじゃないか」という気すらもしました。


 美術や芸術とは、何だろうか。
きれいなもの、美しいものを描いたものだけがそうとは限らないのだな、と。
改めて思った次第です。


 数多くの国宝の美(?)を堪能した後は、少し傾いた陽光に照らされた美しいレンガの建物も楽しんでいきます。









 そう言えば、もうすぐ紅葉の季節になります。
 芸術作品や歴史的文物だけでなく、紅葉とマッチした美しいレンガの光景も、また楽しめるかもしれないな。
 また再訪する時を楽しみに、博物館を後にします。





*京都国立博物館へのアクセス・周辺地図は
こちら




*京都国立博物館のHP
http://www.kyohaku.go.jp/jp/




*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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