京都の闇に魅せられて(新館)

首塚大明神(後編) @ 京都妖怪探訪(493)





(記事中の写真はクリックで拡大します)


 どうも、こんにちは。
 源頼光と四天王、平井保昌が、大江山で退治した酒呑童子の首を埋めたという、首塚大明神。
 そこは有名な妖怪伝説地であるだけでなく、現在もなお心霊スポットとしても有名です。
 前編に続いて、首塚大明神を訪れた時の記事を書きますが、今回は年一度の例祭日の様子を。


 前編の続き。
 かなり早朝の時間帯から待っていますと、少しずつ人が集まってきました。
 以下は、その時の本殿が立つ小山から観た境内社務所の様子です。





 例祭の日だというので、社務所が開けられ、氏子の皆さんが何人か集まって、掃除などの作業をしておられました。
 ただ普段はこの社務所(とは言っても、山の中の簡易休憩所か倉庫のような感じでしたが)は閉められていて、誰も訪れていないのだろうな、ということは想像できました。

 神職の方、氏子の皆さんが本殿で例祭の準備を始めています。











 その日は例祭ということなので、これだけ人が集まっていますが。
 神職さんに尋ねて聴いてみたところ、常駐の神職さんもおられず、例祭などの特別な日以外は、誰も居られないということらしいです。
 つまり、普段は誰も居ないようなうら寂しい場所だということです。






 例祭自体は、非常にこぢんまりした地味なものでした。


 私も神前に御神酒を供えます。





 供えた御神酒の半分を本殿裏の塚へと注ぎます。








 御神酒の残り半分を飲みます。
 こうして、かつての源頼光一行みたいに、ご祭神の酒呑童子さんと酒を酌み交わした、ということになるのでしょうか。


 ところで。
 首塚大明神に来ているということで、ひとつ思い出したことがありました。

 シリーズ第400回でも紹介した、そして『怪談実話NEXT』(東雅夫/編・MF文庫ダ・ヴィンチ・2013年発行)の第一章「首石」でも紹介された話。
  “酒呑童子の首石”なる呪われた魔石の話です。
 本シリーズでも何度か登場された“京都の妖怪絵師・伝道師”葛城玄幽氏が、「魔所や心霊スポットにある物を拾って持ち帰ってはいけない」というタブーをあえて犯して、この首塚大明神の境内から“首石”なる呪われた魔石を持ち帰ったという話です。
 そして、子安地蔵(※シリーズ第490回で紹介)が「警告」を発したのも、その時同行した友人が恐れて止めたのも聴かずに、その呪われた魔石を持ち帰った。その後葛城氏は、次々と怪事や凶事に見舞われたにも関わらず、その石を手放さずにいて……ついにはその呪いすら制してしまった、という話です。

 この「首石」の話を思い出した私は、葛城氏にSNSを使って、メッセージを送りました。


>おはようございます。本日は首塚大明神の例祭に来ております。

>ところで、例の石を発見されたのは、この場所ですか?


 その時に、以下の本殿裏の塚の画像を添付して送りました。


 



 すぐに葛城氏から返事が来ました。


>はい、柵の外です(=´∀`)


 ということで、柵の外側も観て回ります。
 この場所で葛城氏は、呪いの魔石を発見されたのでしょうか?








 同時に私は、葛城氏に次のような返信を送りました。


>おお、そうでしたか。ありがとうございます。では、柵の外回りも観ていきます。しかし、そこから石を持ち帰るほどの勇気はさすがに無いですが・・。



 そしたらすぐに葛城氏から返信が。


>チャレンジしてください(≧∀≦)


 ……。
 あ、いや……。
 ……すみません。無理っす。私には無理です。
 呪いの石を制するだけの力が私にあるとは思えないですし。
 それ以前に、「さらなる力と運を得る為に、曰く付きの場所で呪いのアイテムを持ち帰る」という発想することが、もう既に並の、普通の人間ではないと思います。
 私みたいな凡人には、いろんな意味で無理かと思います。

 一応辺りを見渡してみましたが。
 幸か不幸か、「如何にもそれらしい」という石や物品は見当たりませんでした。
 首石を発見された時、「まるで導かれたよう」だったと葛城氏は仰ってましたが。私は霊、鬼、神様などに選ばれたりするタイプでもなかったようです。
 ほっとしたような、その一方で少しだけ残念でもあるような。
 少々複雑な気持ちになりながら、この魔所を後にしました。









 今回はここまで。
 また次回。




*葛城玄幽氏のTwitter
https://twitter.com/yokaido




*首塚大明神へのアクセス・周辺地図はこちら




*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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