南米への準備（その１）ブラジル・ビザ

先月の時点では、ビザを南米渡航直前の滞在地マドリッドで取得する予定でいたのだが、ポルトガルで取得申請することにした。ブラジルと非常に近い関係の国だ。

リスボンのブラジル領事館は、リスボンの高級ブティック街の一等地の広場に望むビル２階。わかり易い場所にあった。スペインの同領事館と同様、Webサイトに掲載されていたメールアドレスに必要書類を問い合わせ、即日得た返答に従って航空券と写真を持参して行く。



領事館内は、ビザの延長で訪れている人々で満杯だったが、カウンター前でうろうろしていると手招きし対応してくれた男性職員が、非常に丁寧でかつ融通の利く対応で、不備な部分も彼が全てカバーしてくれたのだ。
メールの返答では、在スペイン領事館とは異なり、資金証明が必要と書かれていなかったのだが、やはり必要な書類はスペインもポルトガルも同じだった。

旅の途中なので、資金証明書は入手困難です。と困って言うと、
彼は「通過手続きですが、何かありませんか」とあくまで温厚だ。何かというと？
彼は少し考えてから、口早に言った「例えば、銀行カードとか」
それなら、クレジットカードがありますが。
「それにしましょう。通過手続きですから。コピーしますがいいですか」と彼。
申請書類に貼る写真は、６×７cmの大きなサイズが求められていたが、持参していた小さなサイズを出すと、笑いながらスティック糊を持ってきて彼が書類に貼った。
申請書類を記入している間に、彼が必要な添付書類をコピーして申請書類に貼り付けるという共同作業が続く。恐縮の連続だったが、彼は終始笑顔を絶すことなく、申請書類が揃うまでの作業に付き合った。こうした手間のかかる来訪者が日常茶飯事なのかもしれない。

「では、最後に申請料50ユーロをお願いします」50ユーロですか。
彼は私の顔を見て、入国ビザの国別申請料リストを広げた。
「国別にビザ申請料が違います。日本は高いかもしれませんが、アメリカ人は100ユーロですから」と彼が指差したリストを見ると、確かに米国は突出して高い。他国も少しずつ料金に差がある。この違いは、経済力の差か、ブラジル貢献度の差か。在スペイン領事館での申請手数料は確か62.5ユーロというだったので、申請国でも料金は異なるということだ。日本で申請するといくらなのだろうか。

手数料を支払うと申請手続きは終了した。「では、３日後に取りに来てください」彼もほっとしたように言った。
無味乾燥な日本の官公庁手続きとは温度の違う在ポルトガルのブラジル領事館。職員個人の資質だろうか。それとも・・・。
ブラジルが楽しみになった。