見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

議論が発生する場

2008-11-06 23:29:28 | 旅の風景
久しぶりに、フォーラムの場に足を踏み入れた。

「環境首都をめざす自治体 全国フォーラムin飯田」

3日間に渡る開催プログラムのうち、一般に公開されるのは、3日目午後に予定されている先進自治体の事例発表会だけ。
飯田市役所の公式HPにも、事例発表会への市民の参加を促す広報が掲載されていた。
が、興味があるのは、その前の非公開プログラムの方だ。
自治体の首長が自ら環境首都を目指す事例を発表し、NGOと戦略的に議論を重ねるというものだ。
市町村長がNGOと「議論」する。予定調和の会議ばかりの昨今、このプログラムが実際にどの程度遂行されるのか、関心は募った。
主催事務局の環境市民(事務局:京都市)にメールで問い合わせてみたところ、担当者から、非公開部分への参加を認めるという、柔軟な返答が戻ってきた。
馴染みのなかった「環境市民」というNPOが、とても頼もしく思えた。



ホテルの会場にロの字型に作られた内円の発言者席に、全国数ヶ所の自治体の首長たちが座った。
NPOが主宰するフォーラムに、多くの首長、専門家、NGOが囲みで顔をあわせる風景は楽しい。

そして、そこには確かに「議論」が存在した。
各自治体の実践発表に対して、次々と質問が飛んだ。
実践されていることに対する懸念や批判が、控えめながらはっきりと発言された。
提言と希望が語られた。

■印象的な発言■

・地方自治体のガバナンスとダウンサイジングとは別物である。

・今のパートナーシップは、自治体と特定NPOとの二者限定パートナーシップ。自治体のステイクホルダーは、もっと広範だ。

・アウトソーシングとパートナーシップを混同している。

・日本はもっと大胆で長期的な社会実験の場を作るべき。例えば欧州では、街の中心部への車の進入禁止実験を半年間に渡って試した。

・首長は、財源+人+情報、の3つで政策をすすめる。

・行政職員は匿名性の影に隠れず固有名詞で語る責任を、市民は個人エゴを主張せず個人以上の何を代表した意見なのかの代表性の尊重を。




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3 コメント

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さっき飯田市の話をしていました (会社ごとIターン族)
2008-11-13 00:04:57
公共交通や自転車のことを考える会を「紫陽花」で開いて帰宅したばかりです。
飯田市長や飯田市民がすばらしいことをやっているということをうらやましく話しました。
松本でも「もっと大胆で長期的な社会実験」をやる必要があります。
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松本市 (ittoku)
2008-11-13 23:43:22
松本市で実現するのは、
いつ?

4年後?

「環境首都」
久しぶりに聞く言葉ですが、
やはり新鮮ですね。

四賀から始まる
「環境田舎」
う~ん、おもしろそう。

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社会実験 (wine)
2008-11-15 00:10:12
「社会実験」の、地域コンセンサスづくりに尽力する首長の姿勢に期待したいですね。リスクがあるのは承知で、時には面白がって地域づくりを進める地域住民の好奇心と覚悟と余裕をどう醸成していくか、やりがいのある課題だと思います。
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