見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

「日本人宿」と呼ばれるゲストハウス

2007-06-19 22:32:52 | 旅の風景
ネットでカンボジア情報を検索している際、たびたび出てくる「タケオハウス」が気になっていた。
              
同宿を紹介する共通の文面は、
・バックパッカーがこよなく愛する宿
・日本食が美味しい食堂
・100冊を越える日本語の本のライブラリー
・毎朝無料で洗濯を引き受けてくれる
・バックパッカー情報を収集しに食事時に集合、などなど

            
旅に出て以来、ほとんど日本人に出会っていない。バックパッカーたちはどんな旅姿でどんな情報を交換しているのだろう。
「タケオハウスへ」と告げただけで、トゥクトゥク・ドライバーは正確にそこへ連れて行ってくれた。
食堂やライブラリースペースでは、期待通りに日本の若者が、漫画やガイドブックを広げたり、情報交換をしたりしている。いかにもという風貌の若者や素朴なTシャツ姿の若者に混じって、どこか世捨て人風の中年の男性がポツリとTVを見ながらビールを飲んでいたり、のどかだ。
表に連結する評判の食堂は、ゲストハウスとは別経営だが、数年前に日本人男性が経営を担ってからメニューも雰囲気も格段に良くなったという。                    

ゲストハウスを経営しているのは、中国系カンボジア人の家族。
「ゲストハウスを始めた頃は、まだ宿泊者が少なくてね。で、取材か何かで滞在していた日本人が『お客がもっとくるように日本で宣伝してあげるよ』と言って雑誌や口コミで宣伝しくれたり、いろいろアドバイスしてくれたの。それで、今ではゲストの9割が日本人。日本人は礼儀正しいし、優しい。1994年に始めて以来一度もトラブルが発生したことがないのが自慢」と、経営を仕切るミセス・モム。

とはいうものの、『大麻・麻薬の持ち込みはお断り/臭いや気配を感じたらすぐに連絡を』と各部屋のドア口や階段の踊り場各所に、しつこいほど小まめに注意書きが貼り付けられている。(冒頭写真)

結局、1週間以上タケオハウスにお世話になっている。
早朝と夕方、トゥクトゥクに乗ってアンコールの遺跡群をゆっくりと回るが、遺跡は広く多種多様ですべては回りきれない。
帰りがけに屋台の焼き物や竹蒸し飯を食べて戻ると、タケオハウスの食堂や狭いロビーは、車座になって語り合う若者たちで盛り上がっている。昔のユースホステルや合宿を彷彿とさせる微笑ましいシーンだ。そして、その輪に入るには歳をとりすぎている自分を自覚し、ほんの少し寂しい気分になる。

タケオゲストハウス。この一週間の新規宿泊数31組。
国籍;日本人30組、オーストラリア人1組。
宿泊者年齢層;20代25組。30代5組。40代1組。
部屋代;5ドル~12ドル(連泊割引交渉可)
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