笹野高史の物語だったら感動できたのに・・・
人が死ぬという物語で涙が一滴も出なかったのは初めてかもしれません。たしかに役所広司のメイクや演技は凄まじいものを感じたし、周りの人たちの温かさも感じたものの、おそらくは主人公藤山に全く共感を得られなかったことが原因です。
エゴのかたまり。まずは部長職にあった彼の立場でBプロジェクトなる都市開発が計画中だったのですが、死ぬまでには着工してほしかったらしく、無理を通してしまう。そしてプライベートの面では、妻(今井美樹)と息子(塩谷瞬)と娘に囲まれ恵まれた家庭環境であり、そのうえ愛人(井川遥)もいる。愛人と縁を切ることもせず、周囲から愛されるまま死にたいと希望する。さらに、家を飛び出し自分で親の遺産を放棄したにもかかわらず、音沙汰無かった兄(岸部一徳)に無心する・・・
一番大きなネックは愛人の存在。本人は妻と愛人、両方から愛されるまま幸せに死にたいと思っていても、残された者はシコリが残ったままになることでしょう。追い打ちをかけるように、兄に対して「自分の骨をある人に分けてあげたい」と頼むのです。愛人ならばそんな男の骨を欲しがるもの?愛人が「いい男をみつけてやるわよ」と言ってたことと矛盾しないのか?骨よりも金のほうがよくないか?このあたりでどうでもよくなってきました・・・
友人とのエピソードにGFRが出てきます。個人的にはグランドファンクのCDをずっとカーコンポに入れているほど好きなのですが、1971年の雷雨の中の後楽園コンサートにテープ疑惑があったとは知りませんでした。それはともかく、友人(高橋克実)が送ってきたのが1973年のLPレコードだったことには意味があったのでしょうか。ロック魂を感じろ!という意味を込めるのなら、ライブ盤を送るべきだ。そして、当然「アメリカン・バンド」を聴けるものだと思っていたのに・・・秋元康ならポケットマネーで権利を買えよ!
男の死に方については参考になることが多かっただけに、残念でならない作品。初恋の女性、喧嘩別れしたままの友人など、自分の死期を告げる旅なんてのもいいものだと感じます。しかし、「死ぬまで生き続けたい」という言葉は、彼の行動を見てると意味不明となります。映画を数多く観ているせいなのか、“生きる”という言葉には“前向きに生きる”という意味が含まれてるものだと先入観があったためかもしれません。最後には、なんとなくホスピスの宣伝のような内容となってましたが、それならばインフォームド・コンセントや生命保険やタバコの害についても語るべきじゃないでしょうか・・・愛人なんていらないから・・・
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人が死ぬという物語で涙が一滴も出なかったのは初めてかもしれません。たしかに役所広司のメイクや演技は凄まじいものを感じたし、周りの人たちの温かさも感じたものの、おそらくは主人公藤山に全く共感を得られなかったことが原因です。
エゴのかたまり。まずは部長職にあった彼の立場でBプロジェクトなる都市開発が計画中だったのですが、死ぬまでには着工してほしかったらしく、無理を通してしまう。そしてプライベートの面では、妻(今井美樹)と息子(塩谷瞬)と娘に囲まれ恵まれた家庭環境であり、そのうえ愛人(井川遥)もいる。愛人と縁を切ることもせず、周囲から愛されるまま死にたいと希望する。さらに、家を飛び出し自分で親の遺産を放棄したにもかかわらず、音沙汰無かった兄(岸部一徳)に無心する・・・
一番大きなネックは愛人の存在。本人は妻と愛人、両方から愛されるまま幸せに死にたいと思っていても、残された者はシコリが残ったままになることでしょう。追い打ちをかけるように、兄に対して「自分の骨をある人に分けてあげたい」と頼むのです。愛人ならばそんな男の骨を欲しがるもの?愛人が「いい男をみつけてやるわよ」と言ってたことと矛盾しないのか?骨よりも金のほうがよくないか?このあたりでどうでもよくなってきました・・・
友人とのエピソードにGFRが出てきます。個人的にはグランドファンクのCDをずっとカーコンポに入れているほど好きなのですが、1971年の雷雨の中の後楽園コンサートにテープ疑惑があったとは知りませんでした。それはともかく、友人(高橋克実)が送ってきたのが1973年のLPレコードだったことには意味があったのでしょうか。ロック魂を感じろ!という意味を込めるのなら、ライブ盤を送るべきだ。そして、当然「アメリカン・バンド」を聴けるものだと思っていたのに・・・秋元康ならポケットマネーで権利を買えよ!
男の死に方については参考になることが多かっただけに、残念でならない作品。初恋の女性、喧嘩別れしたままの友人など、自分の死期を告げる旅なんてのもいいものだと感じます。しかし、「死ぬまで生き続けたい」という言葉は、彼の行動を見てると意味不明となります。映画を数多く観ているせいなのか、“生きる”という言葉には“前向きに生きる”という意味が含まれてるものだと先入観があったためかもしれません。最後には、なんとなくホスピスの宣伝のような内容となってましたが、それならばインフォームド・コンセントや生命保険やタバコの害についても語るべきじゃないでしょうか・・・愛人なんていらないから・・・
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共感なんてできないはずなのに役所広司さんの演技に泣いてしまいました。
ご迷惑でしたらお赦しください。
自分が日頃から考えていることですが
人は一体、何のために生きているのでしょうか?
人はどこから来て
何のために生きて
どこへ向かっているのでしょうか。
神の存在、愛とは何か、生きる意味は何か、死とは何かな
どの問題などについて、ブログで分かりやすく聖書から福音
を書き綴っています。ひまなときにご訪問下さい。
http://blog.goo.ne.jp/goo1639/
(聖書のことば)
「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところ
に来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」
(マタイの福音書11:28)。
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛
している。」(イザヤ書43:4)。
★私のブログから----------。
「生きる目的は一体何か」
http://blog.goo.ne.jp/goo1639/m/200705
「人生の目的と意味は何か」
http://blog.goo.ne.jp/goo1639/d/20060519
★彡★☆彡☆★彡★☆彡☆★彡★☆彡☆★
現在記事多数のためレビューはこれからですが、この作品で残された時間をどう過ごすのか?を考えさせられたのは事実です。残された時間を過去の清算という形で流れていくわけですが、私もこの作品に対して5はつけれないですね。現状3~4あたりで考えています。
もしこの作品で愛人の存在がないなら非常にいい作品として私は受け止める事ができたでしょう。いくら妻が全てを受け止めるといっても愛人まで受け止めさせるのは頂けない。
タバコについてはここまで来ると吸っても、吸わなくても一緒と考えます。
生きたい・・・これは死にたくないと思う人なら誰でも思うのでは?と思います。これについては矛盾していないと考えます。ただ現実はそれを許さないという事ですね。
生きる意味が今あるとすれば1人でも必要としてくれる人がいるならその人の何かの力になりたいということかな?と最近は感じていますけれどね。
役所広司の演技はほんとに素晴らしかったです。なぜだか感動できないストーリーのなかで1人浮いてしまってるように感じたくらいです。
ストーリーと演技のバランス、難しいですよね。
>Shepherd様
生きること、奥も深いし、考えなきゃいけないことですよね。
>PGM21様
残された時間を有効に使うこと。色んなことが考えられますけど、これも一つの選択肢ですね~何もすることが思いつかなかったら、是非やってみたいです。まぁ、同窓会などにこまめに顔を出していたら、やらなくてもいいのですが。
愛人がいないストーリーだったら、多分評価は上がることでしょう。いや、いたとしてもかまわないのですが、残された者のことを考えたらケジメをつけなきゃいけないでしょう。
「生きる」という意味はもっと別のところにあると思うのですが、この映画の場合、藤山にとっての「生きる」という狭義のことであって、それがあまりにも前向きじゃないと感じました。ちょっと考えたら、当然のことなんですよね。
最近コメントなしのTBが多いので、新鮮でした(笑)。TBされる側としては、私のブログ記事の何が気に入ってTBされたのかが気になるものでして。kossyさんはきちんと書いて下さっていたので嬉しかったです。
さて、映画に関してですが(と言うより原作かな)。残される者(特に妻)の気持ちを考えない主人公の行動は、本人からすれば自分の思うがままに生き抜けてさぞや満足でしょうけど、人間としてどうなのかなと疑問に思います。48年生きて来て、その程度の精神的成熟しか得られなかったのかと。おそらく作者の価値観が色濃く投影された人物像だと思われ、K氏に抱くイメージそのままではあるのですけど。新聞小説をリアルタイムに読んでいた知人も、「エラクご都合主義な展開だな」と感じていたそうです。
人間の人生って、そんなに格好良く、自分の思い通りに行けるものじゃないですよね。いろいろなしがらみがあって、思う通りに行かないことが殆どだと思う。「俺はあと半年しか命が残っていないんだから」という理由で何でも許されるのか―酷なようだけど「許されるわけがない。」
死に様について、人生のパートナーである妻に一言の相談もないなんて、妻からすればすごく哀しくて切ない話です。夫婦仲の良さを強調されている分、その点が不自然でたまりませんでした。
やっぱりどうしても愛人の存在が気になってしまって・・・。
役所さんが1人だけ頑張って演技していた、というのと
ホスピスってそういうところなんだ~ってくらいしか
心に残りませんでした・・・。
丁寧なお返事ありがとうございます。
俺が書くコメントって、結構キマグレなんです(汗)
やっぱり原作がいけないんですよね、この映画は。
エンタメ系ではかなり成功している方ですし、甘えや思い上がりの性格がそのまま出てしまったのではないかと疑ってしまうほどでした。「ご都合主義」という言葉もピッタリですよね。
妻には告白しなくて、愛人には告白する。これって、愛人への愛情が大きいってことですよね。「もう一度プロポーズ」なんて白々しい感じがぬぐえません・・・
>ひめ様
役所広司の演技がもったいなかったですよね。
役者としては全体イメージは考えなくていいんでしょうけど、どう感じてたのかな~
ホスピスを描いた映画は日本では少ないので、なかなか良かったとは思うのですが、他の患者との交流はもっとあっても良かったかなぁ・・・
もっと家族愛を中心に描いていると感動もできたのかもしれないですが、親の後妻の存在を憎みそのため兄とも疎遠になっていたのに自分も愛人との関係を最後まで続けるとか、どうもリアリティがなくってダメでした~
普通のわがまま・・・許せる範囲のものであればかまわないんですけどね~。やっぱり愛人に絡んだことはダメでしょう。あれだと横溝正史の世界です。秘密ではなく、公になっているのならまだしも・・・
それほど極端な意見でもなかったようで、少し安心してます。
妻とこの映画のことをどう話そうかと戸惑う部分はありますが、
まずは「自分ならこうする」と言ってみようかと思います。
もちろん真っ先に家族に打ち明けます。
(井川遥のような愛人がいれば話は別・・・なんて言っちゃだめ!)