「花婿は私の元カレなのよ」「そうなのか・・・実を言うと、花嫁は俺の娘なんだ」
『007/カジノ・ロワイヤル』にもル・シッフル役として出演していたマッツ・ミケルセン。デンマークということもあってか、ヴィゴ・モーテンセンにも似てるような気がしたし、なぜか大杉漣にも見えてしまいました。
インドで孤児たちを相手に英語を教えているヤコブ(ミケルセン)。英語ではジェイコブと発音するんだ・・・などと考えながら、救援事業も資金不足で大変だったようだ。そして彼の故郷デンマークの実業家ヨルゲンから巨額の援助の申し出があったため帰国するのだが、契約を交わす前に彼の娘の結婚式に参加することとなった。驚いたことに、ヨルゲンの妻はかつての彼の恋人だったのだ・・・それだけではない。花嫁であるアナ(スティーネ・フィッシャー・クリステンセン)が「ヨルゲンは実の父親でもないのに・・・」などと発言するのだ。
実は18年前に別れた恋人は妊娠していた。そんな人間ドラマを濃密に描いているのですが、娘アナの心は意外にも実の父親に会いたがっていたことで、確執なんて存在しないような大らかな人間関係が窺える。ヨルゲンは事業で大成功していて大富豪であることも違和感の要因であるのですが、ヨルゲンとヘレナの間にもうけられた双子のほうに愛情が注がれすぎてたのかもしれません。
“金満”などという言葉も使われているほど、最初はヨルゲンの態度も金持ちならではの嫌味がたっぷり。しかし、人間関係が明るみに出てからは、彼の性格に好感が持てるようになる。妻の元恋人、しかも娘の実父の出現というショッキングな出来事があったにも拘わらずなのです。そして、インドの孤児院に年間1200万ドルの寄付という、企業の儲けには全く関係のない慈善事業に投資しようというのだ。ミステリアス・・・これは何かある。
予想通りの展開で、ヨルゲンの投げやりとも思える資産をばらまく行為。なぜだかまたもや『象の背中』を思い出してしまいましたが、彼の風貌が象に似ているんじゃないかと感じてしまいました。若干、男のエゴも感じられる。しかし、残された人たちが全て幸せになるように仕組まれてもいたのです。
ストーリーよりも映像のほうに面白さがありました。登場人物の目がクロースアップとなるカットがとても多いのです。剥製の動物の目も映し出されるものだから、その意味も考えてしまいます。なんだったのでしょう・・・
★★★・・
『007/カジノ・ロワイヤル』にもル・シッフル役として出演していたマッツ・ミケルセン。デンマークということもあってか、ヴィゴ・モーテンセンにも似てるような気がしたし、なぜか大杉漣にも見えてしまいました。
インドで孤児たちを相手に英語を教えているヤコブ(ミケルセン)。英語ではジェイコブと発音するんだ・・・などと考えながら、救援事業も資金不足で大変だったようだ。そして彼の故郷デンマークの実業家ヨルゲンから巨額の援助の申し出があったため帰国するのだが、契約を交わす前に彼の娘の結婚式に参加することとなった。驚いたことに、ヨルゲンの妻はかつての彼の恋人だったのだ・・・それだけではない。花嫁であるアナ(スティーネ・フィッシャー・クリステンセン)が「ヨルゲンは実の父親でもないのに・・・」などと発言するのだ。
実は18年前に別れた恋人は妊娠していた。そんな人間ドラマを濃密に描いているのですが、娘アナの心は意外にも実の父親に会いたがっていたことで、確執なんて存在しないような大らかな人間関係が窺える。ヨルゲンは事業で大成功していて大富豪であることも違和感の要因であるのですが、ヨルゲンとヘレナの間にもうけられた双子のほうに愛情が注がれすぎてたのかもしれません。
“金満”などという言葉も使われているほど、最初はヨルゲンの態度も金持ちならではの嫌味がたっぷり。しかし、人間関係が明るみに出てからは、彼の性格に好感が持てるようになる。妻の元恋人、しかも娘の実父の出現というショッキングな出来事があったにも拘わらずなのです。そして、インドの孤児院に年間1200万ドルの寄付という、企業の儲けには全く関係のない慈善事業に投資しようというのだ。ミステリアス・・・これは何かある。
予想通りの展開で、ヨルゲンの投げやりとも思える資産をばらまく行為。なぜだかまたもや『象の背中』を思い出してしまいましたが、彼の風貌が象に似ているんじゃないかと感じてしまいました。若干、男のエゴも感じられる。しかし、残された人たちが全て幸せになるように仕組まれてもいたのです。
ストーリーよりも映像のほうに面白さがありました。登場人物の目がクロースアップとなるカットがとても多いのです。剥製の動物の目も映し出されるものだから、その意味も考えてしまいます。なんだったのでしょう・・・
★★★・・
実はこの映画は昨日の午前中に見たのです。
でも、気に入った割には感想がとっても書きにくくて・・・。
ついつい「奈緒子」の感想を先に書いてしまったのでした。
スサンネ・ビア監督作品は初めてでしたが、来週からの「ある結婚の風景」も楽しみになってきました。
高評価のミチ様には申し訳ないと思いつつ、ONCEとの評価点を天秤にかけてしまいました・・・
俺も途中までは好きだったのですが、ヤコブの心理描写が途中から違和感を感じてしまったのが原因です。
「ある結婚の風景」も楽しみにしています。
「しあわせの孤独」という映画と比較してみるのも面白いかもしれません。
スザンネ・ビア作品は今回初体験だったのですが、『しあわせの孤独』ではドグマ方式で撮っていたとのこと、知りませんでした。感謝です。
形式にこだわりを見せる監督は好きなので、注目していきたいなと思います。
続いて『ある愛の風景』も観てきたのですが、やはりドグマを撮ってるだけあって、手ぶれカメラの効果が出ていました。
それに目のカット挿入という効果がプラスされて、揺れる心情が見事に表現されてました。
俺も今後の作品に期待してま~す。
エラが張ってるんですかね?デンマーク人は。
マッツは味があって大好きな俳優さんです。
眼のアップ・・・多かったですね。
登場人物みんなが葛藤する物語なので
心の揺れがよくわかって息苦しいほどでしたわ。
TBもさせていただきますね~。
こんな映画をもっと観たいな~などと思ってもみるのですが、最近は鑑賞本数が減ってしまって・・・(汗)
眼のアップはほんとに面白かった。
眼だけで心理描写をするには無理があるんでしょうけど、ほぼ成功していたかな~と言いつつ、ストーリー展開が思い出せない・・・ううう。
愛する人・家族・夫の死や事故や不幸にみまわれた人の再生を題材にした作品が多いようですね。
韓国映画『シークレットサンシャイン』も同じ題材でしたが、更に子供の死、お金もとられるという、これでもかという不幸にみまわれ、女優さんの迫真の演技が見所でした。
スサンネ監督の作品はドグマや映像が見所でしょうか。
『ある愛の風景』では目のアップから愛?を表わす映像は面白いと思いました。しかし、軍人の妻・二人の娘の母役の女優さんのキャラクターや目付きが…妻や母親というより…女がムンムンしているように感じ…更に子供達の行儀・躾の悪さ・父親に対する言動に嫌悪感を覚え、ハマれませんでした。
今作では、誰かを見つめる視線と、更にその人を見つめる視線が、とてもわかりやすくてよかった。
剥製の目のアップも、不治の病で【死】を宣告された夫の伏線として、効果的だったと思います。
しかし、自分の亡きあと、妻や娘や幼い息子の力になってくれる人が必要だとおもったにしても、妻の元恋人・娘の実父である男をと考えること自体…根本的に、違和感がありました。
絶賛される監督ですが、相性がよくないです(涙)
『しあわせの孤独』はドグマ映画でしたけど、他には作ってないみたいです。ドグマ映画って日本じゃあまり公開されてないけど、デンマークが発祥の地みたいだし、スザンヌ・ビア監督もかなり影響を受けてるんでしょうね。
俺の印象ではこの『アフター・ウェディング』は実験的な要素(映像面で)ばかりが残っているのですが、映像以外でもドグマの縛りから抜け出すことができないでいたかのような・・・そんな気がしてます。
この映画はアカデミー賞の外国映画作品賞にノミネートされたこともあって、監督も注目されてる。実験的な作品をいくつも撮った監督って、のちに素晴らしい映画を生みだすことが多いと思うし、今後に期待ですね。
デストロのジャンキー姿は迫真の演技でした。
今作も、瞳のアップが度々挿入されていました。
しかし、今作は、中盤に実は夫が生きていたとか、実は娘だとか、癌だとか、サプライズはなかったので、瞳のアップも、視線の交差も、『アフターウェディング』ほど効果的ではなかった気がします。
夫の事故死後、嫌っていた夫の親友(麻薬中毒)が家に入り込む設定は、『ある愛の風景』で弟(前科あり)が家に入り込む設定と似すぎていました。
幼い子供達がなついてしまうところもそっくり。
まるでハリウッド版リメイクという印象でした。
一人の【死】は、誰かの息子であり、兄・弟、夫、父、友人、同僚、隣人の死。
関係が深いほど、死は深い大きな悲しみと喪失感をもたらし、一人では耐え切れず、悲しみを癒し、昇華させるには、支え、助け、時間を必要とする。
誰かに必要とされ悲しみを紛らわせたり、必要としておいて、たちなおったら突き放す、身勝手な行為もしてしまう。
人は弱く、弱く、弱く、幸せははかなく、だから寄り添う。
ユルシを与えたいのか…共感してほしいのか…類似した作品を取り続けるスサンネ・ビア監督。
再生の物語は嫌いではないけれど、次は、別の題材の作品が観たいなと思いました。
追伸。
今作で印象的だったのは、雨、空、光、家、庭。
素敵でした。