ピエール瀧の件で話題となった本作。そんなに出番もなかったのに、彼の出演シーンはノーカットで上映するという東映の判断。重要なのは風刺コメディという作品の本質に絡んでくる、その役柄にあった!
杜という名のオリンピック組織委員会の委員長。別にカットされてもストーリーに問題はないのだが、明らかに元首相のもりさんをモデルにしているのだ。もりさんの地元民ならばほとんどの人が知っている疑惑まで想像してしまい、ヒロポンを打つシーンには「これはやばいだろ」と感じてしまうくらいだった。タイミング的には4月10日に辞任した桜田大臣の名前があれば大笑いできたものの、ピエールに代役を充てる時間的余裕もないほどなんだからしょうがない。
ついでに言えば、自民党の有志議員による「自民党頭脳スポーツとしての健全で安全な麻雀を推進する議員連盟」(仮称)がこの映画の試写を行った際に「オリンピックが中止になるなんてけしからん」としたクレームを出したというのだ。なんというか、五輪中止よりも他にクレーム出すところがいっぱいあると思われるのだが・・・(笑)。
基本的には『麻雀放浪記』(1984)に惚れ込んでいた斎藤工のために作られたような内容で、さすがに名作を汚すわけにはいかないと、タイムスリップSFに大幅に改変して、風刺コメディ作品として生まれ変わった。やっぱりタイムスリップには雷が必要と、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの作品を思い起こさせるが、ネタ的には十分満足だった。
1940年に東京オリンピックが予定されていたことも思い出させてくれたし、オリンピック自体が政治利用されるものだと訴えているようだった。AIによって職を奪われたりして貧富の差は拡大、、「改憲反対」とか「自衛隊の国軍化反対」と訴えるデモも弾圧されたり、警察の横暴さも描かれていた。特にマイナンバーによる管理社会に対しては強い嫌悪感も伝わってきた。また、謝罪会見を設ければ何でも許されるといった皮肉なんてのも笑えた。とにかく、この映画には現在の日本でもボーっと生きてたら大変なことになるという警鐘があるのだ。
さて、本題の麻雀についてですが、学生時代には音楽と麻雀ばかりしてた記憶しかないほどで、就活時、ある地元企業の面接で「最近読んだ本は?」と聞かれ、「麻雀放浪記」と答えてしまったほどです。もちろんその会社は落ちましたが、人間咄嗟の質問には馬鹿正直になるものだと、面接のロールプレイの必要性を痛感したものです。
1984年の映画もすっかり忘れてしまってましたが、九連宝燈を上がった瞬間に出目徳が死んでしまうシーンは忘れることもできない。そして「明日は雨かな」と呟く通しのサインを小松政夫が見事に再現してくれた、二の二の天和。ベッキー演ずるオックスママが哲に教える元禄積み。さらには燕返しなどのイカサマ技。何もかもが懐かしく感じられました。
一方、2020年パートではコメディ色全開!フンドシやシマウマには呆れてしまいましたが、岡崎体育演ずるドテ子の追っかけからサイバーテロリストというキャラやベッキーのAIロボットが非常に面白かった。さらにはドサ健(的場浩司)、出目徳が再び登場して爆笑。チャラン・ポ・ランタンのももも最後にはとても魅力的に感じられます。竹中直人はうざキャラ度満開だったけど、このクソ丸もドテ子も原作の風雲編から登場する重要人物だ。
「勝負しねえで生きる奴にできることはなぁ・・・長生きだけだ」「イカサマとインチキは違う」「金賭けないで麻雀する奴がどこにいんだよ」などなど名言もいっぱい。しかし、天和連続、役満連発、天気の話ばっかりになると大変なことになる!そんな面白さ爆発の中にもツッコミどころはあった。そこで一筒切る意味がないとか、三筒自摸って三筒切るとか、原作通りではあるがやっぱり九連は萬子で九面待ちにしてもらいたいとか・・・。いや、それよりも五筒が5枚あることに気づけよ(笑)。
余談ですが、その五筒といえば、勝新太郎主演の映画『顔役』では四筒に鼻くそを丸めて真ん中につけて五筒にするというシーンがあったことを思い出した。その勝新もコカインで逮捕されたことがあるというのは偶然か!?
プロット協力に片山まさゆきの名前を見つけて、コスプレ喫茶はまさにこれだなと確信。さらに彼のコミックにもよく登場しているバビィこと馬場裕一プロも解説者として出演していることにビックリ。脚本の中にチャーリー・ブラウン佐吉さんもいるし、なんだか麻雀好きには宝箱みたいな映画でした。ただ、個人的には博打は嫌いで、『咲』シリーズみたいな健全な麻雀が好きなため、マイナス1点なのです。
ラストのベッキーは何?という人も多いようですが、なんとなく雷に打たれた『ターミネーター』かな~という気がしました。やっぱり打たれ強いんですね・・・がんばれ!
★★★★
杜という名のオリンピック組織委員会の委員長。別にカットされてもストーリーに問題はないのだが、明らかに元首相のもりさんをモデルにしているのだ。もりさんの地元民ならばほとんどの人が知っている疑惑まで想像してしまい、ヒロポンを打つシーンには「これはやばいだろ」と感じてしまうくらいだった。タイミング的には4月10日に辞任した桜田大臣の名前があれば大笑いできたものの、ピエールに代役を充てる時間的余裕もないほどなんだからしょうがない。
ついでに言えば、自民党の有志議員による「自民党頭脳スポーツとしての健全で安全な麻雀を推進する議員連盟」(仮称)がこの映画の試写を行った際に「オリンピックが中止になるなんてけしからん」としたクレームを出したというのだ。なんというか、五輪中止よりも他にクレーム出すところがいっぱいあると思われるのだが・・・(笑)。
基本的には『麻雀放浪記』(1984)に惚れ込んでいた斎藤工のために作られたような内容で、さすがに名作を汚すわけにはいかないと、タイムスリップSFに大幅に改変して、風刺コメディ作品として生まれ変わった。やっぱりタイムスリップには雷が必要と、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの作品を思い起こさせるが、ネタ的には十分満足だった。
1940年に東京オリンピックが予定されていたことも思い出させてくれたし、オリンピック自体が政治利用されるものだと訴えているようだった。AIによって職を奪われたりして貧富の差は拡大、、「改憲反対」とか「自衛隊の国軍化反対」と訴えるデモも弾圧されたり、警察の横暴さも描かれていた。特にマイナンバーによる管理社会に対しては強い嫌悪感も伝わってきた。また、謝罪会見を設ければ何でも許されるといった皮肉なんてのも笑えた。とにかく、この映画には現在の日本でもボーっと生きてたら大変なことになるという警鐘があるのだ。
さて、本題の麻雀についてですが、学生時代には音楽と麻雀ばかりしてた記憶しかないほどで、就活時、ある地元企業の面接で「最近読んだ本は?」と聞かれ、「麻雀放浪記」と答えてしまったほどです。もちろんその会社は落ちましたが、人間咄嗟の質問には馬鹿正直になるものだと、面接のロールプレイの必要性を痛感したものです。
1984年の映画もすっかり忘れてしまってましたが、九連宝燈を上がった瞬間に出目徳が死んでしまうシーンは忘れることもできない。そして「明日は雨かな」と呟く通しのサインを小松政夫が見事に再現してくれた、二の二の天和。ベッキー演ずるオックスママが哲に教える元禄積み。さらには燕返しなどのイカサマ技。何もかもが懐かしく感じられました。
一方、2020年パートではコメディ色全開!フンドシやシマウマには呆れてしまいましたが、岡崎体育演ずるドテ子の追っかけからサイバーテロリストというキャラやベッキーのAIロボットが非常に面白かった。さらにはドサ健(的場浩司)、出目徳が再び登場して爆笑。チャラン・ポ・ランタンのももも最後にはとても魅力的に感じられます。竹中直人はうざキャラ度満開だったけど、このクソ丸もドテ子も原作の風雲編から登場する重要人物だ。
「勝負しねえで生きる奴にできることはなぁ・・・長生きだけだ」「イカサマとインチキは違う」「金賭けないで麻雀する奴がどこにいんだよ」などなど名言もいっぱい。しかし、天和連続、役満連発、天気の話ばっかりになると大変なことになる!そんな面白さ爆発の中にもツッコミどころはあった。そこで一筒切る意味がないとか、三筒自摸って三筒切るとか、原作通りではあるがやっぱり九連は萬子で九面待ちにしてもらいたいとか・・・。いや、それよりも五筒が5枚あることに気づけよ(笑)。
余談ですが、その五筒といえば、勝新太郎主演の映画『顔役』では四筒に鼻くそを丸めて真ん中につけて五筒にするというシーンがあったことを思い出した。その勝新もコカインで逮捕されたことがあるというのは偶然か!?
プロット協力に片山まさゆきの名前を見つけて、コスプレ喫茶はまさにこれだなと確信。さらに彼のコミックにもよく登場しているバビィこと馬場裕一プロも解説者として出演していることにビックリ。脚本の中にチャーリー・ブラウン佐吉さんもいるし、なんだか麻雀好きには宝箱みたいな映画でした。ただ、個人的には博打は嫌いで、『咲』シリーズみたいな健全な麻雀が好きなため、マイナス1点なのです。
ラストのベッキーは何?という人も多いようですが、なんとなく雷に打たれた『ターミネーター』かな~という気がしました。やっぱり打たれ強いんですね・・・がんばれ!
★★★★
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