どこでピアノを習ったの?・・・日本、山下洋輔先生のところで・・・
下劣な音楽はやめなさい!と、きつい言葉を投げかけるトラウデ・クリューガー(モニカ・ブライブトロイ)先生。その下劣な音楽を愛してやまない者にとっては当然ジェニーに肩入れしてしまうのですが、思いだすのは池田理代子著の「オルフェウスの窓」。天才的ピアニストでありながら生活のために酒場で庶民向けの曲を演奏するイザークの姿が忘れられなかったりします。
物語は殺人犯として収監されているジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)のピアニストとしての才能を見出したクリューガーが彼女をコンテストで優勝させようとするもの。囚人から成り上がる物語といえばほとんどがボクシングだったりするので、それだけで新鮮。しかもレッスンを始めようとした途端に暴力事件を起こして独房に入れられたりするのです・・・
前半では、ジェニーが手錠をかけられたまま後ろ向きで演奏するシーンが圧巻。もしやエルトン・ジョンとかキース・エマーソンンにも師事したのですか?と訊ねてみたくなったほどです。そこからは自分の好きな音楽を押し殺してまで、シューベルトやベートーベンを練習するジェニー。このままでいいのか?などと、低俗音楽ファンとしてはヤキモキしてしまいます。
先生と生徒の葛藤は凄まじいものだったし、クリューガーに心を開いてゆくジェニーの心理描写も絶妙。ただ、このままジェニーが主人公になってしまうのならありふれたサクセスストーリーになりがちなのですが、徐々にクリューガー先生の過去が明かされていきます。序盤にもナチスを憎み続けている彼女の言動が見られたのですが、戦時中には看護婦として活躍していたこともありユダヤ人でもなさそう。独身を貫いたことにも意味がありそう・・・などと、スクリーンの中の若いクリューガーと老けメイクを施された彼女にぐいぐい引き込まれてゆくの。
ダンスシーンやキスシーンによって心を打ち融けあった2人にも和まされ、ピアノコンテストの予選を勝ち上がっていくにつれ、そのベタなところに高まった鼓動もダウンし始めた。養父に犯された話や、その養父がジェニーの無実を訴えるシーンがあっても、最後のコンテストに期待できなかったのです。「へ~、シューマンを選んだのか」と冷静に観てしまったくらいです。しかし!
4分間の演奏は度肝を抜くパフォーマンスでした。最後まで諦めないで観ていてよかったと思える瞬間。だから映画ファンはやめられない。決してラストの音楽が素晴らしいとは言わないけど、鬱屈していた彼女の心の自由を解き放った瞬間。呆気にとられていた観客と同様、演奏が終わって数秒たってから、心の中で拍手を送っていました・・・
★★★★★
下劣な音楽はやめなさい!と、きつい言葉を投げかけるトラウデ・クリューガー(モニカ・ブライブトロイ)先生。その下劣な音楽を愛してやまない者にとっては当然ジェニーに肩入れしてしまうのですが、思いだすのは池田理代子著の「オルフェウスの窓」。天才的ピアニストでありながら生活のために酒場で庶民向けの曲を演奏するイザークの姿が忘れられなかったりします。
物語は殺人犯として収監されているジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)のピアニストとしての才能を見出したクリューガーが彼女をコンテストで優勝させようとするもの。囚人から成り上がる物語といえばほとんどがボクシングだったりするので、それだけで新鮮。しかもレッスンを始めようとした途端に暴力事件を起こして独房に入れられたりするのです・・・
前半では、ジェニーが手錠をかけられたまま後ろ向きで演奏するシーンが圧巻。もしやエルトン・ジョンとかキース・エマーソンンにも師事したのですか?と訊ねてみたくなったほどです。そこからは自分の好きな音楽を押し殺してまで、シューベルトやベートーベンを練習するジェニー。このままでいいのか?などと、低俗音楽ファンとしてはヤキモキしてしまいます。
先生と生徒の葛藤は凄まじいものだったし、クリューガーに心を開いてゆくジェニーの心理描写も絶妙。ただ、このままジェニーが主人公になってしまうのならありふれたサクセスストーリーになりがちなのですが、徐々にクリューガー先生の過去が明かされていきます。序盤にもナチスを憎み続けている彼女の言動が見られたのですが、戦時中には看護婦として活躍していたこともありユダヤ人でもなさそう。独身を貫いたことにも意味がありそう・・・などと、スクリーンの中の若いクリューガーと老けメイクを施された彼女にぐいぐい引き込まれてゆくの。
ダンスシーンやキスシーンによって心を打ち融けあった2人にも和まされ、ピアノコンテストの予選を勝ち上がっていくにつれ、そのベタなところに高まった鼓動もダウンし始めた。養父に犯された話や、その養父がジェニーの無実を訴えるシーンがあっても、最後のコンテストに期待できなかったのです。「へ~、シューマンを選んだのか」と冷静に観てしまったくらいです。しかし!
4分間の演奏は度肝を抜くパフォーマンスでした。最後まで諦めないで観ていてよかったと思える瞬間。だから映画ファンはやめられない。決してラストの音楽が素晴らしいとは言わないけど、鬱屈していた彼女の心の自由を解き放った瞬間。呆気にとられていた観客と同様、演奏が終わって数秒たってから、心の中で拍手を送っていました・・・
★★★★★
と言うほど、私もラストに感動した一人です。
当方では、昨年末公開だったのですが、決してメジャー作品ではないにもかかわらず、周りの評判も熱く、ちょっとだけ延長上映になりました。
不幸の連続で自暴自棄になっていた彼女ですが、ピアノにまつわる辛い記憶を持ちながらも、ピアノを弾きたい!ピアノで語りたい!という願いの強さに鳥肌でした。
幻魔大戦
いや、ELP!
評価高いですね(^^)
ラストの4分間は本当に凄かったぁ。
あの演奏は色んな意味で衝撃でした。
いやはや、ピアニストとタイトルにつく映画はほとんどが高評価してしまうkossyです。
ラストはさすがに呆気にとられてたんですけど、進むにつれ、あ、これが彼女自身なんだと気づき・・・立ち上がってヘッドバンキングしたくなったほどです。
ほんとは先生だって戸惑ったに違いない。でもこれが観衆にも受け入れられたんだって・・・うう、すごい。
本音として、無実であってほしくなかったりして・・・わかんないけど・・・
>八ちゃん様
キース・エマーソンのプロモフィルムが凄かったことを思い出したんです。オルガンにナイフを刺したりする演奏なんて狂気の沙汰ですよね♪
さすがに囚人だけあって、ナイフは持たせてもらえなかったようですけど・・・
>non様
衝撃的でしたね~
まさかあんな展開にするとは!
普通なら見事にシューマンをこなして、拍手喝采。
あの演奏だけもう一度観たくなってるkossyです。
あちこちで評価高いんですよね~。
イオン三川では2~3月に単館系や公開時期がずれた作品を
期間限定で数本上映してます。
が!!本作品は入ってません。
酒田ロケの「シルク」も2/15でひっそり終了。
もう少し様々な作品に力を入れて欲しいです。。
実はこれ、イオン金沢での鑑賞です。
支配人の趣味や情報収集によって上映されるかどうか決まる枠だと思うので、さくらを頼んで直接問い合わせするとかすれば考えが変わるかも~~です。
この映画は絶対に映画館のほうがいい!
音響設備のいいイオンシネマならなおさらのこと・・・
ただ、賛否両論ですので、彼女の低俗な音楽が好きになれるかどうかがポイントかなぁ・・・
4分とはいわず、もっと聞かせて欲しかったです。現代音楽は低俗ではないですよねー。生で聴くとその迫力に圧倒されて立ち上がれませんですよ。
私も映画ファンはやめられそうにないですw
さすがに警察を引きとめるにはそのくらいの時間じゃないと無理なのかも・・・
最後は現代音楽と言えるのかもしれないけど、かなりポップなコード弾きがあったし、かなり俺好み♪
最近、コンサートそのものを何も経験してないので、どんなミュージシャンを観ても腰抜かすかも・・・
4分以上聞いていたかった、
クラシックも好きだけれど、
あんな演奏見せられたら
低俗なんて言えなくなりますよ
身は囚われても心は囚われないぞ
そういう気迫と師への感謝の
お辞儀の眼差しが忘れられない
まさしく魂の叫びでしたね~
不幸があってからコンテストまで溜まっていたものが一気に噴き出した感じ。
お辞儀の眼差しってのは、なんだかもっと奥深いものがあるような気もするんですけど、クリューガーの笑顔によってすべて和解。
師さえも認めたんだから、あの後は才能だけじゃなく人間としても理解しあえるのだと想像できて、なんだか暖かくもなりますよね。