ホラー映画の皮をかぶったバカ映画ではなく、バカ映画の皮をかぶった青春映画だった?
オープニングはいきなり不自然な時代劇風となっていて度肝を抜く。なにしろお江戸セットに高校生、それにチェーンソーを振り回す黒頭巾の大男。これはオバカ映画に違いない!と早くもウキウキ態勢に突入となるのです。
主人公の高校生・山本陽介には市川隼人。成績も最悪なら、何かを成し遂げなければと気が焦るばかりで、ついつい堂々と万引きしてしまう始末。これがオーストラリア産牛肉だったら単なる精神的病によるものと片づけられそうなのに、盗んだのは高級和牛8400円分なのだ。本当にバカ・・・バカを演じたら天才的な市川隼人だ。そんなバカが目撃したのはチェーンソー男と戦う女子高生・雪崎絵里(関めぐみ)。助けようとするものの、逆に助けられ、おまけに化け物にも逃げられてしまうのだ。
毎夜同じように戦う絵里の手伝いをした後は、学生寮に戻って渡辺(浅利陽介)と一緒にくつろぐ時間だ。カメラ、絵画、小説、バンド、と開花しない芸術家気取り。ネガティブな山本とは異なり、何かを追い求めてる姿は対照的でもあるが、人生の目標を探すべくもがいている点では同じなのです。「根性がない」と自己弁護するのが口癖の山本。学校の先生(板尾創路)も言うように「今の若者は反抗しようとしない。反抗したって変わらないことを知っている」と、引きこもり傾向にある若者気質を言い当てている。
オバカ映画だと思っていたのに、実は青春映画だった・・・。市川、関の2人が自転車2人乗りなどという構図が象徴するように、ちょっぴり淡い恋心、そして悩める高校生像がメインとなっていました。それでもチェーンソー男との戦いは何度も登場し、バカっぷりも発揮しています。市川がカメラの一脚を武器にし、関は木刀、窓ふき棒、ゴルフクラブと次々武器を変えていくところが面白いのです。手裏剣しか相手に当たらなかったですけど・・・
で、そんな青春映画なのにチェーンソー男登場ってのはいったい何だったのだ?ファンタジー映画のように夢や妄想ととらえてもいいのかもしれないし、大切な人の死(ちなみに市川の友人・三浦春馬は最初から死んでいる)がもたらした、解き放たなければならない呪縛のようなものだったのか。彼ら心に巣食う闇のメタファーとしての存在が最初は大きく感じられるものの、次第にそれが越えるべき壁としか思えなくなってくるのです。
どちらかというと小説向きの精神的世界だったのに、CGやアクションなど、映像も頑張っていました。なぜだか彼らの寮や部室(?)が好き・・・というより、自分の趣味にも当てはまるような小物ばかり。パソコンの画面にあったDAWソフトは何だ?と凝視してしまいました・・・
★★★・・
オープニングはいきなり不自然な時代劇風となっていて度肝を抜く。なにしろお江戸セットに高校生、それにチェーンソーを振り回す黒頭巾の大男。これはオバカ映画に違いない!と早くもウキウキ態勢に突入となるのです。
主人公の高校生・山本陽介には市川隼人。成績も最悪なら、何かを成し遂げなければと気が焦るばかりで、ついつい堂々と万引きしてしまう始末。これがオーストラリア産牛肉だったら単なる精神的病によるものと片づけられそうなのに、盗んだのは高級和牛8400円分なのだ。本当にバカ・・・バカを演じたら天才的な市川隼人だ。そんなバカが目撃したのはチェーンソー男と戦う女子高生・雪崎絵里(関めぐみ)。助けようとするものの、逆に助けられ、おまけに化け物にも逃げられてしまうのだ。
毎夜同じように戦う絵里の手伝いをした後は、学生寮に戻って渡辺(浅利陽介)と一緒にくつろぐ時間だ。カメラ、絵画、小説、バンド、と開花しない芸術家気取り。ネガティブな山本とは異なり、何かを追い求めてる姿は対照的でもあるが、人生の目標を探すべくもがいている点では同じなのです。「根性がない」と自己弁護するのが口癖の山本。学校の先生(板尾創路)も言うように「今の若者は反抗しようとしない。反抗したって変わらないことを知っている」と、引きこもり傾向にある若者気質を言い当てている。
オバカ映画だと思っていたのに、実は青春映画だった・・・。市川、関の2人が自転車2人乗りなどという構図が象徴するように、ちょっぴり淡い恋心、そして悩める高校生像がメインとなっていました。それでもチェーンソー男との戦いは何度も登場し、バカっぷりも発揮しています。市川がカメラの一脚を武器にし、関は木刀、窓ふき棒、ゴルフクラブと次々武器を変えていくところが面白いのです。手裏剣しか相手に当たらなかったですけど・・・
で、そんな青春映画なのにチェーンソー男登場ってのはいったい何だったのだ?ファンタジー映画のように夢や妄想ととらえてもいいのかもしれないし、大切な人の死(ちなみに市川の友人・三浦春馬は最初から死んでいる)がもたらした、解き放たなければならない呪縛のようなものだったのか。彼ら心に巣食う闇のメタファーとしての存在が最初は大きく感じられるものの、次第にそれが越えるべき壁としか思えなくなってくるのです。
どちらかというと小説向きの精神的世界だったのに、CGやアクションなど、映像も頑張っていました。なぜだか彼らの寮や部室(?)が好き・・・というより、自分の趣味にも当てはまるような小物ばかり。パソコンの画面にあったDAWソフトは何だ?と凝視してしまいました・・・
★★★・・
そういえばオチも正統派のオチだったかな。それとなくわかるような伏線もあったし。
記事には若者気質と書いてしまったけど、“引きこもりがちな”と付け加えたほうがよかったのかな。身近な人の死をメインにしてるのは、前向きになるための契機になるんだし、しょうがない設定なのかもしれませんね。
たしかに、高校生には丁度いい映画なんじゃないでしょうか。
そして、引きこもりがちの若者も必見!
俺なんてまだチェーンソー男を倒していませんよ。現れてもくれないし・・・(汗)
主人公と同じ高校2年の娘と観て来ました。
私はやっぱり高校生じゃないからねーという感想でしたが、娘には相当良かったみたいです。
彼女も最近になって、ようやくチェーンソー男を倒せたみたいなので…
大転倒とは「銀色のシーズン」ですね?(笑)
あまり観る気もおきないのですが、好きな田中麗奈が出てるのなら、いつかは・・・
この映画で難しい扱いなのがタイトルのチェーンソー男ですもんね。彼に負けてしまうこと=死・・・そう考えられなくもない。自殺願望こそないけど、生きる目的を失っていれば誰にでもそういった妄想があるのかもしれません。
根性無しの陽介だったら、2人の今後も心配になってくるような・・・うまくいくのかな~
2008年の開幕で大転倒した直後がこの作品だったので正直どう理解しようと思いましたが、ストーリーは○蹴りに免じて減点縮小として、心理面で観ると絵理の心理がチェーンソー男を生み出したというのが心理面から理解する事はできました。あの境遇ならその気持ちもわからなくはないですね。ただこれを救ったのが根性なしの陽介とは今後の2人は間違いなく陽介が絵理の尻に敷かれる事でしょう。
ある意味、意外性があった・・・と言っていいのでしょうか、悩むところです。でも、やっぱりバカ映画に作り上げてほしかったですね~
俺も「虹の女神」を思い出しましたよ。予告編で上野樹里を見たばかりだったし(笑)
これ、忘れちゃいそうな映画最有力!
市川くんの語り口で描かれていくあたりも、いい雰囲気で何故か「虹の女神」を思い出しちゃうし、主演の二人で映画をちょっとは格上げしてるような気もします。
それにしても市川くんは優柔不断な役が絶妙に似合いますね♪