こんな殺伐とした国なんて・・・やっぱり地球人は理解できない。
「私は宇宙人ジョーンズ。シェリフをしながらこの惑星を調査している」と、最近のトミー・リー・ジョーンズでは見せなかった宇宙人らしさが出ていた。もっとも、宇宙人とバレちゃいけないのでこんなセリフはないのですが、危険に晒されているモス(ジョシュ・ブローリン)の妻カーラ(ケリー・マクドナルド)に対してわけのわからない牛話をするなんてのは宇宙人そのものだ。
最近、今更集めてもコンプリートできるわけじゃないのに、ミニカーがオマケについてる缶コーヒーのB○SSを飲むようになったのですが、甘くて死にそうです。まぁ、1週間前に淹れたコーヒーよりはマシですが・・・などと考えているうちに、コーヒーやミルクを飲むシーンはあっても酒を飲むシーンがなかったので、本当はノーカントリーじゃなくてノーサントリーにしたかったのじゃないか?と疑念がよぎってしまう。終盤は「肩に弾が当たった」という台詞が象徴するように肩透かしを喰らったように感じる方も多いと想像できるし、慌ててカンヌに間に合わせたかったんじゃないかと思わせるほどの展開。でも、ノーエントリーのままじゃいけないし・・・
老人には住みにくい国だという原題の意味。時代はいつの頃なのか?と映画に集中していると、「1958年製造のコインが22年旅をして・・・」と算数の計算をさせられる。老人には暗算は厳しいんじゃよ!!と、嘆きつつも、酸素ボンベを持ったハビエル・バルデムの冷酷な殺し屋ぶりに神経がピリピリさせられる。家に押し入る時には容赦ナシ!シリンダーごと圧縮空気でぶっ飛ばすのだ。「何しりんだー?!」などと叫ぶ暇もなく被害者はどんどん増えてゆく・・・
恐怖と緊張感の連続がありながらも、コーエン作品らしく意味のない台詞にクスリと笑わせられる。また、妙なこだわり・・・新しい白のソックスが好きなモスや靴下を叩きつけるように脱ぐシガー。パイプが多いテントを買って武器にするんじゃないかと思わせて、鞄を引っ張るためだけだったり。人の服を買うところは対になっていたけど、とにかく登場人物の行動が興味深いのです。そして、洒落た音楽は一切排除して、効果音にも異常なこだわりがあったように思える(たとえば、冷蔵庫を開けて、ジーっと電気音がするとか)。
とにかく殺しがいっぱい。シガーは精神異常というよりも、人の命の重さだけがわかっていないのでしょう。それは自分に対してもそうであり、受けた傷が大きくても、ターミネーターのように自分で治療してしまうくらいなのです。一方、偶然200万ドルという大金を手にしたモスには、水を飲ませてやるという仏心によって不幸が始まった。米国が戦争の道を突き進んだために凶悪犯が増えた必然に比して、ちょっとした善の心によって凄惨な殺し合いに巻き込まれるという、なんとも皮肉な描き方!小市民な者としてはモスの気持ちが十分に伝わってきましたけど・・・やっぱり終盤が・・・
★★★★・
「私は宇宙人ジョーンズ。シェリフをしながらこの惑星を調査している」と、最近のトミー・リー・ジョーンズでは見せなかった宇宙人らしさが出ていた。もっとも、宇宙人とバレちゃいけないのでこんなセリフはないのですが、危険に晒されているモス(ジョシュ・ブローリン)の妻カーラ(ケリー・マクドナルド)に対してわけのわからない牛話をするなんてのは宇宙人そのものだ。
最近、今更集めてもコンプリートできるわけじゃないのに、ミニカーがオマケについてる缶コーヒーのB○SSを飲むようになったのですが、甘くて死にそうです。まぁ、1週間前に淹れたコーヒーよりはマシですが・・・などと考えているうちに、コーヒーやミルクを飲むシーンはあっても酒を飲むシーンがなかったので、本当はノーカントリーじゃなくてノーサントリーにしたかったのじゃないか?と疑念がよぎってしまう。終盤は「肩に弾が当たった」という台詞が象徴するように肩透かしを喰らったように感じる方も多いと想像できるし、慌ててカンヌに間に合わせたかったんじゃないかと思わせるほどの展開。でも、ノーエントリーのままじゃいけないし・・・
老人には住みにくい国だという原題の意味。時代はいつの頃なのか?と映画に集中していると、「1958年製造のコインが22年旅をして・・・」と算数の計算をさせられる。老人には暗算は厳しいんじゃよ!!と、嘆きつつも、酸素ボンベを持ったハビエル・バルデムの冷酷な殺し屋ぶりに神経がピリピリさせられる。家に押し入る時には容赦ナシ!シリンダーごと圧縮空気でぶっ飛ばすのだ。「何しりんだー?!」などと叫ぶ暇もなく被害者はどんどん増えてゆく・・・
恐怖と緊張感の連続がありながらも、コーエン作品らしく意味のない台詞にクスリと笑わせられる。また、妙なこだわり・・・新しい白のソックスが好きなモスや靴下を叩きつけるように脱ぐシガー。パイプが多いテントを買って武器にするんじゃないかと思わせて、鞄を引っ張るためだけだったり。人の服を買うところは対になっていたけど、とにかく登場人物の行動が興味深いのです。そして、洒落た音楽は一切排除して、効果音にも異常なこだわりがあったように思える(たとえば、冷蔵庫を開けて、ジーっと電気音がするとか)。
とにかく殺しがいっぱい。シガーは精神異常というよりも、人の命の重さだけがわかっていないのでしょう。それは自分に対してもそうであり、受けた傷が大きくても、ターミネーターのように自分で治療してしまうくらいなのです。一方、偶然200万ドルという大金を手にしたモスには、水を飲ませてやるという仏心によって不幸が始まった。米国が戦争の道を突き進んだために凶悪犯が増えた必然に比して、ちょっとした善の心によって凄惨な殺し合いに巻き込まれるという、なんとも皮肉な描き方!小市民な者としてはモスの気持ちが十分に伝わってきましたけど・・・やっぱり終盤が・・・
★★★★・
いやー、「ノーカントリー」でこんな面白いレビューにあたるとは思っていませんでした。
コーエン兄弟もさすがですが、kossyさんもすごいです。
トミー(警官・公務員)同様、国境警備隊は、ベトナム帰還兵というだけで、病院のガウン姿の明らかな異常者に敬意まで示し入国させる。
古い観念に固執し、時代や社会の変化についてゆけず、目の前のモノが見えず、職場・家庭に居場所を失う男達。
銃・麻薬・凶悪犯罪が満煙し、善意は裏切られ、子供・若者は怪我人に服やビールを売りつけ、血ミドロなお金を喜ぶ。
いくらコレがアメリカの現状でも、暗すぎて・・多数の受賞は疑問です。
「またくる」
「お前の服とオートバイをよこせ」
「地獄で会おうぜベイビー」
などなど意訳っぷりもふくめて名台詞の多いおタミさんでしたが、本作のシガーさんもいい台詞が多かったです。
「CALL IT FRIEND-O」はしばらく使って遊べそうです
治療シーンに私もターミネーターを感じました。
シガーさんは未来のコンピュータが間違って1980年に送り込んだマシーンだという噂もあります。ターゲットが見当たらずそのまま80年のアメリカ南部に順応してしまったらしいです。
旧型なので少しずんぐりむっくりしているようです。
宇宙人から見ても連続殺人事件は不可解だったと思います。どんな敵だかわからないけど、とにかく被害者を出したくない思いでいっぱいだったことでしょう。
子供たちが金で言い争うシーンもそうだったし、国境付近で「ビールもくれ!」「How much?」という会話もありましたよね。
犯罪者でなくても金が中心の世界。一般市民だって似たようなものだと言いたかったのでしょうかね~
>くまんちゅう様
すみません・・・シリンダーは余計でした(笑)
普段から俺は鍵に無頓着なもんで・・・決して本意ではなかったんです(汗)
>mig様
これもbossの缶コーヒーを毎日飲んでたせいです。
お金を諦めても、結局は殺される運命でしたからね~諦めても殺されると感じ取っていたのかもしれません。
殺し屋としての自尊心を傷つけられたと感じたからなんでしょうか、とにかく恐ろしい男でした。
俺は2回目鑑賞~久しぶりに同じ映画を2回観ました。
>ぱたた様
俺もイオン金沢での鑑賞です!
しかし、ポスターは要らないので応募せず・・・2枚も半券があったのにな~(汗)
コーエン作品は結構好きなんですけど、なんだか奥が深くて、単純に楽しめるものじゃなかったような。そのため2回も観ちゃいました。
1回目は恐怖を味わうため、2回目は監督の真意を見抜くため・・・
>hanako様
ハッキリ言って、わけのわからない終わり方にして、わざと難しく作ってあったような。ただ、この難解さがアカデミー会員にウケたんでしょうね~
老シェリフは結局、殺人鬼を捕まえることができないこともタイトルの意味になってるのかと思うし、単純にクライムサスペンスをメインにして、暗喩などがいっぱり含まれていたような・・・まぁ、いろんなとらえ方ができそうですね・・・
>ルナ様
命の重さが感じられませんよね~
最初のハンティングシーンだとか、トミー・リーの牛の話だとか、動物の命の軽さなんかもメタファーとして言っていたのかもしれません。
ともかく、あのシガーは怖かった!
今後、ボンベを見る度に思い出しそうです・・・
バルデム怖かったし、お金なんて諦めてさっさと逃げればいいのに、ジョシュブローリンもよかったです
この人と、トミーリーはハギスの新作『告発のとき』にも出てましたヨ。
こっちの作品の方がわたしは好みです。
お見事な韻律、駄洒落しか言えない世の親父どもに見せてやりたい、何シリンダー以外は。
今までのシリーズで一番奇妙な星だと思ったでしょうね。
私は最後の子供のシーンの台詞が一番印象に残りましたね。最初は金を遠慮していたのに、シガーが立ち去ると、金の取り合いをしてましたね。
「シャツをあげたのは僕だ」とか・・・
シガーがどうなるかよりも、あの行為で、また、金にまつわる争いを残してしまったのですね。
子供たちの行く末が心配でした。
あのボンベを改良したスタンガンで、
ドアのカギ穴も人の額も、スパーン!スポーンと
打ち抜いていくのは、怖かったです。
たしかに命の重さは、まったく感じていませんでしたよね~。
感情がないのが、不気味さを増していました。
ただ、ラストがなあ・・・・・って私も思います!
ハリウッドの関係者もみーんなそう思ったと私は思いたいです。
トミー・リー・ジョーンズのたそがれシェリフも味があったし、バルデムの問答無用の怖さも迫力ありました。でも、二人は結局会いませんでしたね。
イオンシネマ全店で上映、ハビエル・バルデムサイン入り
ポスタープレゼント等、イオンシネマで押してるようです。
コーエン兄弟作品って「ファーゴ」「バートンフィンク」しか
観ていませんが、相変わらずブラック過ぎるブラックユーモア
満載のようですねェ。
会社からイオン三川迄45分、帰り自宅迄1時間半、自転車漕いで
観に行く予定はしております。。
なんかポスターも不気味やね~~