『赤毛のアン』をモチーフとしながらも、暗さは『フランダースの犬』以上・・・
初子(東亜優)は中三。幼い頃に父は蒸発、母親も亡くなり、兄克人(塩谷瞬)とアパートで二人暮し。ラーメン屋でバイトしてたけど、きびきびしてないという理由でクビ。恋心をよせる三島くん(佐野和真)と同じ高校に進学したいけど、兄は就職してもらいたいと思ってる。そんなとき、兄は工場でケンカしてクビ・・・進学を諦めてしまう。
どん底人生という点では、カウリスマキの敗者三部作にも負けないくらいに希望の光が見えてこない。優しそうな人も周りに現れるのですが、これがまたクセモノだったり、学校の担任(坂井真紀)に至っては、完全に教育を無視してしまっている。ドジで内気な性格の初子にとっては、担任が反面教師であったり、生徒の私生活にずけずけと乗り込んでいないところも幸いする。しかし、「誰か助けてくれると思ってるの?」という彼女の言葉に愕然とし、上手くいくわけがないと思っていた『赤毛のアン』のハッピーエンドだって確信してしまうのです。
嫌いだった『赤毛のアン』の本もボロボロになるまで読み込んでいるのは亡き母親が好きだったため。おかげで妄想癖も身についてしまっているし、心のどこかに期待している部分があったように思います。観客は「頑張れ」と手に汗握るのかもしれないけど、貧乏なものはしょうがないという諦めが感じられる・・・しかし、白馬の王子様が・・・と。
教師のだらしなさや、周りの大人の身勝手さ、それに貧乏な者は這い上がることもままならないという描写。かなり辛らつに世の中を風刺しているし、暗いながらも仄かに希望を持たせているところが憎い。最初は兄と妹の二人暮しだから、もっとヘンテコな方向に行くかとも思わせるところもいい。脇を固める俳優もいいのです。特に大杉漣とか・・・。タナダユキって監督は知らなかったけど、なんだか凄いぞ
★★★★・
初子(東亜優)は中三。幼い頃に父は蒸発、母親も亡くなり、兄克人(塩谷瞬)とアパートで二人暮し。ラーメン屋でバイトしてたけど、きびきびしてないという理由でクビ。恋心をよせる三島くん(佐野和真)と同じ高校に進学したいけど、兄は就職してもらいたいと思ってる。そんなとき、兄は工場でケンカしてクビ・・・進学を諦めてしまう。
どん底人生という点では、カウリスマキの敗者三部作にも負けないくらいに希望の光が見えてこない。優しそうな人も周りに現れるのですが、これがまたクセモノだったり、学校の担任(坂井真紀)に至っては、完全に教育を無視してしまっている。ドジで内気な性格の初子にとっては、担任が反面教師であったり、生徒の私生活にずけずけと乗り込んでいないところも幸いする。しかし、「誰か助けてくれると思ってるの?」という彼女の言葉に愕然とし、上手くいくわけがないと思っていた『赤毛のアン』のハッピーエンドだって確信してしまうのです。
嫌いだった『赤毛のアン』の本もボロボロになるまで読み込んでいるのは亡き母親が好きだったため。おかげで妄想癖も身についてしまっているし、心のどこかに期待している部分があったように思います。観客は「頑張れ」と手に汗握るのかもしれないけど、貧乏なものはしょうがないという諦めが感じられる・・・しかし、白馬の王子様が・・・と。
教師のだらしなさや、周りの大人の身勝手さ、それに貧乏な者は這い上がることもままならないという描写。かなり辛らつに世の中を風刺しているし、暗いながらも仄かに希望を持たせているところが憎い。最初は兄と妹の二人暮しだから、もっとヘンテコな方向に行くかとも思わせるところもいい。脇を固める俳優もいいのです。特に大杉漣とか・・・。タナダユキって監督は知らなかったけど、なんだか凄いぞ
★★★★・
浅田美代子さんにはまんまとやられちゃいました。アレは見事なキャスティングだと思います。
たしかに上手いキャスティング!
あの1万円のお礼とか、どうするのかな~なんて見てたのですが、あんな展開になるなんて・・・
「赤毛のアン」に対する想いは、実際にはどうだったんだろう。最後にまた同じ本をプレゼントされたりして・・・本当は別の本のほうが良かったんじゃないだろうか・・・スピンオフの映画よりも、続編のほうが面白かったりして・・・
「金、金、金・・・」と呟きながら歩く初子は印象的でした。
尻出し坂井真紀先生は「そんなヤツおれへんやろ」と大木こだま状態でしたが、いろんな面でナイスキャラでした。
たぶんないでしょうが、続編は気になります。大阪に行った初子は、ドジなキャバクラ嬢になり、そして三島君と再会・・・っとベタなこと妄想してます。
ドジでけな気な初子ちゃん、お兄ちゃんに襲われなかったもんだ(笑)
俺だって貧乏だけど、ここまでとは・・・と、俺にも未来があるんじゃないかと希望を持てました!
坂井真紀も凄いですよね。前に観たのは「青春金属バット」だったかなぁ・・・体当たり演技というか、汚れキャラ演技というか、とにかく凄い。
続編ないんですね・・・残念。
ベタなストーリーになるんだろうけど、脇キャラが面白そうですよね。大木こだまを出演させるとか・・・
まぁ、これも漫画原作のようですが・・・。
貧乏美少女って、妙に胸キュンしてしまいます。
あっ、方言美少女も、ええ~わ~
時代に即した映画・・・(笑)
まぁ、俺も貧乏でなかなか這いあがれない状況ではありますが、ここまで悲惨だと・・・
そろそろネットカフェ難民の映画も登場しそうですけど、時代を風刺した映画はいいものです。
胸キュンとなるのはいいけど、「おじさんがお小遣いあげようか?」などと声をかけないようにしてくださいね・・・
ドロドロの人間関係。
難病。
しかし、健気に、逞しく、生きる。
誰かに救われる。
成功する。
死ぬ。
涙を誘われる。
勇気がわく。
という作品ではない。
『誰も知らない』ほど幼くもない。
落ちるだけ落ちるわけでもない。
お兄ちゃんや彼氏に保護され、淡い期待を抱き、依存、寄生するヒロイン初子。
ソレに対し、
浅田さんの電話がないと聞いた直後の豹変ぶり、坂井さんのオシリ、自販の下をアサル浮浪者大杉さんの演出はインパクト大。
ヌル~イヒロインとピリッとした大人達。
現実的だけど非現実的。これは新感覚?
イマイチ消化不良です。
あれ~~そうだったんですね。
『さくらん』は全く評価できなかったので、落差が激しいなぁ・・・というか、低予算のほうが彼女にあってるのかもしれませんね。
全体的には物足りない部分がありますけど、今後もこの路線で作ってくれると面白いな~
非現実的な部分も多いけど、なんとなく社会悪をしっかりとらえているような気も・・・
『16』ではタナダユキ監督ご出演『赤い団地の初子』を撮影、東亜優さんは初子を演じる新人女優役。
『さくらん』では、激しく、逞しく生きる主人公でしたが、本作と2作品は、感受性や表情も乏しく、表現力もない、目標や、どう生きるかなんて考えていない若者達が主人公。
ダメダメで非情な大人・社会・世間は共通。
現代の若者は未熟ということなのか?傷付かない為の防御策、護身術なのか?
薄いフィルターを一枚破れば放り出される社会の一歩手前世代。
ソレでイイから、恋しろ、生きろ、というメッセージもあるのカナ~と思いました。
そんなのがあるんですかぁ・・・
ダメダメな大人と感受性乏しい若者だなんて、想像がつかない世界ですけど、ひょっとするとそれが現実なのかな。
観てないので何ともコメントできませんが・・・