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ルネッサンス

2007-09-18 01:14:11 | 映画2007
 研究員が誘拐されるという難事件。犯人は白黒つけがたい・・・

 新世代映像“デジタル・モーション・グラフィック”を体験してきました。モーション・キャプチャーの俳優名もクレジットされていたし、登場人物の動きはとてもリアル。ゼメキスがやってのけたアニメから彩度を無くしてしまっただけなのか?と考えてもみるのですが、主役級の人はみなアメコミキャラのようなマンガチックさが感じられるのです。

 近未来の映像は、『マイノリティ・リポート』に出てきたようなハイテク機器がみなモノトーンになっているし、ホログラムや透明化する人間(ステルス・スーツ?)が不気味に映像に溶け込んでしまっている。監督が『AKIRA』(じいさんと早老病)や『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の影響も受けていると語っているし、『ブレードランナー』や『シンシティ』にも雰囲気を似せてある。また、1950年代のフィルム・ノワールを基本にして、現代社会の不安要素を浮き彫りにさせているため、人間の温かさはなかなか感じられない。被害者の姉ビスレーンやムラー博士に感情移入させることだってできたのに・・・

 2Dの絵に欠かせない輪郭の線。それを排して、光と影が3D感を一層高めてくれる。そして、この輪郭の欠如が不安感を煽り、サスペンス度をも増しているのです。唯一人間の温かさが感じられるのは、老人たちの皺の影だったりするのですが、不老不死を求めてやまない女性研究員と対照的なのが面白い。不老不死を悪事に利用するという敵の存在よりも、人間らしく生きることの大切さを訴えているかのようでした。監督は言及してなかったようですが、『カリオストロの城』も参考にしたのかなぁ・・・

 斬新なモノクロ映像にはしばらくすると慣れてくる。次第に、女性研究員を誘拐したのは誰なのかとワクワクもしてくるのですが、アヴァロン社の透明人間がうざすぎる。こんなのが作れるんだったら、もう充分だろうに・・・

★★★・・

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9 コメント

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なんだか・・・ (kisen)
2007-09-18 22:30:47
kossyさん、こんばんは。

この映画、ちょっと期待して見に行ったのですが、なんかつまらなく思ってしまいました。

映像は確かに目にも斬新なのですが、物語がどこかで聞いたような・・・。

もう随分経つのでちょっと忘れてしまってるのですが、途中少し眠かったような記憶が。あ、そうそう「イーオン・フラックス」(合ってるかな?)を思い出したんだった。

ちょっと似ているように思いません?
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もやっとしています (祐。)
2007-09-18 23:37:05
似たような映画があったような気がしていますが、題名が思い出せません。

表面は老化しない化粧品だけど、裏では 遺伝子操作かクーロンを作り出していた映画です。

もやーとしているので はやくすっきりしたいです。

それにしても、しわくちゃになっても不老不死で居たいのだろうかと思いました。
死なない世界に住むということは、この世に天国を求めているのだろうか???
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たしかに (kossy)
2007-09-20 00:33:31
>kisen様
ストーリー的にはデジャブ状態(笑)
謎を追ってるところまでは良かったんですけどね~
まあ、この手の不老不死をめぐるストーリーの中では、女性がその主犯格(?)だったのが面白かったかな。

『イーオン・フラックス』ですか・・・俺はもう忘れてしまってる・・・

>祐。さま
日本のアニメだったですか?
SFではよくあるパターンだし、探せば色々と見つかるかもしれませんよね。
俺もすっきりしたいけど・・・思い出せないということが老化の始まりだったりして・・・(汗)

死なないということもつらいこと。
あの爺さんの心理描写がもっとあれば、「こんな薬を世に出すと不幸な人が増える」という主張も感じられたかもしれませんよね・・・
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Unknown (hiro4)
2007-09-21 19:18:29
ビジュアル的には満足しています。

アヴァロン社がやりたい放題と言った感じですが、かと言って警察からアンタッチャブルかというとそういった感じでは無いような・・・・。政府と裏でくっ付いていたりする描写が有れば悪としての広がりが出たと思います。

早老病の克服が、不老不死につながると言うは言われて見ればそうだと思いましたが、想像出来なかったですねえ(想像力貧困(汗

早老病の治療に成功したと思われる弟が書いていた画が子供が書くのとなんら変わらないのを見て、精神の成長が止まっているのかもと考えましたが、そうなら、あの技術には重大な欠陥があるように思えます。

ちなみに、不老不死がからむ話なら、最近見たアニメ「高橋留美子劇場・人魚の森」が面白かったです。
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 (kossy)
2007-09-23 15:41:19
>hiro4様
フランス映画といえば、警察にはだいたい「悪」が多いですよね。必ずどこかで悪のパイプを持ってるような・・・
もしかすると、そういう前提があるのか、今更説明しなくてもいいでしょう・・・といった省略があるんじゃないかと想像しています。

早老病を克服しても、老けたままずっと生きなきゃならない辛さ・・・これも描かれていればもっと良かったですよね。まぁ、アニメなんだし、顔だけ老人で精神が子供のままというのもありなのかな・・・・それとも閉じこもりだったからなのか・・・

高橋留美子・・・そんなアニメがあったんですか。見てみたいです!
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こんにちは☆ (ゆかりん)
2007-10-04 12:41:49
やっと地元でも上映されたので観てきました。
モノクロの映像も最初は違和感がありましたが慣れてくれば大丈夫ですね。
やはりシロクロつけなきゃいけないので人間らしさもバッサリのような気がしました、、、
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モノクロ (kossy)
2007-10-05 01:35:57
>ゆかりん様
最初はやっぱりとまどっちゃいますよね。
俺も中盤あたりからは平気になりました。
人間の心理の描き方も上手くないけど、その虚しさが逆に未来感を表現できたのかもしれませんね~
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アヌシー国際アニメーション映画祭グランプリ受賞! (Aki)
2008-01-22 02:23:50
期待しすぎました。

映像の技術者が観たら、最先端の技術を駆使し、素晴らしい映像なのかもしれません。

しかし、ズブの素人の私が映画に求めるものは内容。

実写かCGか、2Dか3Dか、カラーかモノかは二の次。

勿論、大切な要素ですが一番は内容。

人間讃歌、権威や伝統を越えてゆこうとするルネッサンスというより、映像技術讃歌、パクリ?にしか思えませんでした。

連想した類似作品は、『シンシティー』『ダークエンジェル』『キャットウーマン』『マイノリティレポート』と、見えないモノが見えるようにモヤっと表現した『プレデター』『ハリーポッターのマント』。

姫の救出や、手順や手続きをムシする刑事は書ききれません。。
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グランプリ (kossy)
2008-01-22 23:38:32
>Aki様
俺も期待しすぎてました!
映像だけは画期的だったのに、ストーリーがね~
まぁ、日本じゃアニメ通が多いので、「●●に似てる」などと色んな批判を浴びそうな・・・そんなストーリーでした。
でも近未来なんかじゃ、世の中も人間性を感じられなくなるのかもしれない・・・こんなモノトーンのような単調な生活が続いたりして・・・そう考えると怖いですよね。
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