ウンコという絆で結ばれた戦友・・・
当時の韓国の情勢など知る由もなかった1980年。隣国でこのような残虐な事件があったことに衝撃を受け、軍事政権に対する憤りのおかげで映画館の席を立つまで身体の震えが止まらなかったほどでした。徹底抗戦を繰り広げる光州市民の決断について、日本でこんな事態になったなら?等々、考えさせられることも多く、ずっと心に残りそうな映画。
両親を早くに亡くしたタクシー運転手ミヌ(キム・サンギョン)と高校生のジヌ(イ・ジュンギ)の兄弟。ミヌはジヌと同じ教会に通う看護師シネ(イ・ヨウォン)に恋していた。同僚インボン(パク・チョルミン)の後押しもあって、なんとか映画に誘い出すことに成功。弟も同伴でコメディ映画を観ていたら、催涙弾とともに傷ついた男が兵に追われて助けを求めて館内に・・・
1979年の朴正煕大統領暗殺によって訪れた束の間の民主化の兆し。平和に暮らす国民の前に立ちはだかったのは軍による学生デモの鎮圧であった。全斗換退陣、金大中釈放などのシュプレヒコールを行う学生たちに襲いかかる理不尽な力。デモとは関係のない一般市民にも軍隊による残虐行為が繰り返されるのだ。
韓国でもタブーとされてきた光州事件を暴くドキュメンタリー映画のような内容を想像していたけど、力のない小市民が極限状況においていかに抗戦するようになったかという心理状態や家族や恋人のみならず、同じ市民への愛も感じられるドラマでした。大学生の息子を殺された盲目の女性、父親を殺された幼子、同級生を殺された高校生たちやその教師。感情移入せずにはいられない・・・
シネに対する中学生並の純情な愛に微笑ましくなり、演ずるイ・ヨウォンが徐々にともさかりえに見えてきた。鼻と口元がとてもよく似ているんです。その父親は元軍人であり、市民軍の隊長となるアン・ソンギ。終盤にキム・サンギョンが彼に「アボジー」と泣き叫ぶシーンに涙がこぼれ、追い込まれた市民兵が「名前を忘れないでくれ」と次々に無線機に呼び掛けるところで大泣きでした。
軍事クーデターによる政権がいかにおぞましいものであるか、権力による情報操作がいかに世の混乱を拡大させるか、などとあれこれ考えてる中、末端の兵士だって同じ韓国人なんだと思うと、ますます悲しくなってくる。事件が拡大した原因には兵役義務があったり、国民性の違いがあるためと簡単に片づけてしまう嫌韓の方もあろうが、このような惨劇はどこの国においても起こる可能性があるものだ。軍隊(自衛隊だってそうだ)は決して国民を守るための組織ではないということを忘れてはならないと思う。
★★★★★
当時の韓国の情勢など知る由もなかった1980年。隣国でこのような残虐な事件があったことに衝撃を受け、軍事政権に対する憤りのおかげで映画館の席を立つまで身体の震えが止まらなかったほどでした。徹底抗戦を繰り広げる光州市民の決断について、日本でこんな事態になったなら?等々、考えさせられることも多く、ずっと心に残りそうな映画。
両親を早くに亡くしたタクシー運転手ミヌ(キム・サンギョン)と高校生のジヌ(イ・ジュンギ)の兄弟。ミヌはジヌと同じ教会に通う看護師シネ(イ・ヨウォン)に恋していた。同僚インボン(パク・チョルミン)の後押しもあって、なんとか映画に誘い出すことに成功。弟も同伴でコメディ映画を観ていたら、催涙弾とともに傷ついた男が兵に追われて助けを求めて館内に・・・
1979年の朴正煕大統領暗殺によって訪れた束の間の民主化の兆し。平和に暮らす国民の前に立ちはだかったのは軍による学生デモの鎮圧であった。全斗換退陣、金大中釈放などのシュプレヒコールを行う学生たちに襲いかかる理不尽な力。デモとは関係のない一般市民にも軍隊による残虐行為が繰り返されるのだ。
韓国でもタブーとされてきた光州事件を暴くドキュメンタリー映画のような内容を想像していたけど、力のない小市民が極限状況においていかに抗戦するようになったかという心理状態や家族や恋人のみならず、同じ市民への愛も感じられるドラマでした。大学生の息子を殺された盲目の女性、父親を殺された幼子、同級生を殺された高校生たちやその教師。感情移入せずにはいられない・・・
シネに対する中学生並の純情な愛に微笑ましくなり、演ずるイ・ヨウォンが徐々にともさかりえに見えてきた。鼻と口元がとてもよく似ているんです。その父親は元軍人であり、市民軍の隊長となるアン・ソンギ。終盤にキム・サンギョンが彼に「アボジー」と泣き叫ぶシーンに涙がこぼれ、追い込まれた市民兵が「名前を忘れないでくれ」と次々に無線機に呼び掛けるところで大泣きでした。
軍事クーデターによる政権がいかにおぞましいものであるか、権力による情報操作がいかに世の混乱を拡大させるか、などとあれこれ考えてる中、末端の兵士だって同じ韓国人なんだと思うと、ますます悲しくなってくる。事件が拡大した原因には兵役義務があったり、国民性の違いがあるためと簡単に片づけてしまう嫌韓の方もあろうが、このような惨劇はどこの国においても起こる可能性があるものだ。軍隊(自衛隊だってそうだ)は決して国民を守るための組織ではないということを忘れてはならないと思う。
★★★★★
いつも映画を観る前にこちらの評価を参考にさせていただいてます。
kossyさんの評価の低い映画は観るのやめたり(笑)
この映画私は5月に見たんですが、
ご覧にならないのかな~?とずっと思ってました。
★5つだったので思わずコメントさせていただきました。
私も中盤からラストまで泣きっぱなしでした。
こんなに泣いた映画は初めてというくらい・・・。
感動とも違う感情、主人公達に感情移入してしまったとでも言うのでしょうか?
イ・ヨウォンとともさかりえは私も数年前から似てると思ってました。
ただ、演技力はこっちの方が数段上じゃないかと・・・
あとヨンデ役のパク・ウォンサンが狩野英孝に見えてしかたなかったのは私だけですか?
はじめして!コメントありがとうございます。
さすがに石川県も田舎。こうした映画の公開は都会よりも遅れてしまいます。5月中に観ることができたら感慨深かったかもしれませんね~
憤りやら悲しさやらが混ざって恥ずかしいほど泣いてしまいました。特に子供が殺される戦争映画は涙腺だけじゃなく心臓をも攻撃されるような感覚になってしまいます。
イケメンの狩野英孝かぁ~~そういや似てる!というか、最近お笑いの番組を見てないもんで・・・さきほどマジックの番組見ていて確認(笑)
数年前というと『子猫をお願い』でしょうか?そのときは感じなかった~確認したいです。
光州5.18
いきなり軍隊の移動から始まるので、光州事件を知らない人には無頓着すぎるのではと思いました。実際 当時の事件を報道で聞いていた私でさえも、市民が何に不満を持っていたのかわかりませんでした。
名誉回復を名分のみに作ったとしか感じられませんでした。もう少し何とかならなかったのかと思いました。
俺も当時の韓国情勢なんてまったく知らなかった人間です。韓国人の反日感情なんてのも知らずに韓国旅行に行った人間でもあります(汗)
なんとなくわかってきたのが『チルソクの夏』だったり、『夏物語』を観てからだったりするのですが、そろそろベールがはがれかけてきた・・・といったところでしょうか。
たしかに「名誉回復」といったテーマにすり替えられたようなエンディングでしたけど、本当に言いたいことはまだまだこれから・・・今後もこの時代の映画が作られることを期待したいと思います。
タブーとされてきた韓国近代史作品。
納得です。
『シルミド』『大統領の理髪師』同様、衝撃的な作品でした。
恥ずかしながら、今作を観るまで、このような事件があったことすら、知りませんでした。
http://mwkp.fresheye.com/mb/m.php/%E5%85%89%E5%B7%9E%E4%BA%8B%E4%BB%B6?from=imb_ser 歴史的背景を知らないと、とも思いましたが、民主化の活動家や指導者ではなく、政権や思想には無知・無関心な一市民を主人公としたことで、戦いなど望んでおらず、巻き込まれていった、普通の市民の様子がリアルに伝わり、わかりやすかったように思います。
犠牲者のご冥福・鎮魂をお祈り申し上げます。
明けましておめでとうございます。
ベストテンの中から早速ご覧いただいたのですね~
素早い行動力には感服いたしました。
『シルミド』も好きな映画なんですけど、あれは実際には犯罪者だけじゃなかったことで遺族たちが汚名をきせられたとして訴えてたんですよね。そのためか評価は満点には至りませんでしたが、闇の韓国史を自ら暴いたところは評価すべきこと。韓国映画って、こうした暴露話が多そうですねぇ・・・
そんなこんなで今年もよろしくお願いいたします!