容姿に自身がなく、顔で拒否られるって・・・つけ眉毛のせいじゃないの?と、最初からツッコミ態勢で鑑賞してしまいましたが、細かなところで音楽映画の素晴らしさを堪能することができました。さすがに全体的にはジュディ・ガーランド版『スタア誕生』(1954)もバーバラ・ストライザンド版『スター誕生』(1976)も観ているので、男が落ちぶれていく展開は知っていた。言ってみれば、ストーリー的には安心して見れたのです。
細かな点でちょっと使えそうな、また今後流行るかもしれないペンチでギターの弦を切るエピソードがお気に入りです。ギターを弾いたことのある人しかわからないかもしれないのですが、古くなった弦の処分、分別は困りものなのです。ゴミの分別がうるさくなってからは、細い弦は丸めて、太い弦はペンチで切り刻んで空き缶の中に入れてゴミ出しする方法をとっています。そんな処分に困る不要弦を指輪にしてプロポーズするという画期的なアイデア!世の男性ギタリストたちが真似すること間違いなしと思えるシーンでした。
もうひとつ、音楽映画特有のものですが、あり得ないやろ!とも批判される重要なファクターがあります。古くは『ベニイ・グッドマン物語』(1956)で、ライオネル・ハンプトンがいきなり乱入してセッションを始めるシーンだとか、『スウィングガールズ』(2004)で遊びまくってた女の子がいきなり楽器店で管楽器を購入して主人公のバンドで演奏するとか、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)ではフレディが歌う「Doing All Right」にいきなりハモるブライアンとロジャーだったり、練習してないのにできるわけないやろ!と感じるシーンが必ずあるものなのです。このレディー・ガガ版でも、酔っぱらったジャックがアリーの口ずさんだ曲を次の日のコンサートでいきなり編曲し、完成された曲としてアリーとデュエットするという凄技がありました。こういう「嘘やろ!」的なエピソードが音楽映画独特の手法(?)として存在しています。ミュージカル映画ではもっとあり得ないシーンがいっぱいありますので、元々はミュージカルから来てるのでしょうね。
さて、このレディ・ガガ版というより、ブラッドリー・クーパー版といった方がいいかもしれない今作品では、聴力を失いかけて酒に溺れる男を好演していましたが、もっと聴力が失われるシーンを重く描いてほしかったと感じました。これじゃ、単に禁酒できない上にドラッグ漬けになっただけの男のような気もする。頭の中で想像していた音というエピソードも良かっただけに残念でした。あ、それと、いつの間にか酔っぱらってるジャックというのも不自然でした。
なにはともあれ、シャロウを聴くだけでも価値のある映画だと思います。
★★★★
もしかしたらもっとツッコミが出来たのかもしれませんが、そんな映画じゃなかったですねぇ
終盤はちょっと駆け足でしたが、眠くなるのもしょうがないですよ
前の晩にちょこっと口ずさんだ曲をアレンジして
ぶっつけでステージで歌っちゃうのはやっぱりありえないですね、同感です。
でも、あの場面でウルウルと涙が出ちゃうw
それ以外は割と冷静に眺めてたんですが。
ジャックのラストには胸が痛くなりました。
恋愛映画でもあり音楽映画でもあり...で、個人的にはもっとガガ様の歌が聴きたかったんですけどね..。
物語ではちょっとうとうとと💧