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守護神

2007-02-12 04:00:28 | 映画2007
 伝説的なレスキュー・スイマーには水かきがついていた?

 海洋モノは映画館で観るにかぎると改めて思い知らされた作品でした。冒頭から激しい嵐の中で手に汗握る救助シーン。巨大で荒れ狂う海は小さな船など一気に飲み込んでしまうほど、もはや人間が小さな虫であるかのように手も足も出ない凄まじさ。救助活動も難航。「生きているかもしれない」と一縷の望みを託して救命士は海へと降下する。時間も限られ、やっとの思いで生存者をバスケットに乗せた瞬間、救助ヘリは荒れ狂う波に激突炎上する・・・大切な仲間も失い、心身ともに深い傷を負ったベン・ランドール(コスナー)はレスキュー隊員エリートを育てる学校の教官として赴任することになるのです。

 “so others may live”-自分の命を賭してまで救助しなければならない彼らの宿命。Aスクール級学校へと舞台を移してからは、日本映画『海猿』で描かれた雰囲気とそっくりだ。過酷な訓練のため半数は脱落するという18週間の学校。生徒を教えるのが初めてではあるが、これまで200人以上救助したという記録保持者のランドールの教育方針は、『海猿』とは違いより実践に近い。理論を丁寧に教えるよりも体に叩き込むという体育会方式だったのだ。体力測定するよりも1時間プールで立ち泳ぎさせるなんて、もうすでにアウトです・・・

 生徒の一人、学生時代に水泳で大活躍したジェイク・フィッシャー(アシュトン・カッチャー)。彼と教官ランドールの父子愛にも似た師弟愛が心に響く。仲間を失ったという精神的苦痛。何度も夢でうなされるほどのトラウマを持ったランドールがフィッシャーにも共通する何かがあると感じたところもいい。フィッシャーの“2”と彫った刺青、ランドールが語りたがらない実際に救助した人数。互いに秘密めいた部分に興味を持つのも面白い。また、単なる賭けから付き合うこととなった女性の存在や、妻に逃げられたランドールが事実を隠し続け、ずっと指輪をはめていたところも2人の人物像を盛り立てる。

 時間を気にしてないで見ていたら、まさか卒業して終わり?と焦ってしまいましたが、本当の面白さは卒業したフィッシャーがランドールの故郷へ赴任するところから。こうやって実地訓練でも師弟愛を発揮してくれるとは・・・あぁ。

 『ウォーターワールド』のことばかり考えていたので、ドライランドに住み着いた主人公がそのまま海の守り神になる話だと勘違いしていました。あ、当たってるのか・・・

★★★★・

《追記》2月13日
マグロはえ縄漁船「幸吉丸」の転覆事故で行方不明だった3人が無事生存!
当て逃げした大型船も気になるところですが、この映画を思い出して涙が出てきてしまいました。「救助を待て」と励ましてくれる守護神はいる!最後まで信じて生きようとする気持ちが命をも賭けて救助する隊員たちへの敬意の表れでもあるんでしょうね。

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19 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ああならなくても・・・ (しんちゃん)
2007-02-12 08:09:39
「守護神」であることには間違いないと思うんだけどなぁ(笑)
守護神って言葉にはどうしても「大魔神佐々木」を連想しちゃう私です。
でも・・・この映画、やっぱ「海猿」とはどこか違うよね(笑)
「愛ルケ」もこれも・・・仕事熱心な奴は奥さんに逃げられるってことで・・・ショックなんだよなぁ(^^;
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守護神 (kossy)
2007-02-12 08:19:53
>しんちゃん様
野球映画にも2本出てるケビン・コスナーですが、抑えのピッチャーではなかったようです。
「海猿」よりも軍隊訓練モノ映画って感じもありましたよね。これでコメディならば「ポリスアカデミー」なんでしょうけども、コスナーの役が鬼教官というイメージじゃないため似てないですよね・・・
やっぱり多少はマイホームパパにならなきゃダメってことですね(笑)
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「死んでも」守り抜く。 (Ageha)
2007-02-12 08:58:02
海猿リメイクっていうてもいいくらいの作品に
「愛と青春の旅立ち」風味。

でもケビンコスナーもアシュトンカッチャーも
よかったな~~~(そっちですか)

リメイク版シャルウィダンスもそうでしたが
アメリカってとこはホンマに奥さんを大事にしないと
あかんのでしょうね。
日本みたく3歩後ろから黙ってついてきては
くれませんて。
(いや今の日本でもそれはムリか・・・笑)

死んでも守り抜く・・・なら
何でそうなるん?と思いつつ
ああ、だからガーディアンなのねと最後に納得。
伝説のスイマーは神の域までいってしもたのねと。

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「ウォーター・ワールド」 (とんちゃん)
2007-02-12 11:43:51
こんにちは~★

そういえばそういう映画がありましたね~~忘れてました^^ 半漁人みたいな格好だったのだけ何となく覚えています。
こういう救助物は、やはり感動しちゃいますね~~。最後はああならなくても、と思いましたが・・・・あれは深く潜水してヘリの時間を守らなかったジェイクのミスなのに反省の色もなかったですね~~(笑)

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こんにちは♪ (ゆかりん)
2007-02-12 13:55:35
絶対大きなスクリーンで観るべき作品ですよね。
救助ものは大好きなのですが、師弟愛にもやられましたー。
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レスキュー・スイマー (小米花)
2007-02-12 14:41:01
ウォーター・ワールドまでは考え付かなかったです。
kossyさん、すごい~。
私は「メッセージ・イン・ア・ボトル」で溺れ死んだ彼を思って、あの時助けてくれたら!と思ってました(笑)。
でも、最後は神になっちゃったんだから、同じか~~。

それと、私はアシュトンはデミ・ムーアが亡霊のように見えてしまうのですが、今回の映画でそれも吹っ飛びました!役作りに感服しました。
TBさせて頂きました。
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こんにちは♪ (ミチ)
2007-02-12 15:41:47
「守護神」っていうタイトルにダメ出ししたいんですよね。
しんちゃんさんも仰っていますが、どうしても佐々木投手を思い出してしまうんです。
「ガーディアン」じゃダメだったのかしら?
落ちぶれていたケヴィンが復活してきてくれて嬉しい!
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リアル (たいむ)
2007-02-12 16:22:15
kossyさん、こんばんは。
>まさか卒業して終わり?
私もちょっと心配してしまいました。
師弟が同じ職場で活動するところまで描かれていたところが特に良かったですから。
しかし、アラスカ勤務はベンの裏工作、もしくは事情を知る誰かの企みと考えましたが、赴任直後に引退なんて酷いわ!って思ってしまいました(笑)
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海猿な皆様へ (kossy)
2007-02-12 17:06:48
>Ageha様
「愛と青春の旅立ち」風味であっても、人を殺す軍隊ではなく、人を救う警備隊ですから、やっぱり「海猿」風味です(笑)
たしかに男から見ても、コスナー&カッチャーがよかった。
まぁ、奥さんに逃げられるなんてのは仕事が忙しかっただけのようだし(子供ができなかったことも?)浮気発覚とかじゃなくてホッとしました(ちがうか・・・)。
さすがにあれだけハードだと、夫婦間の相談とかいうのもなかったのかもしれませんよね。

ガーディアンって言葉も定着しつつありますよね。
俺はどうしてもカーディガンと間違うんですが・・・

>とんちゃん様
実は映画の「ウォーターワールド」よりはUSJの「ウォーターワールド」が大好きなkossyです。あれは何度観ても楽しい♪
やっぱり人が救われると感動するんですよね。
アメリカのテレビ番組でも再現ドラマとか放映されると、ついつい涙を流してしまいます。
日本でも崖っぷちの犬とか矢がささった動物とか・・・

ジェイクの責任の部分もありましたよね。
それに対して怒ることもなかったし。
死期が迫ってたこともわかってたのだろうか・・・

>ゆかりん様
迫力満点でしたね~
俺は「パーフェクトストーム」を映画館で観たときからビビリまくりです。
やっぱり海はこわい・・・・
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師弟愛な皆様 (kossy)
2007-02-12 17:17:51
>小米花様
俺の場合、最初に宣伝を観たときから半魚人を想像してしまいました(汗)
USJの「ウォーターワールド」が好きなこともあるし・・・
あぁ、「メッセージ・イン・ア・ボトル」も海か。
結構海に関する映画に出てたんですね~

アシュトン・カッチャーもこの映画が出世作となればいいですよね。「バタフライ・エフェクト」なんて最高なのに、あまり話題になってないようだし・・・

>ミチ様
そういえば、最近のケビン・コスナーはくたびれた中年、すけべな中年、そんな役ばかりだったですもんね。でも「迷い婚」とか「ママが泣いた日」とかで、いい演技を見せてくれてたし、ラジー賞にも名前が出てこなくなったし、いいことだらけです(笑)
「ガーディアン」、「ザ・ガーディアン」、「ザ・守護神」
「ボディーガード」・・・これは違うか・・・

>たいむ様
思いましたよね~
時間も丁度いい頃だったし・・・

ほんとあそこへ赴任してくるかぁ~!てなもんで、カッチャーが自ら転勤希望を出したんでしょうね。いいなぁ~信頼しあえる師弟愛。
引退という言葉も、「ジェイク・フィッシャーになら後をまかせられる」と考えたからなのでしょうか、それともみっともないところを見られたくなかっただけだったり・・・
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