お父さんは毎日毎日狭い車庫の壁にぶつかりそうになりながら車を停める。ギャラクシーとかいうフォード社の高級車。そして車は必ず犬のウンコを踏んでいくのだ。それを掃除するのは家政婦クレオ。冒頭から何度もデッキブラシでこすって水をかける作業も淡々と進められる日常業務なのだ。そして水を流した跡には飛行機の陰影が映りこむ・・・
平凡な日常にも変化が訪れる。一家の大黒柱である医者のアントニオが家に戻らなくなってしまい、クレオは同僚の恋人のいとことかいう男フェルミンの子を妊娠してしまうという事態。さらには監督自身の回想録でもあるかのように、メキシコ激動の70年代の始まりでもあったわけだ。ただし、暴動は何のために起きたのか?そういった描写が一切ないところに不満がたまる。会話にも「軍人に子供が殺された」という恐ろしいエピソードがあったにもかかわらず、一切描かれない。あくまでも私的な歴史でしかなかったのが残念だった・・・
社会派作品だと勝手に期待していたのも悪いのですが、韓国映画の『タクシー運転手』や『1987、ある闘いの真実』とか『光州5・18』とか、そんなのを期待していたのです。
それでもモノクロームの中には小津作品や初期の黒澤作品にも似た雰囲気があって、芸術性も高い。『ゼロ・グラビティ』も撮っている監督。難しい技術を簡単そうに撮ってる作品に仕上げているところもニクい。海のシーンなんて、まじで溺れちゃうんじゃないかと冷や汗ものでした。
他の方のレビューを読んでみると、『宇宙からの脱出』の映像が使われていたみたいですが、ちょっと前にテレビで観てました。
★★★★
平凡な日常にも変化が訪れる。一家の大黒柱である医者のアントニオが家に戻らなくなってしまい、クレオは同僚の恋人のいとことかいう男フェルミンの子を妊娠してしまうという事態。さらには監督自身の回想録でもあるかのように、メキシコ激動の70年代の始まりでもあったわけだ。ただし、暴動は何のために起きたのか?そういった描写が一切ないところに不満がたまる。会話にも「軍人に子供が殺された」という恐ろしいエピソードがあったにもかかわらず、一切描かれない。あくまでも私的な歴史でしかなかったのが残念だった・・・
社会派作品だと勝手に期待していたのも悪いのですが、韓国映画の『タクシー運転手』や『1987、ある闘いの真実』とか『光州5・18』とか、そんなのを期待していたのです。
それでもモノクロームの中には小津作品や初期の黒澤作品にも似た雰囲気があって、芸術性も高い。『ゼロ・グラビティ』も撮っている監督。難しい技術を簡単そうに撮ってる作品に仕上げているところもニクい。海のシーンなんて、まじで溺れちゃうんじゃないかと冷や汗ものでした。
他の方のレビューを読んでみると、『宇宙からの脱出』の映像が使われていたみたいですが、ちょっと前にテレビで観てました。
★★★★
先日私も観てきましたよ。
私も難解な社会派映画かと思っていたのですが70年代メキシコの中流家庭の日常が淡々と描かれたお話でした。それに当時の社会情勢が絡まっていたけど、あくまでも淡々と話が流れていく。
車庫に比べて車幅が広すぎるのと、毎度毎度犬のうんちが散乱しているのがおかしかったですね。