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(無題)

2008-01-22 00:48:53 | ノンジャンル
彼女を落としました。
高い高い場所から落としました。
薄暗い空が、日の光を消して行きます。
とても静かでした。
何も聞こえません。
何も話しません。
圧いコンクリートに、彼女の後がありました。
細く白い、とても綺麗な破片を、長く、羽の様に広げた髪を囲むように、
彼女の後がありました。

光の薄暗い世界で、彼女は輝いていました。彼女の破片は、輝いていました。
彼女は嘘を知りません。
彼女は憎しみを知りません。
彼女は裏切りを知りません。
彼女は揺らぐ事を知りません。
彼女が変わることはありません。
それでも、
彼女が幸せを奪う事を知った時、
彼女を落とす事に決めたのです。
彼女は否定を知りません。
彼女は前を見ていました。
落とされた時も。
落ちてゆく間も。
破片となった後も。
彼女の瞳は揺らぎません。
彼女は揺らぐ事を知りません。
彼女は、戻る事を知りません。
彼女が、戻る事はありません。
彼女は破片となりました。
彼女の後になりました。
彼女の破片は輝いていました。

月刊傘原風水学、13ページ『風水と人形』より、抜粋。

19*4年初刊発行。
一週間後、廃判決定。
現存数、約12冊。


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1 コメント

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Unknown (ナーミン)
2008-01-23 02:36:53
オマエキモス(・ω・`))
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