ビジネス本・自己啓発本☆読書日記

元気が出たビジネス本・自己啓発本を読んだ感想をまとめます!

『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想』(著:古市 憲寿)

2010年10月16日 | 日記
居酒屋とかによく張ってある
「地球一周、99万円」のポスターで有名なピースボート。
知り合いでも乗船した子がいて、
楽しそうだなぁくらいにしか思ってなかったけど、
この本を読んで、ただの地球一周の船ではないことを知って
もっと興味をもちました。


他のクルーズに比べたら格段に安いから、乗客は若者が多い。
乗船中は、自主イベントがたくさん催されて、
自由であるけど一定のコミュニティもできて、
若者にとって居心地がいい場所となっているらしい。


少し驚きだったのは、乗船後。
月何回かのホームパーティーやルームシェアがされている場合も多く、
このコミュニティは存続しているとのこと。
もはやピースボートに乗り込む若者にとっては、
もはや世界旅行が目標ではなく、世界旅行を目的とした船内生活の中で、
人間関係を築き、自分の居場所をつくることが目的となっているとのこと。
仕事で、自分の立場を向上させるのではなく、
仲がいい友達や仲間に囲まれていればいい。
という若者のあきらめに似た状況が広がっているとのこと。


あぁ、これ、私のことだ。とも思ったり・・・


でも、本田由紀氏が解説の中で、
『社会に対してはあきらめ感を抱き
「仲間とそこそこ楽しく」に危惧を覚える。
仲間と一緒にいることだけが承認のリソースだった場合、
その仲間を失ったり関係がおかしくなったときに、
人は何もない空間に取り残されてしまう。
それを防ぐためには、属する仲間がいくつもあることか、
仲間以外に生きる支えのようなものが必要』ということを言っていた。


私の場合、仲間や友達以外以外の支えとは
家族!と即答ですが、


最近は、地域での基盤もない人も多いし、
仕事も不安定な時代だし、親戚づきあいも希薄で、


もしかしたら、
家族の存在すら生きる支えにできない人もたくさんいるだろうし、
ボーっとしてたら自分の属する社会が決まらない時代なのかもしれない。


だから、これからは自発的に動いて自分で選択することによって得られる社会、
例えば、ピースボートのように共通の居場所を求める仲間や、
趣味での世界など、
自分が自発的に選択して帰属する居場所が
「社会」となっていくんだろうと、
何となく思いました。


それは、がんばることのあきらめではなく、


別の次元での自発的な社会の構築だから、
悪いことじゃないと思うし、
それも健全な社会の構築だと思いました。


でも、だれかは社会の中でがんばらないといけませんね。


元気のない日本に対して、
「だれかが社会を良くしてくれるだろう」と
ひとごとのように思っていてもだめなんだろうなぁ、
と、解説を読んで反省させられた一冊でもありました。