やっと床に付くことにして、すやすや眠るいっくんとこいちゃんの間に体を滑り込ませて暖かい布団にすっぽりともぐりこみ、少しまどろみかけたときだ。
突然いっくんが泣き始めて「耳が痛い~!!」と騒ぎ始めたのだ。
えぇ~…。
普段激しい怪我をしても結構平気で、痛みに強く、血が出ていても気が付かなかったりするいっくんが泣いて起きるほどだから、本当に痛いに違いない。
多分、中耳炎だろうな…と思いつつ、痛みに強いいっくんだから、鎮痛剤を飲ませずにごまかせないかな~、と背中を叩きながら声をかけていたら、10分程してから、やはり眠ってしまった。
朝起きたところで「痛い?」と聞くと「ぜんぜーん」と機嫌よく答えていたが、耳の聞こえが悪くなっては大変なのですぐに病院に連れて行くことに。
伴侶は、私といっくんを病院に送った後、こいちゃんを連れて公園に。
大変な人で、1時間経っても呼ばれることがないのが判っているので、私はいっくんを連れてすぐ近くのツタヤに入った。
いっくんは自分の興味ある本を物色したり、教材を探したりして、時間をつぶす。
私も上階にあるクラフトショップに入りミニチュアの材料を購入したりして40分ほどそこで過ごした。
「呼ばれてるかも…」といっくんが不安がリ始めたので病院に戻り、「アレルギー性鼻炎とは」など、病院に置かれている小冊子を読んだりして過ごした。
やはり中耳炎で耳の聞こえが悪いのか、やたら声の大きないっくんは、周りがこちらをちらちら見るようなトーンで私に質問をしたり、ダニの絵について熱く語ったりする。
恥ずかしくて「小さな声で…」と注意するもすぐに大きな声に戻ってしまうのだ。
しばらくそんな事を繰り返していたら、隣のおばさんが「来年から小学校ですか?ずいぶんしっかりしていて、私の孫とは様子が違うから…」と驚いたように話し掛けてこられた。
とんでもないやんちゃ坊主である事を話しながらちらりといっくんを見ると、固く口を結び、目を合わせず、話にも参加せずに小冊子を「読んで」と私に押し付けた。
が、明らかに話の内容を意識しており、照れているのが良く判り、ちょっと心の中で笑ってしまった。
診察室でも自分から診察イスに座って看護婦さんに誉められた為、ちょっと「おすまし顔」のこの日のいっくんは自分のお兄ちゃんっぷりに満足気であった。
左耳のみ中耳炎になっているようで、少し鼓膜が赤くなっている、と先生から説明を受けた。
帰宅してご飯を食べると、いっくんは大好きな甘い薬を美味しそうに飲んだ。
これで、今夜からぐっすり眠れることだろう。
私も一安心である。