突然、本当に突然、キャンプに行くことになった。
GWの旅行を待ちきれないこいちゃんの強い意向により、その日の朝に突然出発することになったのだ。
今回は寝床となる板も積みこまず、食料はインスタントラーメンだけ持ち込むという、気合のなさ!
とりあえず、着替えとシュラフとコンロセットだけ積み込んでドタバタスタートである。
行き先も勿論思いつき。
伴侶の鶴の一声で伊勢にあるおかげ横丁を目指すこととなった。
朝から大雨にもかかわらず、子供たちのテンションは常に上に。
車を走らせ、夕方になるころ、ようやく始めの目的地である道の駅に到着。
その頃にようやく雨が上がっており、歓迎してくれているかのような虹のお出ましである。
ついたら早速晩御飯。
ずっと車に缶詰だったいっくんはあまりお腹が空いておらず、ざるそばを注文。
それに対してこいちゃんはすっかり空腹で、お盆にずらりと並べられた「旬菜ごっつぉう」なるものを注文。
どんどん平らげていった。
こいちゃんが食べられないものは、料理を控えめに頼んだ私と伴侶で頂くことに。
旬の山菜のてんぷらなどは、少し苦味があり大人の味である。
とっても美味で、私も伴侶も大絶賛であった。
朝から降り続いた雨のせいか、観光客はまばら。
そのおかげか温泉も非常に空いており、かなりゆったりと入ることが出来た。
首だけ出すサウナ様の箱にこいちゃんと二人で入りながら、のんびりと話をし、外湯に行って庭を眺めた。
疲れを癒してから車に戻り、ベッド作りもほとんどせずに荷物だけを移動してシュラフにもぐりこむ。
座席を跳ね上げて私と子供たちはフラットな場所で眠った。
翌日の運転にさしつかえるのでは?!とかなり心配したが、伴侶だけは「運転席でいい!」と一点ばりで、結局朝まで過酷な座席での睡眠…。
翌朝はすっかり晴れていた。
シュラフを片付ける間に、伴侶といっくんは散歩に出かけ、大きなタンポポなどをゲット。
ラーメンやおかゆ、春雨スープなどで簡単に済ませて、最終目的地であるおかげ横丁に向かう。
昔のような町なみと、立ち並ぶさまざまなお店に、こいちゃんもいっくんも目を白黒。
何を買ってもらおう!?と色めきたつ。
一番初めにこいちゃんといっくんが走って行ったのは、何故か真珠屋さん。
「きれい!きれい!」と連発しながらどんどん中に入っていく。
キラキラしたものが大好きなのか、私と伴侶が外で待っている間も「どこにできるのか」「なんでおおきいのか」「どうやって出来るのか」など、店員さんに夢中で聞きまくる子供たち。
結局あまりにも粘り強い質問に辟易したのか、なんなのか、真珠貝の殻を下さり、何とか子供たちも納得。
「大きくなったらまたおいで」と温かい声をかけてくださる店員さんにお礼を行ってお店を後にした。
無料の写真展にも入り、ゆったりと伊勢の山々が展示された室内を見て回った。
食べ歩きだって、おかげ横丁の醍醐味である。
こいちゃんは目に付いたイチゴ大福を頬張り「おいひぃ~」
次に子供たちが不思議そうに寄って行ったのは、はたおり機であった。
体験(500円でコースターが作れる)もあったのだが、自宅にある子供用の玩具のはたおり機すら最後まで完成させられない子供たちなのだから、糸の力加減も難しい本格的な足で踏むタイプなんて無理である。
何とか納得してもらって、糸の原料になる綿について説明を受けさせてもらった。
綿の中にある種を取る機械を触らせてもらい、子供たちは大変喜んだ。
これが糸になるんだよ、と教えると本当に不思議そうであった。
最後に種を少し頂き、「家で植えよう!」とわくわくした顔で、それを大事そうにイチゴ大福を食べた後のケースに収めたこいちゃん。
芽が出るといいねぇ。
美味しそうなきゅうりの浅漬け(1本丸ごと)を発見。
歯が抜けかかっているいっくんは、
「痛い、かめない~!!」と苦戦しつつも、美味しそうにがつがつ食べた。
おかげ横丁は広い。
射的をしたり、当て物をしたり、と子供たちも飽きることなく歩き回った。
勿論、伊勢神宮にもおまいり。
大きな木の下はとても涼しく、寒いほど。
遊び遊び砂利を進み、お参りを済ませた。
大きな鯉に出会い、川で遊び、景色を見ながらだらだらと歩く。
この頃になると、淡路島しか興味がなかったいっくんも楽しそうにどんどん行く。
しっかり歩いてカロリー消費したところで、遅いお昼ご飯をとることになった。
伊勢うどん、てごね寿司などを食べて、元気充電である。
その後も、チーズの入ったさつま揚げみたいなものを食べたり、ラムネなどを飲んだり。
こいちゃんが大好きな「ちょっと食べ」を満喫である。
しかし、驚いたのは今までこういったことに余り喜ばなかったいっくんが、同じように食べ歩き、玩具以外にも興味を示していることだった。
ちょっと、成長したのかも!?
松阪牛しぐれ、お肉がジューシーで、前歯が痛いいっくんも伴侶の勧めにかぶりついた。
ソフトクリームもばっちり食べて。
皆が、とくにいっくんが気に入ったのがこの「串とん」。
なんとお代わりを繰り返し、4、5回並ばされた。
おまけに最後は「お土産に買ってかえる」と注文するほどの気に入りようであった。
いっくんが食べることに興味を持ってくれるようになったおかげで、かなり旅行に対する充実感があがったような気がする。
最後にトリカワ揚げをつまみながら車に戻り、帰路についた。
行き当たりばったり、荷物も最低限で出かけた旅行であったわりに、予想を上回る楽しさであった。