猫だ。
最近我が家の周りをうろつき、時たま甘えたような声で近寄ってくる。
人懐こい猫なのだろうが、いったいなぜ我が家の周りをうろうろしているのか…?
走り去った猫は、私の姿に始め驚いていたものの、すぐにいつものなつこさを取り戻し、猫なで声を出しながら近寄ってきた。
もちろん、野良猫なので手の届くような近くによってくることは無い。
と、猫の口元を見てみるとなにやらもぐもぐやっているではないか。
おかしい、私は庭に食べ物など置いてないし、畑の野菜で食べられるようなものなどないし。
不思議に思いつつ洗濯を入れ、しばらく様子を見ていると…
よほどお腹がすいているのか、猫は私を若干気にしつつ「えさ場」に向う。
なんと猫が夢中になって食べ始めたのは、コンポストから取り出して少し前に庭に撒いた肥料であった。
おえーっ!!と思ったが、考えてみるとコンポストの中に回っていた生ごみが処理されずに肥料ボックスに落ちたのだろう。
しかし、真っ黒の生ごみ堆肥を美味しそうに夢中で食べる猫を見ているとなんとも哀れで、追い払えずに中に入った。
もしかしたら先日から物欲しげに周りをうろついているのは、えさを庭に撒け、と言う合図だったのかもしれない。
いつ頃から食べていたのかは知らないが、意図せぬところで野良猫にえさをやってしまった。
人間からすれば肥料のようなにおいしかしないが、猫の鼻だと食べ物だったことがわかるようだ。
この出来事には本当にびっくりした。
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